八男って、それはないでしょう!2巻 感想 ネタバレ あらすじ

八男って、それはないでしょう!2巻』のネタバレありの感想になります。

公式発売日から3ヶ月以上経過していますのでネタバレを考慮していない感想になっています。。

全編ネタバレの感想ですので未読の方やネタバレを見たくない方はご注意ください。

あらすじ

アンデッド化した古代竜の襲撃を乗り切ることに成功した魔導飛行船は、無事王都へと到着する。さっそく兄エーリッヒの家へと向かうヴェンデリンだったが、王の命を受けた使いの馬車により城へと招かれる。
アルテリオの助力のおかげもあり、王との謁見も難なく済むが、莫大なお金に準男爵という地位、そしてドラゴンスレイヤーという名声等々、ヴェンデリンは実に多くのものを手に入れることとなる。そして追い討ちとばかりに筋肉魔導師アームストロングの熱烈な歓迎を受け、ほぼ強制的に竜退治へと駆り出される。
ボッチからは脱したが、貴族社会にどっぷりと浸かっていくヴェンデリン。彼を取り巻く柵(しがらみ)はなおも纏わりつき拡大していく……。

ネタバレありの感想

ここから下は『八男って、それはないでしょう!2巻』のネタバレありの感想になります。

未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。

前巻で描かれた古代竜のゾンビ退治の功績によってヴェンデリンは貴族として叙勲されます。

しかし貴族に叙勲されたことによって新たなしがらみにヴェンデリンは巻き込まれてしまいます。

竜殺しの英雄となったヴェンデリンと繋がろうとする貴族たちとの交流、魔法使いとしての実力を見込まれての別の竜退治の勅令、そして降ってわいた婚約者と騒動は目白押し。

望んではいない貴族としての暮らしにヴェンデリンはどのように対処していくのかというお話でした。

貴族とは名ばかりの貧乏領主の八男を嘆くタイトルですが、あっという間にそんな地位を飛び越えた身分になっています。

もう本当にタイトルの出落ちが半端ないですけど、そこに突っ込むというのは野暮というものですね。

主人公ヴェンデリンは魔法使いとして破格の力を持ち、貴族としての権力、使い切れないほどの金銭、巨乳美少女で聖女と呼ばれる婚約者を手に入れ、まさにサクセスストーリの王道を歩んでいます。

そんな他者か羨まれること間違いなしの姿と、その状況に困惑しているヴェンデリンの姿を楽しむのがこの作品の見どころなんじゃないかなと思います。

個々のエピソードはサクサクとストレスフレーで読めますのでヴェンデリンのキャラクターが好きならたのしめるんじゃないでしょうか。

色々と周囲の状況に流されるヴェンデリンくんですが、愚痴は言えども流されっぱなしで本当に凄い人ですよ。

ヴェンデリン並みに圧倒的な力があれば異に染まないことには反発を覚えそうなものですが、大した不満もなく受け入れるんですから精神的にタフな人と思えます。

2巻にして力と権力、金と名誉、そして美少女まで手に入れたヴェンデリンくんは、いったい今後何を求めて何をしていくのかが気になります。

というか彼が何をしていきたいのかがまだ分からないのが本当に凄いなって思います。

実家から距離を置きたい以外、ヴェンデリンの目的が分からないんだものなあ。

貧乏貴族の八男が己の実力でのし上がっていくとか私が大好きな物語構成なんですが、この作品はそこまでハマれないんですよね。

その理由はなんでかなと考えてみたんですけど、その理由は主人公のヴェンデリンにあるとしか思えないんですよね。

ヴェンデリンって己から欲するモノや、己が成し遂げたいものが全然見えないんですよ。

確かに圧倒的な力、権力、他者が羨む様な美少女を手に入れているんですけど、ヴェンデリン自身が欲したものではありません。

どれもヴェンデリンが状況に流された過程で手に入ってしまった風に思えるんですよね。

ヴェンデリンが望み、そのために彼が自ら行動して手に入れたものでしたら、読んでいてその過程や結果に心動かされるのでしょう。

ですが、ヴェンデリン自身が望んだものではないので、手に入れて面倒なことになるなとか、望んでいないのになとかなんですよね。

そんな姿をみせられても読者としては「あ、はい。そうですか、大変ですね」としか思えないんですよ。

本心から要らないものなので跳ね除けようとして奮闘したり、空回りしたりする姿は面白さや物語になるかなと思います。

でも、望んで無いし嫌だけど断れないから受け入れるわって姿を一度ならず何度も見せられても、そこに面白さは感じないです。

4巻合本で購入したのであと2巻分ありますが、これからもヴェンデリンの主体性がなく流されるままだと読むの辛いな。

貴族という身分故のしがらみとそれに振り回される姿は面白さを感じるけど、それだけで読むほどじゃないなとも思います。

主人公の目標が生じ、物語が盛り上がっていくといいな。

って2巻終わってまだ主人公の目標が見えないってある意味凄いな。

シリーズ感想の索引

八男って、それはないでしょう! 1巻 感想
八男って、それはないでしょう! 2巻 感想

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