俺は星間国家の悪徳領主! 2巻 感想 ネタバレ あらすじ

俺は星間国家の悪徳領主! 2巻』のネタバレありの感想になります。

ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。

ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。

あらすじ

善良さ故に奪われ続けた前世を反省して「悪徳領主」を目指すリアム。貴族教育として他家へ修行に出るリアムは、修行先で贅沢するために賄賂を贈るが――
「ついに復讐の時が来た! これでお前も私の悪意に気が付くだろう!」
案内人によって他の貴族と扱いを入れ替えられ、貧乏貴族向けの厳しい扱いを受けることに! それを「賄賂が通じない清廉な貴族」と勘違いしたリアムは、自分と同じ扱いの貴族を「悪徳領主仲間」とさらに勘違い。同室の美少年クルトや妙に距離が近い美少女エイラといった「悪徳領主仲間」と友情を深めて……!?
悪徳領主が目標なのに他家から名君と尊敬されちゃう勘違い領地経営譚、第2幕!!

ネタバレなしの感想

俺は『星間国家の悪徳領主 1巻』の続編です。

Web版『俺は星間国家の悪徳領主!』の第二章を加筆修正された内容となっています。

新たなキャラクターも追加されていますし、量産型メイドロボ視点の追加エピソードもあります。

Web版を既読でもさらに楽しめるようになっているのはありがたいところです。

さて『俺は星間国家の悪徳領主! 2巻』では帝国貴族として認められるため、リアムが他家での修行を行います。

修行先では賄賂にものを言わせ遊び暮らすはずがリアムを逆恨みし復讐を狙う案内人の策謀のため、不遇の環境に貶められます。

果たしてリアムは不遇の環境下で修行を全うすることはできるのか?!

案内人の策謀を、魔の手を跳ね除けることができるのか!?というのがメインストーリーとなっています。

本作品の面白い要素である勘違いや空回りは2巻でも万全です。

案内人の策謀は結果的にリアムにとって大きなプラスになりますし、リアムが勘違いしたうえでの行動も成功に結び付いています。

勘違い・空回りが続いていながらも成果を出して成功してしまうのですが、その展開が嫌みに感じたり興醒めしない面白さを感じます。

主人公リアムは周囲の人々に称賛されたり尊敬されたりはしているのですが、行き過ぎた行為はメイドの天城に窘められますし、

領民を振り回したつもりが実際にはリアムの方が領民に振り回されていたりと周囲がイエスマンだけじゃないのでバランスが取れているんでしょう。

修行先でも不遇を嘆くのではなく前向きに取り組んでいるところもリアムの真面目さや小市民なところを感じられて憎めなくなりますね。

自称悪徳領主としての勘違い、空回りコメディがとして楽しめる一方、宇宙海賊を始めとした悪人との戦闘パートも十分楽しめる内容になっています。

剣聖安士に師事して習得した一閃流は手加減してですら一撃必殺の技のさえを見せますし、騎士アヴィドに乗り込み宇宙海賊を壊滅する圧倒的な蹂躙劇を味わえます。

2巻で新たに出てきたキャラクター達もみないい味を出していました。

同室の美少年クルトはリアムの親友として今後もリアムの力になってくれそうです。

お互いにお互いのことを勘違いをしたままで結ばれた友誼なんですけど、きっとその勘違いが解消されることはないでしょうね。

リアムを認め尊敬するまでの過程は勘違いの積み重ねなんですけど、リアムのアドバイスの内容や成果をみてしまうと勘違いと言えないところが凄いし笑いどころなんだよなあ。

誤解に誤解を重ねたまま親友となった二人の関係は今後も楽しみです。

そしても書籍版で新たに追加されたエイラについては、ぜひ書籍を読んでどんなキャラクターなのかを知ってもらいたいですね。

なかなかに面白く暗躍してくれるキャラクターではありますが、おおよその読者の予想を良い意味でも悪い意味でも裏切ることのない性格してますね。

まさか嘘だろ、予想通りなのかよという驚きを味わえると思います(笑)

多量での修行を無事終え、次は帝国首都星での幼年学校編です。

幼年学校でもリアムは勘違いや空回りしながらも大きな成果を出してしまうんでしょうね。

領地を立て直し、他領での修行も無事に終え、帝国宰相からもまっとうな貴族と認められたリアムが次はどんな成功を収めるのかが楽しみです。

案内人の暗躍、安士さんの出番の有無も楽しみですよ。

リアムが本心から二人に感謝しているところと、感謝された結果二人がひどい目に合うところが大好きです。本当に面白くて魅力的だな(笑)

ネタバレありの感想

ここから下は『俺は星間国家の悪徳領主! 2巻』のネタバレありの感想になります。

未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。

リアムを不幸へと陥れようとした案内人の策謀はリアムを成功に導きましたし、

案内人の策謀を善意と誤解したリアムは案内人に感謝するという本当すれ違いコント見たいな二人の関係大好きですよ(笑)

