南の島で執筆合宿! 人気シリーズ第3弾は、待望の”水着回”でお届け!!
「『夏の取材&執筆合宿』! あんたたちの夢を叶えるためには、必須のイベントよ! 」
無事に『妹小説』を書き上げた和泉マサムネは、売れっ子作家・山田エルフの誘いで彼女の所有する南の島にやってきていた。
引きこもりの妹・紗霧の件もあり、合宿に乗り気ではなかったマサムネだが、他ならぬ紗霧からの”後押し”や、ムラマサ先輩の参加もあって、この合宿を有意義なものにしようと意気込むが……。
「二人で遊んでましょう! 」仕事そっちのけで遊び始めるエルフ。
「こ、こんな水着で……外に出るなど」エルフにハメられえっちな水着を披露することになってしまったムラマサ先輩。
他にも新しく出来た執筆仲間やエルフの兄の登場など、マサムネはじめての執筆合宿はどうなってしまうのか――?
『エロマンガ先生 3巻 妹と妖精の島』のネタバレありの感想になります。
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
こちらの感想は旧ブログからの移転記事になります。
過去感想の再構築、拙い部分の修正などを行っています。
ネタバレなしの感想
今回の舞台は自称妖精の島という山田エルフちゃんご家族の所有する南の島が舞台になります。
この妖精の島で行われる作家グループの夏合宿という一大イベントのお話ですね。
南の島で夏合宿とはラブコメ作品にとっての花形イベントですね。
シリーズ早々に花形イベントをもってきてだけはあり、各ヒロインたちの可愛さや魅力を引き立てるエピソードが満載ですよ。
定番であるヒロインの水着姿や、夜の島を散歩しながら語り合うシーンとラブコメの王道と言えるエピソードだけあってどれも破壊力抜群ですね!
紗霧、山田エルフ、千寿ムラマサと各ヒロインたちの気持ちやドキドキが伝わってきて甘酸っぱい気持ちになれること請け合いですよ。
作品自体のメインヒロインは紗霧で確定していると思いますが、それでも山田エルフが千寿ムラマサがみせてくれた想いの強さといじらしさは堪らなかっただけに、サブヒロインの彼女たちにも幸せな結末が訪れることを願ってしまいますね。
南の島で夏合宿ということで自宅から出られない紗霧の出番が減るかと心配がありましたが、杞憂でありました。
南の島と自宅間の電話のやり取り、帰宅してからのやり取りと紗霧の存在感は損なわれていませんでした。
正宗と紗霧の交流は付き合っている恋人同士としか思えず、甘い雰囲気を大いに楽しませてもらいました。
この夏合宿会で目立っていた紗霧、山田エルフ、千寿ムラマサの3人がメインヒロイン格で、その中でも紗霧が作品自体のメインヒロインとなるのでしょうね。
他の女性キャラクターはサブヒロイン枠という事でしょうが、今後もサブヒロインは増えていくのでしょうね。
ラブコメ作品ってよく展開に困ると新ヒロインが追加されますが、これまでのエロマンガ先生の展開から見るに無駄な新キャラクターは増やしていかないだろうなという安心感があります。
登場する女性キャラクターそれぞれに個性があり魅力があり、存在感があることがエロマンガ先生の良い所だと思えますね。
メインヒロイン格の3名がそれぞれ魅力を発揮している中でも、紗霧というメインヒロインから気持ちがブレない正宗は男性として大した奴だなとも思いますね。
それでも鈍すぎるところや、無自覚で山田エルフにだけ辛辣なところはいただけないですがね。
まあ山田エルフに辛辣なのは無意識で山田エルフになら許されるという甘えがある気もしますが。
これだけ本命がしっかり固まっている正宗の気持ちを、山田エルフは千寿ムラマサは振り向かせていくのか?
紗霧と正宗という相思相愛の二人をラブコメ作品でどう動かしていくのかというところが気になりますので完結まで追っていこうと思います。
ネタバレありの感想
ここから下は『エロマンガ先生 3巻 妹と妖精の島』のネタバレありの感想になります。
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
正宗と紗霧について
ネタバレなしの感想でも書きましたが、もう正宗と紗霧の2人は相思相愛ですよね。
なので読者視点としては、この2人がいつくっつくのか?結ばれるのか?という点にはないなって思います。
多分、2人の夢であるアニメ化した作品を自宅で鑑賞したときなのかなって考えてます。
最終的に結ばれることが確定する2人が、結ばれる直前の一線を越えないラインで好意を伝えたりイチャイチャしたりする姿を楽しませてもらおうと思います。
この作品世界だからこそ許されていますが、正宗の鈍さや空気の読めなさは本来なら許されない位罪深いですよね。
ラブコメ作品の主人公としての呪縛に捕らわれているともいえるので、正宗からすると仕方ないのかもしれないですがね。
それでも女性を褒めるときに他の女性に例えるとか本当にネタとは言えどうなのかって気がしますが。
正宗の美点は素直なところ正直なところにあるとはいえ、これは流石にダメでしょ(笑)
他にも山田エルフちゃんのことを頼りにしているのに、山田エルフちゃんへの対応が雑だったり相手の想いを考えいない発言は本当に自分にはだめでしたよ。
家族との辛い別れを2回も経験している正宗視点からすると、山田エルフが自分の姉だったらよかったのにっていうのは最高の褒め言葉なのは伝わるのですが、そこにいたるまでがね。
また言われた山田エルフちゃん側からすれば認めてもらえるのは嬉しいでしょうが、その認められ方が自身の望む方向と違うのが逆に残酷ですわ。
異性としての好意を求める山田エルフと、肉親や身内としての好意を伝える正宗のすれ違いが面白くも寂しいですね。
それでも凹まずひるまず、諦めないで突き進んでいく山田エルフちゃんが素敵だし愛おしく思えます。
話が微妙に山田エルフちゃんにずれてしまいましたが、紗霧もこの巻で大きく変化したと思います。
これまでは部屋から出ることが出来なかった紗霧が、正宗の帰宅を迎えるために部屋から出て2階から降りてこようとする姿が見られました。
いまだに2階から降りることに負担を大きく感じますが、それでも帰宅を迎えようという紗霧の気持ちが優しく思えます。
正宗側からの好意だけではなく、紗霧から正宗への好意を感じられる素敵な行為だったと思いました。
親同士が結婚したから紗霧と正宗が家族になったのではなく、互いの正体を知ってからの交流と正体を知る前にあった交流があってこそ2人は家族になれていたのだと思います。
紗霧のもう一つの夢である「好きな人のお嫁さん」は正宗の鈍さが最大の障壁です、その障壁を掘り進み夢に向かっているようにみえますね。
ただ、紗霧がもう一つの夢を語る時に恥ずかしさから口籠った時、助け舟を出したのが山田エルフちゃんであったという点が、この物語を動かしているのは誰なのかを明示してしまった気がするな。
本当に山田エルフちゃんあっての物語ですよ。
山田エルフについて
舞台が妖精の島とあるだけにやっぱり山田エルフちゃんが今巻のメインヒロインですね。
妖精の島での夜の散歩や、海辺でのイチャイチャ、王様ゲームと見せ場が多くあり山田エルフちゃんの魅力を改めて楽しむことができました。
妖精島でのエピソードも良かったですが、それ以上に妖精島へ行くまでのやりとりも魅力的であったと思います。
紗霧への助け舟、正宗にあった千寿ムラマサへの複雑な想いの軽減、千寿ムラマサがグループに加われるように橋渡しと、物語のけん引役は山田エルフちゃん以外の何物でもないですよ。
作中では正宗は山田エルフちゃんのことを空気を読めないと評していましたが、私視点からすると山田エルフちゃんは空気を読めないのではなく、あえて読まないのだと思います。
他者の秘めた思いに気が付くことが出来る山田エルフちゃんが空気を読めない訳はなく、空気を読んだ上であえて空気が読めないような行動をしているのでしょうね。
空気が読めずに自分の気持ちを押し付けるのではなく、正宗やその周囲の人たちに良き影響を及ぼす行動をしていますし、正宗のためを思っての行動が結果的に恋敵に利する行いにすらなっていますしね。
正宗のためという部分はありますが、それでも他者の気持ちに気遣いが出来、その気持ちを大事にしている山田エルフちゃんは作中で一番素敵な人物であると思います。
「だって、あなたは、わたしに惚れるもの」という言葉を発した時の山田エルフちