『アラフォー賢者の異世界生活日記 ~気ままな異世界教師ライフ~ 1巻』のネタバレありの感想になります。
未読の方はご注意ください。
あらすじ
ゲームにのめりこみ、トッププレイヤーに上り詰めた大迫聡(40)は、ログイン中に発生した事故によりその生涯に幕を下ろした。しかしゲームのステータスをすべて引き継いで異世界に転生! そして、なぜか少女の家庭教師をすることに…!! 「小説家になろう」発! 人気異世界アラフォーファンタジー!!
※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です。
ネタバレありの感想
原作はなろう版も書籍版『アラフォー賢者の異世界生活日記』は未読、Web広告が何度も表示されていたので気になって購入しました。
ストーリーはあらすじにある通り、アラフォーのおっさんがゲーム内の高ステータス&レアアイテムを引き継いだまま異世界に転移して活躍するというよくある転移物語です。
この作品が他の転移物と違う点を挙げるとすると、主人公ゼロスがアラフォーのおっさんであり、年齢を重ねた分大人の分別があり、下手に精神的にが好感触です。
今巻の内容ですが、ゼロスが異世界転移をしてセレスティーナと出会い、魔法な苦手な彼女の家庭教師となります。
その後、セレスティーナの兄であるツヴェイトもゼロスの弟子になり、セレスティーなとツヴェイトのレベルを上げるために魔物退治にでかけるというところまでが描かれています。
テンポ良く物語は進んでいくのでどんどん読み進めていくことが出来ました。
その一方で、ゼロスが異世界に転移し、セレスティーナと出会うまでの描写がダイジェストになっているように感じました。
ゼロスが異世界に転移した直後の混乱や、異世界に順応していくといったゼロスの異世界生活でのベースとなる部分が端折られているため、ゼロスがどういった人物なのかが分かり難いです。
私も読んでいて、何故ゼロス葉こんなにもあっさり異世界に馴染んでんだろうなとか、なんで授かった魔法の力を当たり前のように使えるんだろうなといった疑問が頭に残りました。
多分、異世界転移直後の描写を丁寧に書くと、ゼロスが桁違いの力をふるう場面やセレスティーナの指導をするという本作品の魅力的な部分を描くのが先になってしまうのでという判断があり、序盤の展開をダイジェストにしているのかなと思います。
転移したゼロスがどのように異世界に順応し、異世界で暮らしていくのか?という部分より、読者が読みたいであろう授かった力で無双する、活躍するという場面を重視したというのも理解はできますね。
転移直後のゼロスのことを知りたかったら原作版の小説を読めということなんでしょう。
といった感じで物語導入部分の駆け足感はありますが、セレスティーナとツヴェイトの兄妹の魔法の教師となったゼロスの活躍は面白かったです。
魔法を使えないという劣等感を持っていたセレスティーナに自分の魔法知識を丁寧に教えて、魔法使いとなれるようセレスティーナを導いていくゼロスの姿には年長者として威厳を感じました。
ツヴェイトを諌めた場面でもゼロス葉桁違いの魔法の力はみせましたが、力だけで押さえつけるのではなく言葉を用いて事態を解決に導こうとしていたところが、大人としての心の余裕を感じました。
ゼロス自身は魔法の力も桁違いですし、武術も桁違いであることは作中で何度も描かれており、その部分の描写でも爽快感を覚えるのですが、それ以上に大人としての余裕や教え子を成長させる部分に面白さを感じました。
ゼロスに出会う前はレベル一桁であったセレスティーナが、今巻最後のエピソードの頃にはレベル30です。
ゼロスは魔導士としても無敵ですが、指導者としても超一流といえますね。
今後の展開としてはセレスティーナとツヴェイトの兄妹を鍛えながら異世界生活を満喫していくのかな?
このままゼロスに鍛えらていけば二人ともこの世界で英雄や異人クラスの強さを身に着けることが出来そうですが、果たしてどうなるのかしら。
ゼロス自体の行動方針が異世界で安定した暮らし&嫁を見つけるということなら、兄妹の家庭教師になった時点でほぼほぼ欲求を満たしている気がしますしね。
ゼロスが異世界転移する切っ掛けとなった事件の際に元凶である魔物が「貴様等」と複数形で告げていたことを考えると、ゼロスのパーティーメンバーも異世界転移しているのかな?
どのような展開になるかも楽しみなので、次巻も購入して読んでいこうと思います。
シリーズ感想の索引
アラフォー賢者の異世界生活日記~気ままな異世界教師ライフ~ 1巻 感想
お勧めの作品
今回のお勧めは『アラフォー賢者の異世界生活日記 9 (MFブックス)』です。
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