ロード・エルメロイII世の事件簿 8巻 感想 ネタバレ あらすじ

ロード・エルメロイII世の事件簿8 case.冠位決議(上)』のネタバレありの感想になります。

ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。

ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。

いよいよ『ロード・エルメロイII世の事件簿シリーズ』も最終エピソードです。

Fate派生のなかでは大好きなシリーズなだけに、最後のエピソードに寂しさを感じますね。

ただ、寂しさは感じますが、ラストエピソードからFateにどうつながっていくのかとても楽しみです。

あらすじ

「君の人生を、最も輝かしいものに捧げたまえ」

不気味に蠢動するハートレスの足跡を辿るべく、調査していたエルメロイⅡ世とグレイのもとにもたらされたのは、『冠位決議』の知らせであった。

何人もの君主と代行たちが集まるという会議に、無論エルメロイⅡ世も召集されることになる。
しかし、このたび掲げられた問題は、貴族主義派、民主主義派の双方を揺さぶり、魔術協会全体を混乱に陥れる陰謀の渦だった。

時計塔の地下に広がる大迷宮と、その生還者。
謎の、連続失踪事件。
そして、いずれ劣らぬ時計塔の支配者たち。

『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』、最後の舞台の幕がいま開く──

ネタバレなしの感想

今巻の内容

『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿シリーズ』の最終エピソードの上巻になります。

『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿シリーズ』でエルメロイⅡ世が倒すべき敵として描かれてきた現代魔術科の先代学部長であるハートレスとの最終決戦が行われるための準備回、伏線回といえる内容となっています。

ハートレスの目的や策謀以外にも、時計塔の下に存在する迷宮「アルビオン」や時計党運営に関する決議を行う「冠位決議」といった気になるワードや内容が目白押しです。

魔術教会を代表する時計塔の下に、神代の神秘が残る迷宮が存在するとかワクワクしますね。

FGOの第四章で登場していたのが「アルビオン」だったのかな?

攻略したのが結構前になっちゃうので記憶があやふやです。

ロード・エルメロイII世の事件簿8 case.冠位決議(上)』では、敵対することとなるエルメロイⅡ世とハートレスとの類似点がクローズアップされていた様に思いました

ハートレスが弟子たちに対して行っていたことを知ったエルメロイⅡ世が、ハートレスへ共感を覚えていたようにも捉えられました。

両者の性質に類似点があるからかこそ、エルメロイⅡ世もハートレスも相手の出方が分かり、手が打てるのかなという気がします。

ただし、類似点こそある両者ですが、本質の部分では決定的な差がある様にも感じられました。

その差異は、失踪事件に巻き込まれている弟子への扱いであったり、サーヴァントへの向き合い方であるように感じます。

だからこそ、似て非なる両者であるエルメロイⅡ世とハートレスが決戦する下巻で2人の決定的な違いが明確にされる瞬間が楽しみです。

両者の本質が異なる理由は、ウェイバー・ベルベットはイスカンダルに出会ったことがあり、ハートレスはイスカンダルには出会えていないことにあるんじゃないかと勝手に思っております。

第四次聖杯戦争後のウェイバー・ベルベットのエルメロイⅡ世の歩みは、ハートレスとの戦いをへて一先ずの決着を迎えるのでしょう。

そして決着後、エルメロイⅡ世がどのようの想いをもって第五次聖杯戦争と聖杯に相対するのかとても興味が湧きます。

エルメロイⅡ世はイスカンダル王に再会することができるのか?

事件決着後、エルメロイⅡ世やグレイ、エルメロイ教室の面々がどのような道を新たに歩んでいくのか、決戦の内容と共にその先の内容も気になりますし楽しみです。

『ロード・エルメロイII世の事件簿9 case.冠位決議(下)』は予定通りなら、冬コミで発売ですね。

去年の年末、私はFGOの第2部プロローグをプレイして興奮していましたが、今年の年末は『ロード・エルメロイII世の事件簿』ファイナルを読んで興奮しているのでしょうね。

個人的な評価

流石は人気作品の最終エピソードだけあり、面白く興味深い内容でした。

上下巻構成の上巻であり物語が大きく動くのは下巻なのでしょうが、下巻に向けての伏線や謎の提示、事件の導入部としてとても気になる内容が多かったですね。

特にクライマックスで明かされたあの推測は、エルメロイ二世だけではなく読者の意表を突き、興味を引き付けるのに十分すぎる内容でしたよ。

このエピソードの完結編であり、物語全体の完結となる最終巻の発売が待ち遠しいです。

良かった点

■興味深い謎が散りばめられている点
クライマックスで語られたあの件は当然すごい気になります。

それ以外にも時計塔の地下に存在する迷宮であったり、ロード同士の勢力争いであったり、失踪事件やハートレスの目的など気になる要素が多く散りばめられています。

このシリーズを深く読んでいた方、Fate派生の太作品まで踏み込んで読んでいる人ならより楽しめる要素や謎が多いんだろうなあ。

その点では読みが浅く、派生作品を網羅していない自分は本作品を十全に楽しんでいるとは言えないのでしょうね。

悪かった点

■グレイの活躍する場面が控えめだった点
正直言いますと悪かったといえる要素はほぼないです。

大満足の内容でしたが一つ無理して難癖をつけるなら、戦闘シーンが少なくグレイの見せ場が少なかった点かなと。

まあ下巻ではフェイカーとの決戦があるでしょうし、グレイ個人の問題の解決もあるだろうから下巻にはグレイの見せ場も多いのでしょうね。

ネタバレありの感想

ここから下は『ロード・エルメロイII世の事件簿8 case.冠位決議(上)』のネタバレありの感想になります。

未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。

エルメロイII世について

本シリーズは、本当にエルメロイII世に優しくない場面が多い作品ですね。

エルメロイII世が誰よりも敬愛し、尊敬し、ただ一人の主として仰ぎ見ている存在がイスカンダル王です。

そのイスカンダル王の英霊召喚、再降臨が行われるのではとエルメロイII世が知ってしまえば、彼自身の欲求(イスカンダル王に再度謁見したい)と目的(ハートレスを止める)がぶつかり合い、自縄自縛に陥り動けなくなるのも道理です。

このイスカンダル王再召喚の可能性に言及して次巻に続くのは、エルメロイII世にも読者にも優しくない引きですよね。

なにせ続きが気になり過ぎる(笑)

イスカンダル王の英霊召喚、再降臨に戸惑いを隠せないエルメロイII世でしたが、彼が自縄自縛のまま動かないことは無いと私は考えます。

きっと、イスカンダル王の召喚や事実、行われることとなったとしてもエルメロイII世は召喚を止めるために動くはずです。

エルメロイII世がイスカンダル王に再会したくないはずがありませんが、その再会は自身の力によって成し遂げるべきものでしょう。

他者の手によって成し遂げられた再会では、イスカンダル王の臣下として相応しい行いとはいえないとエルメロイII世自身が思うのではないでしょうか。

だからこそ、エルメロイII世は悩みはすれどもハートレスとフェイカーの手によるイスカンダル王の召喚を止めるために動くはずだと信じています。

下巻では彼らの行動を止めるため、圧倒的な力を持つフェイカーと決戦を行う必要がありますし、すべての策謀の源であるハートレスと対峙することになるのでしょう。

エルメロイII世だけではどちらにも勝てる可能性が少ないですが、これまでのエピソード培われてきたグレイとの絆とエルメロイ教室の面々の協力を得て、フェイカーをハートレスを打倒するのでしょう。

敵は強大ですが、エルメロイII世とグレイたちなら成し遂げてくれると信じています。

それにしてもエルメロイII世がグレイに協力を求める際に告げた「君がいないと、死ぬ」って、ただの事実なんでしょうが堪りませんね。

告げられた側のグレイからすれば、この言葉はこれ以上ない信頼を伝える言葉ですからね。

伝えられた時のグレイの反応が可愛すぎて本当に尊いです。

そろそろ作中の時間的に冬木側ではセイバーが召喚されてもおかしくないはずですね。

セイバーが召喚されたとき、グレイに影響が出てしまうのかという点も気になります。

ハートレスとフェイカーの目的

ライマックスにてエルメロイII世が解読した術式から、ハートレスとフェイカーはイスカンダル王を英霊召喚しようと目論んでいることが明らかにされます。

イスカンダルの召喚という大きな事態が前面に出てきますと、イスカンダル王の召喚こそが二人の目的だと思わず飛びついてしまいますね。

なにせわかりやすい目的であり、フェイカーが協力する理由としても納得できてしまいますから。

ですが、ハートレスの目的はイスカンダル王の召喚では無いのではないでしょうか?

イスカンダル王の召喚という事態が偽りであるというわけではなく、何らかの目的を叶えるための過程や手段として英霊イスカンダル王を召喚しようとしているとする方がしっくりきます。

では、ハートレスたちの真の目的は何かといえば、私の読み込み不足なのか推測する材料が足りないのか、結論に至ることはできませんでした。

おそらくの考えであり予想になりますが、真の目的とは今巻でクローズアップされているアルビオンに関わることなのでしょう。

アルビオンに関わる目的だからこそ、ハートレスはいずれかのロードと結びつき協力関係を築いているのでしょうし、クライマックスで時計塔に乗り込んできたのではないでしょうか。

ハートレスがロードが協力関係にある理由がアルビオンにあるとするのならば、協力相手のロードは改革派(民主主義派)のロードである可能性が高いと私は考えています。

もしもハートレスが保守派(貴族派)であると仮定すると、ハートレスが策謀し事態を複雑に動かす理由が無くなってしまうからです。

現状維持が許されなくなる(現状打破される)とは、現状のままでは問題がある時や問題に対処できなくなる時といえます。

その状態を作るために、これまでハートレスは事件を起こし続けてきたと考えられます。

アルビオンの再開発とイスカンダル王の召喚、この二つの要素がどう絡んできているのか?

単純にイスカンダル王を利用するだけだったら、フェイカーがハートレスに協力することはないでしょうし、イスカンダル王にとってもメリットがある内容なのでしょうかね。

どの様な意図をもってイスカンダル王の召喚を行うのか、本当に気になりますよ。

ハートレスが第四次聖杯戦争を調査したことで、魔術師(ウェイバー)の生き様を変えるほどの偉大で輝かしい存在であるイスカンダル王を見てみたくなったとかの単純な理由だったりするのですかね。

シリーズ感想の索引

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 1巻 感想
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 2巻 感想
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 3巻 感想
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 4巻 感想
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 5巻 感想
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 6巻 感想
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 7巻 感想
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 8巻 感想
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 9巻 感想
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 10巻 感想

お勧めの作品

今回のお勧めは当然ながらシリーズ最新刊であり最終巻であるこちらです。

ロード・エルメロイII世の事件簿10 case.冠位決議(下)【書籍】

ハートレスの目的はなんなのか?

エルメロイ二世はイスカンダル王に再会することはできるのか?

冬木で行われている第五次聖杯戦争の終了後の場面が描かれるのか?

といろいろ気になる部分があり読めるのが楽しみです。

ロード・エルメロイII世の事件簿 10巻の発売日は2019年5月17日です。

発売日に読んでその週末には感想あげたいな!(フラグ)

ロード・エルメロイII世の事件簿10 case.冠位決議(下)【書籍】
TYPE-MOONBOOKS (2019-05-17)
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