案内人のやったことは悪辣ですし、騒動に巻き込まれただけと言えるレーゼル子爵とピータック家やペーターは落ちぶれています。

なのにリアムに対してやること思い通りにならないんで二人の関係がお笑いになっているんですよね。

リアムが本当の窮地に陥りそうなタイミングで介入するワンコの存在、

常に案内人に信頼と感謝して尊敬の念を送るリアムの勘違いっぷりが案内人の天敵となっているところ好きですわ。

リアムを不幸に陥れて力を取り戻そうと策謀した案内人はリアムが気づかぬまま返り討ちにされ落ちぶれ、

逆にリアムは信頼できる友人や貴族としての評価を得て更なる高みに上りました。

ここから果たして案内人の復活と逆襲はできるのでしょうかね。また変に策謀を重ねて落ちぶれていく姿しか想像できません(笑)

リアムがより力をつけるためにも案内人さんには無駄な努力を重ねて失敗をしていってほしいところです。

残念ヒロインたち

2巻でヒロイン枠が新たに追加されましたが、また残念枠が増えただけですね(笑)

ニアスは1巻のころから残念なところやヘッポコなところを多数見せてくれましたが、ユリーシアも同じような残念枠でした。

ただ、リアムと残念枠の二人の絡みがコントみたいで面白いのでこのまま正ヒロインとか恋愛モードとかにならずにずっとお笑い枠でいてほしいですよ。

リアムの騎士となったクリスティアナがリアムへの信奉っぷりが酷く、狂信者かつイエスマンとなってしまっていますので

残念な姿や絡みを見せながらもリアムへの突っ込み枠にもなっている残念枠の2人、ニアスとユリーシアは差別化が図られていて輝きを感じます。

それにしてもリアムの周りに美女・美少女が追加されても全然恋愛面の要素が発展せず、賑やかし役としての立ち位置にしかならないですね。

正ヒロイン枠として天城という存在がありますが、天城自身は自分がアンドロイドであることから一歩引いていますし

恋愛的な愛情より子供を見守る母親のような地合いの要素のほうが大きいと感じます。

リアムは前世で妻に裏切られた苦い経験から女性に対する不信感が根強くありますし、生身の女性に対して消極的なところが恋愛面で発展しないのかなと思います。

果たして今後、リアムが信頼や信用をして愛情を向けることができる女性が現れるのかしら?

書籍版追加ヒロイン

書籍版で新たに追加されたヒロイン、エイラ

Web版には存在しなかったキャラクターでしたのでどのような形で物語にかかわってくるのかと注目していました。

が、物語中盤ごろからの描写でもしやとは思っていたのですが、その思いは外れることはありませんでした……

まさか裏も表もなく本当にただの腐女子だったとは……

まあ、本作品は物語に難しさや裏を考えなくていいノンストレスなところが売りだから変にややっこしい展開は入れない方がいいのでしょうね。

リアム×クルトを間近で見るために二人と親しくなり、二人のそういう風に見える写真を撮るために必死になるところ自分の欲望に素直で嫌いじゃないです。

終盤、リアムとクルトの入浴シーンを撮るためにセキュリティを掻い潜ってドローンを送り込む姿を見せてくれましたが、

これはエイラの盗撮技能やセキュリティを掻い潜る技術力がいずれはリアムを助けるという伏線なんでしょうかね?

あんまり伏線とか気にしなくていい物語だと思いますのでただの考えすぎだとは思いますが、エイラもリアムの友人枠として活躍する姿を見たいです。

勘違いしてリアムを信奉したりせず、一歩引いた目線でリアムを支える友人ポジションってエイラ以外いませんから。

幼年学校編で追加される学友たちとの橋渡しや女友達目線でリアムへのアドバイスとか出番多そうなのですしね。

書籍版おまけエピソード

書籍版書下ろしとしてリアムの屋敷にいるメイドロボたち視点のエピソードが追加されています。

天城と量産型メイドロボたちがどのような考え想いを抱いて活動しているのかが垣間見えるエピソードとなっています。

リアムの屋敷に仕えている使用人たちにはメイドロボの無表情かつ無機質な感じが気味悪がられているメイドロボたちですが、

その内心が描写される本エピソードを読むと人間味が感じられ、外面と内面のギャップに面白さを感じます。

メイドロボ同士のネットワーク上にSNSのようなものをつくり、そこで仕事の愚痴や雑談をしていたとか

リアムをからかう為に外見を変えてみたりと人間味あふれすぎですよ(笑)

そんな実は人間味があふれるメイドロボたちが、リアムのことをどのように捉えているのかという点も描かれています。

メイドロボたちにとってリアムは自分たちのことを忌避せず、没個性的な量産型でも一体一体別人と認識して対応するとか素敵です。

そりゃメイドロボたちがリアムのことを好意的に捉えるのも当然ですよ。

リアムとメイドロボたちの交流した場面の動画が人気出るわけですし、それを天城が独占しようとするのもリアムに対する愛情の深さなのでしょうね。

リアムもメイドロボに向けている好意や信頼を一部でも残念ヒロインたちへ向ければ、ちゃんと恋愛面も発展するんじゃないかなあ。

シリーズ感想の索引

俺は星間国家の悪徳領主! 1巻 感想 ネタバレ あらすじ
俺は星間国家の悪徳領主! 2巻 感想 ネタバレ あらすじ

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