アオアシ 17巻 感想 ネタバレ あらすじ

アオアシ 17巻』のネタバレありの感想になります。

未読の方はネタバレにご注意ください。

アオアシ』は、個人的に今一番面白いと思うスポーツマンガです。

スポーツ観戦はもっぱら野球である私がサッカー漫画である『アオアシ』にハマっているという事が何よりの事実だと言えます。

主人公である葦人の急激ともいえる成長速度、熱く燃えることができなおかつテンポのいい試合描写は読んでいて爽快感を覚えます。

葦人の成長速度は速いのですが、成長して次のステージに至ると新たな問題点や乗り越えるべき壁が出てくるので、主人公が努力して成長する過程が大好きな人にも満足できます。

長々と書きましたが何が言いたいかというと、漫画が好きなら絶対に『アオアシ』を楽しめるので読んで欲しいという事です(笑)

あらすじ

主力を欠いた状態で臨んだプレミアリーグ・東京VANS戦で、見事 勝利を収めたエスペリオン。

一方、日本代表合宿に初招集された阿久津は、なかなか試合に出られず、苛立つ日々を送っていた――

そんな中、阿久津が忌み嫌うアシトが大活躍をしているとの報が届く。
それを聞いた阿久津は、「黒い感情」を膨らませていき…!?

阿久津はこのまま代表合宿で爪痕を残すことなく終わってしまうのか…!?
そして、絶好調のアシトにも予想外のニュースが飛び込み!?

各々の人間ドラマがさらに濃密に交錯する17集!!

ネタバレありの感想

今巻は葦人の試合は有りませんでしたが、試合が無いことを感じさせない面白さと緊迫感がありました。

U-18日本代表に選出されながらも結果を残せず負て腐り、「エゴ」が空回りしてしまう阿久津。

急激な成長、一種の覚醒モードに入りサッカー以外の要素(仲間、家族)を切り捨てて突き進む葦人。

阿久津、葦人ともにサッカー選手としての成長を覚えると同時に、読んでいて危うさを覚えました。

一体、阿久津と葦人がどうなってしまうのだろうという点から緊迫感を覚えましたよ。

阿久津の方は、仲間である義経や高杉の叱責ともいえる忠告が胸に響き、U-18日本代表監督の助言もあり、迷いを捨て「エゴ」を自分の力に変え結果を残しました。

一方で葦人は、これまで幾多の助言や力を与えてくれた花ちゃんの忠告を受け入れることなく突き進んでいきます。

花ちゃんの忠告を聞かずにいたところに何やら不穏な気配を感じてしまいますよ。

端ちゃんは葦人が急激な成長を遂げ、危うさすら感じるタイミングにブレーキの役割を果たしてくれていました。

その花ちゃんの言葉も届かないという事に危うさを覚えます。

ここまで順調に成長し、ステージを駆け上がってきている葦人が怪我をして停滞するなんて姿は見たくないので心配です。

今巻は阿久津と葦人が比較されるかのような描写が多かった気がします。

U-18日本代表で成果を出せず沈む阿久津、ユース戦で結果を残す葦人。

平の引退について、口や態度は悪いながらも関係する阿久津と、船橋学院戦に集中して関わろうともしない葦人。

船橋学院戦のレギュラーを選ぶための紅白戦では、阿久津と葦人が同じコマやページで並んで描かれてもいますし、対照的にしている意図を感じるんですよね。

阿久津と葦人を対照的に描いているのだとすると、葦人のもつ「エゴ」がプラスになるようにも感じないんですよね。

元々、チームのためではなく自分の為に力を発揮してきた阿久津と、チームや仲間の為に頑張ってきた葦人という違いがありました。

そう考える今の形の「エゴ」は、葦人の本質には合わない気もします。

果たして、船橋学院戦で葦人の「エゴ」がどの様な効果を発揮するのか楽しみではあります。

次巻『アオアシ 18巻』では、いよいよ船橋学院戦が始まります。

圧倒的な実力を誇るFWトリポネと二原を葦人と冨樫が抑えることが出来るのか?

平の引退するという決断が翻る事はあるのか?

サッカー以外を切り捨てて突き進む葦人の「エゴ」は正しい形なのか?

という点に注目して試合描写を楽しみたいと思います。

栗林がユース戦にでるのがこの試合が最後だとすると、栗林と阿久津、葦人が揃って試合にでるのもこれがラストなのかしら?

アシトのエゴ

今巻で多くの読者が危うさを覚えたと思う葦人の態度。

義経たちのプロ昇格を目のあたりにして、改めてプロになるという目標が明確となり、その目標に前のめりに向かっていることが原因かと思います。

ユースの選手としてプロを目指すというのは当然の目標ではあります。

サッカー選手として成長したい、攻守コンプリートの特別な存在になりたいと考えて突き進むのも、これも決して間違ってはいません。

ただ、その事を目指す余りに家族や仲間を切り捨てて突き進むのは葦人らしくないんじゃないかとは感じます。

元々葦人がプロを目指したのも家族を楽にするためでした。

これまでのユースの試合でも仲間やチームの為に献身的に働き成長してきましたし、FWからSBに転向した際も楽しくはないが仲間に迷惑をかけないために奮闘しています。

葦人が今回みせた「周りを切り離してでも突き通したいもの」=「エゴ」が正しい形であるとするのは疑問に思います。

船橋戦学院戦で葦人は「突き通した先」で何かを得ることができるのか注目です。

ただ、もしも「突き通せなかった」としても何も得られないということは無いとも思います。

今の葦人が「突き通したい」と考えているものが誤りであったと気づいたとしたら、その「エゴ」の形を変えればいいのですからね。

東京VANS戦での桐木の様に。

自分に合った「エゴ」なら阿久津の様に迷いなく突き通せば力になります。

葦人も自分の根本に合う形の「エゴ」を「突き通して」強さに変えると信じています。

そしてその事に気づけた時こそ、花ちゃんの言葉を受け入れることが出来るはずです。

花ちゃんに謝罪し、忠告に感謝するときが来るといいな。

ここんところ花ちゃんと葦人の仲のいい姿が見ることができないので寂しいし辛いよ。

花ちゃんの言葉

ここ数巻、葦人と微妙な関係が続いている花ちゃん。

葦人ママに葦人と喧嘩していると聞かれてみせる表情が、二人の関係を気まずく思っている花ちゃんの心境を表しています。

これまで花ちゃんの言葉は、葦人が成長するタイミングや、次のステージに昇った時に成長する切っ掛け、葦人が苦境の時に背中を押したりと作用してきました。

葦人が俯瞰を試合で活用した時

SB転向を告げられて失意の時

劣勢の状態で後半戦を始める直前

1軍で通用するきっかけをつかんだ時

そこには花ちゃんの言葉ありました。

※もちろん、杏里ちゃんや福田監督を始めとしたコーチ陣の言葉もあります。

葦人が活躍するステージを上がるとき、そこあった花ちゃんの言葉、それが今回の葦人には届きませんでした。

だからこそ、読者として葦人に危うさを感じ、「周りを切り離してでも突き通したいもの」に不穏な気配を感じます。

花ちゃんも自分がサッカーの事に詳しくないことが気がかりで、深く入っていけないのがもどかしさを感じます。

確かに他のキャラクターに比べればサッカーに詳しくはありませんが、葦人のことを想う気持ちは他のキャラクターに負けてはいません。

葦人に迷惑をかけたくないと思い悩まず、素直に気持ちをぶつけて欲しいなと我ながら身勝手に思ってしまいますよ。

葦人と花ちゃんの関係がこじれてなかったのなら、花ちゃんはもっと素直に言葉を伝えられたし、葦人も切り捨てるのではなく受け入れることが出来たのかな。

憂い顔の花ちゃんもいいですが、葦人の前で満面の笑みを浮かべる花ちゃんの姿が見たいです。

この船橋学院戦が何らかの契機になってくれるといいな。

次巻の展開予想

今巻で葦人に不穏な気配を感じたわけで、次巻以降の展開が怖いです。

福田監督がかつて栗林をユースに戻した時に伝えた「ちょっと落ち着けよ」という言葉がありました。

栗林がトップチームで認めらようとするあまり冷静さを欠いていると福田監督の目に映っていたからの言葉です。

冷静さを失ったことで怪我をすることを恐れての忠告でありました。

あの時の福田監督と栗林の姿が、今巻の花ちゃんと葦人の姿に重なって見えましたよ。

そう考えると、葦人が船橋学院戦で怪我をしそうで心配に思ってしまうのですよ。

ですが、船橋学院戦後にあるであろう青森星蘭戦のことを考えると葦人が怪我で欠場するとかはちょっと考え難くもあるのですよね。

東京VANS戦で語られていた東京VANSから青森星蘭へ移籍した羽田、葦人がもつ俯瞰の能力に気づいたU-18日本代表の司令塔でもある北野

対戦相手として掘り下げが行われている青森星蘭との対戦に葦人が不在ってのも考え難いなってのがメタ的な理由です。

そう考えると船橋学院戦で葦人が自分の「エゴ」の形の歪さに気づいて修正するというのがありえそうに思えます

次巻『アオアシ 18巻』では果たして私の予想は当たるのであろうか。

これまでの刊行ペースでいくと次巻『アオアシ 18巻』の発売日は2019年9月末のはず

発売まで3ヶ月、刊行ペースとしては短いんですが続きが読みたすぎて長く感じますよ。

シリーズ感想の索引

アオアシ 16巻 感想
アオアシ 17巻 感想

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