『ぼくたちは勉強ができない 9巻』のネタバレありの感想になります。
未読の方はネタバレにご注意ください。
あらすじ
ボドゲイベントを手伝うことになった理珠。メイド姿で奮闘するが、負け続けて大ピンチに!! 一方、才能を活かして励むうるかには、人生の転機が訪れ…!?
ネタバレありの感想
前巻『ぼくたちは勉強ができない 8巻』で、本作品は特定のヒロインと成幸が結ばれるエンドであると明示されました。
作中の季節的にも受験まで残り半年程度とすいそくされるため、ここからヒロインたちとの仲を深めていくのかなと予想していました。
ですが、今巻では思ったよりも成幸と各ヒロインたちの距離が縮まるエピソードが無く、各ヒロインたちの魅力をアピールする個々のお話が多かったと思います。
本作品のストロングポイントは、それぞれに個性と魅力を持つヒロインたちにありますので、今巻の方針は間違ってはいないでしょう。
私生活壊滅のすぼらな桐須先生が調理実習の代役となるために料理を特訓するパートは、料理下手ネタの定番でしょうが面白かったです。
レシピ見ないで料理を作るとかやべぇやつですが、ずぼらな点を指摘されて頬を膨らます先生はメッチャ魅力的でした。
このギャップある可愛さこそ桐須先生が人気投票で1位になる理由なんだと再認識しましたよ。
個々のエピソードはヒロインが魅力的でしたしつまらない訳ではありません。
でも、文化祭でのジンクスの相手が成幸自身は分かっているのもあり、恋愛面での進展を期待していただけにちょっと残念です。
恋愛パートの進展具合については、個別の感想を以下に記載いたしました。
各ヒロインの恋愛の進展状態
後れを取り始めた理珠
理珠さんの個々のエピソードは理珠さんの最大の魅力であるおっぱいを活かした素敵なエピソードが多かったです。
理珠さんのメイド姿、胸の谷間が出ていたし、ご主人様予備をしてくれたりと最高でした!
他にも生物室で二人っきりで勉強する理珠と成幸のエピソードで理珠の胸の谷間に成幸のスマホが挟まるというミラクル展開も大好きです(笑)
でも、理珠さんの可愛さはアピールされていましたが恋愛目での進展がないのが残念です。
理珠は他者の気持ちが分からないから学ぶために心理学を勉強したいという事が根幹にあるキャラクターです。
自分の恋心に鈍い上に、相手の感情も理解できないとなると理珠が自分から恋愛を進めることは難しいです。
理珠の場合、相手側が理珠自身も分からない意図を汲み取って距離を縮めていく必要があるのです。
でも、成幸さんも恋愛感情に鈍くなくてはいけないという制約があるので、成幸さん側から理珠の恋心に気づくわけにはいかないというジレンマがあります。
恋愛感情に鈍い同士が結ばれるには外的要因が必要となりますので、理珠が恋愛パートでのトップに返り咲くのは難しそうです。
本作品開始当初は、勉強合宿で成幸との距離がぐっと縮まったり事故とはいえ唇同士のキスをした相手なのになあ。
ここ数巻での理珠さんの恋愛面での停滞っぷりは理珠さんファンの私としてはちょっと悲しいですわ。
巻き返しが凄い文乃さん
逆に出遅れていた文乃さんは、今巻でも成幸との恋愛を意識した描写があり、巻き返しが着々と行われていますよね。
シリーズ序盤では理珠とうるかの勢いが凄く、文乃の存在はこの両者に比べて影が薄いようにも感じていました。
その文乃の巻き返しを図るためなのか、文乃のエピソードは成幸との関係に文乃の根幹にある家族との問題を絡めてくるという、強力なエピソードとなっています。
文乃と成幸の関係が進むということは、同時に文乃の根幹部分に踏み込んでいくということになります。
二人の関係が近づくにつれて、文乃というキャラクターの深掘りがされていくわけですから、文乃自身がどんどん魅力的になる訳です。
また、文乃はうるかと理珠の恋心に気づいているという他の二人に比べて面白い立ち位置にあります。
その位置にいる文乃こそが成幸とヒロインの関係をコントロールできる存在であり、二人の気持ちを知っているから文乃自身は成幸への恋心を遠慮をして抑止することになります。
積み重なってくる成幸との交流、大きくなってくる成幸への想い、友人たちの為に抑えなきゃいけない恋心と、本当に文乃さん恋愛パートで美味しい位置にいるよなあ。
でも、そろそろ文乃さんが自分の恋心を抑えきれなくなっている様に見えてきましたし、遠慮や抑止を止めそうな気もします。
そのことが成幸と美晴の仲を誤解して嫉妬した文乃の行動に現れていますよね。
自分でもわからないまま身体が動いて美晴と成幸のイチャコラを妨害したところは、完全に成幸が他の女性と仲良くしているのが不愉快ということであり、成幸への厚意が大きくなっていることの表れです。
問73.の最後のコマでの文乃の独白、成幸のキスの相手がうるかや理珠ならよかったのにという文言が繰り返しています。
これは文乃が自分自身に言い聞かせているように思えました。
本当はうるかや理珠が相手でも成幸とキスされるのは嫌なんだろうな。
トップを独走するうるかさん
うるかは、理珠と違い成幸への恋心を自覚していますし、文乃と違い友人の為に恋心を抑制する必要もありません。
大事な場面で臆病になり一歩引いてしまううるかですが、恋愛面での進展を図る行為はヒロイン陣の中で抜きんでています。
うるかの恋が成就するかどうかは成幸とうるか以外の第三者の存在は関係なく、うるかがどうするか、どうしたいか次第なのですよね。
普通に考えてうるかが積極的になった瞬間にヒロインレースは終結しそうな気がします。
ですが、うるかは大好きな成幸が幸せになることを、自分が成幸の負担にならないことを考えて、恋愛に線を引いてしまっています。
うるかが友人たちから、うるかはバカだけど馬鹿じゃないといわれる所以なんでしょうね。
バカだから自分の夢に向かって真っすぐに突き進むけれども、馬鹿じゃないから他者への気遣いや心遣いは忘れないということです。
留学の件を成幸に伝えなかったのは、受験前の大事な時期に成幸を悩ませたくないということが第一の理由なのでしょう。
うるかが、成幸に告白しないのと聞かれた時にしないと答えたのも同じ理由でしょうね。
うるかの友人たちは、告白がうまくいったとしても留学で距離が離れてしまうから自分の気持ちに歯止めをかけているんじゃと推測していましたが、それ以上に成幸の負担にはなりたくないという点にあるんだと考えています。
うるかの成幸への恋愛感情が大きいですよね。
好きだから一緒にいたいという気持ち以上に、成幸の幸せを邪魔したくないという気持ちが大きく感じます。
うるかが成幸への負担にならないため、これ以上関係を進展させるような行動をとらないとすると、2人の距離を縮めるには成幸が自分から動くしかないでしょう。
成幸さん、うるかの服装については意識していますし、うるかと二人っきりの時は普通に女性としてうるかを意識してるんですよね。
受験が終わったら…思う存分ラブラブできるからという言葉で想像したのは、うるかのことでしたしね。
成幸からしてもうるかの事は憎からず想っていることの証左だと思います。
いつも一緒にいる可愛いが凄い才能の持ち主うるかと自分の間に距離を感じた時、成幸は喪失感を覚えていました。
それが物理的な距離の広がりとなるうるかの留学という事を成幸が知った時、その喪失感に耐えられるのかが気になります。
うるかとの別離を意識した時、成幸が自分からうるかとの距離を縮めるために動くんじゃないかなと妄想してしまいますよ。
ヒロインからの告白というのも素晴らしものですが、主人公である成幸が受け側になるだけじゃなくて、告白する側になるところが見てみたいです。
成幸からうるかへ気持ちを伝えてくれれば、うるかも自分の気持ちは成幸への負担ではないと認識できて、うるかの恋心も伝えられるはずですからね。
卒業後の進路と成幸との恋愛が絡んでいるうるかさんこそ、今のところヒロインレースでトップを走る存在であると思えますね。
シリーズ感想の索引
ぼくたちは勉強ができない 1巻 感想
ぼくたちは勉強ができない 2巻 感想
ぼくたちは勉強ができない 3巻 感想
ぼくたちは勉強ができない 4巻 感想
ぼくたちは勉強ができない 5巻 感想
ぼくたちは勉強ができない 6巻 感想
ぼくたちは勉強ができない 7巻 感想
ぼくたちは勉強ができない 8巻 感想
ぼくたちは勉強ができない 9巻 感想
ぼくたちは勉強ができない 10巻 感想
ぼくたちは勉強ができない 11巻 感想
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