エロマンガ先生 1巻 妹と開かずの間 感想 ネタバレ あらすじ

高校生兼ラノベ作家の俺・和泉マサムネには、引きこもりの妹がいる。和泉紗霧。一年前に妹になったあいつは、まったく部屋から出てこない。今日も床をドンドンして、俺に食事を用意させやがる。こんな関係『兄妹』じゃないぜ。なんとか自発的に部屋から出てきてもらいたい。俺たちは二人きりの『家族』なんだから―。俺の相棒・担当イラストレーターの『エロマンガ先生』は、すっげーえろい絵を描く頼りになるヤツだ。会ったことないし、たぶんキモオタだろうけど、いつも感謝してる!…のだが、衝撃の事実が俺を襲う。『エロマンガ先生』は、俺の妹だった!?『俺の妹』コンビで贈る、新シリーズ!

エロマンガ先生 1巻 妹と開かずの間』のネタバレありの感想になります。

ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。

ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。

こちらの感想は旧ブログからの移転記事になります。

アニメ放映前にアップした感想なのでもう一年以上前の感想なんですよね。

読み返してみると拙さが溢れていて恥ずかしいなあ。

ネタバレなしの感想

読んでみての率直な感想は「ラブコメ作品として面白かった」ですね。

すごい面白さに興奮してページをめくったとか展開にドキドキしたとかはなかったですが

一定以上の品質を楽しめる良作でした。

全体的に手堅くまとまっており、ラブコメ面でも作家物の面でもホームドラマ面でも話に無理や破綻は無かったと思います。

各ヒロインが主人公の身近にいすぎ、主人公たちの職業と年齢設定がって面では無理がありますが、それはご都合主義というか舞台設定上見逃さないといけないですね。

その部分が受け入れられないなら、そもそも『エロマンガ先生』は読まないほうがいいです。

でも、受け入れられるなら十分楽しめる作品でありますし、満足良くとも思います。

読みやすいし面白いので十分楽しめましたが、私の心には響いてくるものが少なかったです。

私の魂とは合っていないかなとも思いました。

後述しますが、ある登場人物の存在が無かったら『エロマンガ先生 2巻』を読もうとは思わなかったでしょうね。

これは『エロマンガ先生 1巻』が1巻完結の作品としてではなく、1巻時点でシリーズ物を意識した作りになっていることにも原因があるように思えます。

先の展開を考えているため、主人公とヒロインが作家や創作者になったきっかけ、幸せだった家族に起こった出来事をまだ匂わすだけで描かれていません。

そういった登場人物の行動の根本となる理由がハッキリ分からないため、何故主人公たちがそう考えてそのような鼓動するのかが分からず共感がし難かったですね。

面白い、良作といっている割に不満ばっかりの感想になっていますね。

なんというか一定以上に面白い作品ほど、自分にとって物足りない部分に対して色々と語りたくなっちゃうんですよ。

本当に嫌いな作品や合わない作品なら、もっと無難にいいとこ探しをしてお茶を濁しをするか感想自体を書かずに済ませてしまいますからね。

そんな『エロマンガ先生 1巻』ですが、いよいよ内容についての感想を。

まずなんといっても本書はラブコメが主要な作品なのでラブコメ部分から見ますと、ラブコメものとしてのお約束(主人公が鈍い、ヒロインたちが勝手に寄ってくる、家族不在、ヒロインはみな美少女など)を踏襲している点や、ヒロインたちそれぞれの良さというか属性分けがキッチリできている点で本作品を安心して楽しむことができました。

読者に対して心地いい空間を作ることを目的としていたためなのか、『エロマンガ先生 1巻』では主人公以外の名前つきの男性キャラがまったく出てきません。

この徹底振りに気づいたときには乾いた笑いが出てくるほどでしたね。

ラブコメもののお約束や鉄板を守っていることの良い点があれば、当然悪い点もあります。

主人公「和泉 正宗(以下、正宗)」のくせの無さと魅力の有無については人を選ぶように思います。

何故ヒロインたちが「正宗」に好意を持ったのかも理解はできませんでした。

少なくとも私は「正宗」のことは嫌いじゃないですが、好きでもありません。

「正宗」の考え方に共感できませんので感情移入もできなかったです。

「正宗」は15歳ということもあり、考え方がまだ背伸びした少年だからこそその青臭い考えに共感をもてないのかもしれません。

本作品のヒロインは主人公の正宗の義妹である和泉 紗霧(以下、紗霧)です。

紗霧もお約束を集約したようなヒロインですね(笑)

寂しがりや、好きだけど素直になれない、小動物系だけど義兄である正宗には乱暴なんかヒロイン属性の塊ですね。

何かしらの読者のツボにはまるポイントがあれば人気がでそうなヒロインですね。

正宗と紗霧とが、最終的には恋人同士、本当の家族になるというのが『エロマンガ先生』のラブコメ部分とホームドラマ部分の結末なんだろうなと『エロマンガ先生 1巻』にして分かるように描かれています。

そのため、結末のぶれなさと主題の強さという意味では安定感と安心感がありますね。

たとえ二人の関係がぶれても危機が訪れても、きっと最後は大丈夫という安心感があります。

ただし、その安心感は結末の読めなさという部分と「紗霧」が合わなかった読者を切り捨てていくというと部分を犠牲にして成り立っていると思います。

誰とくっつくんだ?という楽しみ方をしたい読者にはお勧めできない作品でもあります。

ラブコメを主題とした作品ですので、兄と義妹の家族ものとして部分はこの『エロマンガ先生 1巻』の段階では薄いなとも思いました。

異性としての好意の部分はクローズアップされていましたが、家族として兄妹としての描写は薄かったと思います。

兄として、家族として「正宗」が、「紗霧」のために何かをしようとしている姿は描かれていましたが、「紗霧」側から兄のためという行動が見られませんでした。

エロマンガ先生 1巻』の段階では家族としての側面は描かれていませんでしたが続刊では家族となっていく過程が描かれてホームドラマ部分の描写も濃くなると作品がより面白くなると思いますので、続刊ではその点を注目したいと思います。

本作品で一番期待していた作家物、創作者としての部分でしたが、正直、期待しすぎました。

主人公の正宗が作家として創作者として出来ることを通して紗霧との関係を進展させていく点は面白かったです!

ですが、「正宗」の作家として創作者としての能力、作品を作っていくことの苦悩、作品を世に出したことに対する思い入れと喜びって面が軽かったなって思いました。

作品を作るうえでの苦悩している姿や、作品を描く姿も薄かったです。

ヒット作が出せないこと、本人も面白い作品がかけないことでの悩みはありましたが、解決策を思いつき打開するまでの描写が薄かったんですよ。

だから面白い作品を書けたって時にカタルシスを感じられなかったんですよ。

創作をする苦悩と喜びをもっとメインに書いてほしかったですが、

エロマンガ先生 1巻』の主題はラブコメ作品の導入部分だから仕方ないのかな。

続刊ではこの部分の書き込みにも期待したいです!

ネタバレありの感想

ここから下は『エロマンガ先生 1巻 妹と開かずの間』のネタバレありの感想になります。

未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。

ネタバレしつつ全般の感想

エロマンガ先生 1巻』では、主人公の正宗とヒロインの紗霧がお互いの正体を知るところから物語が幕をあげます。

正宗には作家 和泉マサムネとしての側面があり、紗霧にはイラストレーター エロマンガ先生としての側面があります。

作家とイラストレーターが同じ家に住んでいて家族になっていたというご都合展開!

ネタバレなしの感想にも書きましたが、作品全体として読者層を意識したご都合のよろしい舞台設定展開が多すぎな気がするくらいありましたね。

本屋の娘「高砂 智恵」とも知り合いで昨今の売れ筋の作品の情報を教えてくれる程度なら、それ位なら有りかなって思うのですが、紗霧の同級生の神野 めぐみの存在は作者の都合で生み出された登場人物としか見えなかったです。

正宗が紗霧のことをどう思っているのか、紗霧との関係をどうしたいのかを紗霧に間接的に伝えるためだけに登場してきただけに思えました。

まだ1巻の段階なので各登場人物に見せ場を作れなかったから私にそう見えてしまっただけかもしれません。

ですが、作者の都合の範疇から一歩も出ていない登場人物には舞台装置の役割以上の気持ちは抱けなかったですね。

逆に『エロマンガ先生 1巻』で一番好きになった登場人物は、山田 エルフ先生でした。

彼女の存在が無かったら私はこの作品を最後まで呼んだかは怪しかったです。

山田 エルフ先生が出てくる場面は正宗の言動も面白く、面白さに胸が熱くなりました。

山田 エルフ先生の存在も、正宗に作家として一段飛躍させるという役割をメインとして生まれてきたと思いますが、

その意図以上に山田 エルフ先生には魅力を感じ、彼女の存在が私の胸に刻まれましたよ。

山田 エルフ先生の言動もコメディーメインのものなんですが、彼女の魂には創作者として熱さが秘められていてある種 伏見つかさ先生の作家として創作者としての想いがこめられているんじゃないかと思います。

山田 エルフ先生の熱さと同じくらい、正宗の魂も熱くなってくれれば『エロマンガ先生』はとても熱くて面白い作品になるんじゃないかと期待しています。

そんな熱い山田 エルフ先生に触れた正宗も自分が一番大切なものを主題にして小説を書き上げていったのですが、その主題が『義妹(紗霧)』とは狂っていますね(笑)

そんな小説を一番最初に読まされた山田 エルフには同情です。

作品としては面白いと思いますが、正宗に気のある雰囲気の山田 エルフ先生からしたら馬鹿らしいことこの上ないですよね。

私自身に置き換えてみて考えてみましたら、「好きな女の子とメールしていたら、その女の子が好きな男性とのメールを読まされる羽目に」ということですよね。

うん、悲しくて涙出てきますね。山田 エルフ先生は泣いても良いと思います。

ラブコメとしては完全に勝者が紗霧として決まっている以上、作品としての盛り上げる部分、熱くさせる部分は『作家物、創作者もの』になります。

エロマンガ先生 1巻』のラストで見せてくれた「マサムネ」と「エロマンガ先生」の創作に対する想い、プライド、熱さを是非『エロマンガ先生 2巻』以降でも見せていってほしいなと思いますし、期待しています。

あと、できたら2巻以降も山田 エルフ先生には活躍をしてほしいな(笑)

シリーズ感想

エロマンガ先生 1巻 感想
エロマンガ先生 2巻 感想
エロマンガ先生 3巻 感想
エロマンガ先生 4巻 感想
エロマンガ先生 5巻 感想

お勧めの作品

エロマンガ先生シリーズの最新作『エロマンガ先生(10) 千寿ムラマサと恋の文化祭 (電撃文庫)』の発売日は2018年7月10日です。

前巻から結構時間がたっているので、新刊発売までに読み直すのもいいかもしれないですね。

タイトルからすると千寿ムラマサメインのエピソードっぽいですが、山田エルフちゃんの活躍も見たいな。

エロマンガ先生(10) 千寿ムラマサと恋の文化祭 (電撃文庫)
伏見 つかさ
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