父さんな、デスゲーム運営で食っているんだ 感想 ネタバレ あらすじ

デスゲーム、運営する側だってデスゲームなんだよ!

時はまさに大デスゲーム時代! 「参加者全員殺し合い、生き残れば億万長者」――デスゲームは誰もが参加を渇望する一大エンタテインメントとなっていた。これは革新的で刺激的なデスゲームを次々と発表し、卓越した運営手腕と恐るべき強運で数々の危機を乗り切る中間管理職・黒崎鋭司の物語。
上司の無茶ぶり、部下の期待、市場のニーズに応え続ける。時には同業他社や参加者から恨みを買い、巨乳の美人部下から尊敬以上の愛情を向けられても、動じてはならない。なぜなら、愛する妻と娘の生活がかかっているのだから。
そう――「父さんな、デスゲーム運営で食っているんだ」

父さんな、デスゲーム運営で食っているんだ』のネタバレありの感想になります。

ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。

ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。

ラノベブロガーさんたちの評価が高かったので購入しました。

私は土橋真二郎先生の作品のファンであり、デスゲームものの小説が大好きなので期待大ですよ。

どういった切り口でデスゲームを運営側を描いているのかも興味深く楽しみな作品でした。

ネタバレなしの感想

本作の表紙が家族そろっての写真みたいな内容だったのと、タイトルからしてシリアス成分は薄め課と考えていました。

ですが思った以上にコメディより名作品でしたよ。

デスゲームという言葉から感じる緊迫感や閉塞感が高まることは無く、ほのぼのコメディといった感じですね。

本編開始早々に参加者100万人のデスゲームで初日犠牲者99万9千人という言葉が出たときに、「あっ、これは完全にコメディ作品だわ」と分かるようにしている新設設計ですよ。

デスゲームという言葉から想像される面白さを求める人には肩透かしですが、デスゲームの舞台裏をコメディ調で描かれた変化球作品ですね。

本作『父さんな、デスゲーム運営で食っているんだ 』主人公 黒崎鋭司がデスゲーム運営会社という舞台で、時にトラブルやデスゲーム荒らしの参加者、そして同業他社としのぎを削るサラリーマン奮闘ものの作品です。

黒崎鋭司はデスゲーム業界では屈指の実力者であり、その有能さが響き渡るという設定なのです。

突発的なトラブルに四苦八苦し、上司からの叱責に耐え、持ち前の度胸とハッタリ、口先三寸で乗り越え成功していく様は、笑えますし痛快に感じますね。

なんといいますか、実際はそこまで優秀とは思えない主人公が家族のために奮闘していく姿は世の社会人にとっての光ともいえるんじゃないでしょうか。

家に帰れば幼馴染で美人の妻がいますし、中学生の可愛いファザコンの娘もいますから黒崎鋭司が家族のために仕事に奮闘する理由付けもバッチリですよ。

しかも社内には美人で巨乳で主人公に惚れている部下もいるのになびかない所がGoodですよ。

愛する家族のために頑張る中間管理職のお父さんの頑張りに読者としての私も応援すること然りですよ。

といった感じで家族のために頑張るお父さんのコメディとしては十分面白い作品になっています。

逆に言うとデスゲームの黒幕側の舞台裏コメディとしてはちょっと弱さを感じましたね。

この巻で言えばデスゲーム荒らしの参加者との戦いはありましたが、デスゲームとしてはルールも参加者も温すぎるなと思えてしまいました。

舞台としているデスゲームの内容が温すぎると、デスゲーム運営会社を舞台にする必然性がなくなってしまうのではないでしょうか。

ですゲーム運営会社ではなく賞金のかかったサバイバルゲーム運営会社でも成り立ってしまっているんですよね。

せっかくデスゲームを舞台としたサラリーマン運営ものなのですから、デスゲームあるあるネタや運営の苦労譚をもっと掘り下げてくれれば名と思いますね。

参加者の殺し方のマンネリ感打破だったり、在り来たりじゃないデスゲームを考える苦労だったりとか、参加者たちからのクレーム対応だったりとデスゲーム運営側の苦労とそれを覆す主人公の優秀さにカタルシスを感じたかったなと贅沢な要望です。

本作はまだ1巻なので今後そういった内容が描かれるのかなって思いますし、続刊が出たら購入して続きが読みたいと思うくらいには面白かったですよ。

デスゲーム×コメディという作風に面白さを感じた人がいましたら、お勧めできる作品になっています。

ネタバレありの感想

ここから下は『父さんな、デスゲーム運営で食っているんだ』のネタバレありの感想になります。

未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。

主人公の魅力

本作の面白みのひとつは主人公 黒崎鋭司の魅力にあると思っています。

周囲からは優秀と評価されていますが、トラブルへの対し方や黒崎鋭司のモノローグを聞くと結構な行き当たりばったり感があります。

その場をしのぐ話術とそれを出す度胸、そして家族を想い奮闘する姿はヒーロー過ぎず、かといって一サラリーマン以上の姿を感じてとても魅力的です。

そんな愛すべき主人公だからこそ、彼の苦境に同情し、その苦境を跳ね返す姿に喝采を送るん心情が沸いてくるのだと思いますよ。

娘が惚れた相手への対応は大人気なさマックスですし、妻が好意的に見ているデスゲーム荒らしに対する態度は公私混同っぷりがひどいのですが、元々完全無欠の人間として描かれていないため笑いにかえる要素になっています。

そういった抜けたところが描かれているからこそ、クライマックスでの部下のために下種な同業他社を叩き潰す優秀な姿にギャップを感じて、余計に黒崎鋭司が格好良く見えるのかなと思います。

続刊では家族に自分が出巣ゲーム運営側で働いていることがばれそうになったり、娘がデスゲームに参加してしまい人騒動が発生したりとかが起きそうですね。

主人公の正体(職業)がばれそうになるという最大のピンチを一体どうやって乗り越えるのか?

参加してしまった娘を無事生存に導くことができるのか?といったまじめに考えればシリアスな場面をどういう風にコメディに落とし込むのかとても気になりますよ。

デスゲーム荒らしとは

そして主人公以外で魅力を感じたのがデスゲーム荒らしである大正義清志です。

彼の存在はいいですね!

大正義清志と戦っていたところは、本作で唯一ですゲームらしさを感じましたよ(笑)

数々のですゲームを攻略し、つぶしてきた伝説のプレイヤーなんて、シリアスなデスゲームものだったら必ず死ぬポジションですからね。

そんな彼が黒崎鋭司の運営するデスゲームに挑み、参加者全員を生存させ勝者にしようとするところは本当に面白かったです。

大正義清志 対 黒崎鋭司 の戦いこそコメディ調デスゲームの面白い要素満載と個人的に考えています。

運営の裏をかき参加者を団結させ勝利に導くプレイヤーと、プレイヤーの思惑の更に裏をかき参加者を殺そうとする運営側の戦い。

その部分こそシリアスなデスゲームものでも面白い要素なのですから、それをコメディ調に描いても面白くなるのは納得の場面ですね。

できれば短編ではなく長編として大正義清志 対 黒崎鋭司 の戦いを読みたいと思いました。

プレイヤーと運営側が互いに相手の裏の裏をかきつつも、黒崎鋭司が家族のことを想い起死回生の一手を打つその姿に笑いと感動が起こりそうな気がします。

黒崎鋭司のライバルとして大正義清志には準レギュラーとして活躍してほしいなと思いますね。

シリーズ感想

父さんな、デスゲーム運営で食っているんだ

お勧めの作品

今回のお勧めは『中間管理録トネガワ(6) (ヤングマガジンコミックス)』です。

父さんな、デスゲーム運営で食っているんだ』を読んでいる時、頭の中にはこの『中間管理録トネガワ(6)』が浮かんできて困ってしまいましたよ。

コチラの作品は『カイジ』の登場キャラクタ利根川を主役にしたスピンオフもののコメディ作品です。

利根川が務めている帝愛は、デスゲーム運営会社も真っ青の真っ黒ブラック企業です。

その帝愛の中で利根川が会長に叱責をされないよう部下を率いて、デスゲームともいえるゲームを企画し成功に導く様子を描いております。

父さんな、デスゲーム運営で食っているんだ』を楽しめた方なら、こちらの作品にもハマると思いますよ。

中間管理録トネガワ(6) (ヤングマガジンコミックス)
講談社 (2017-11-06)
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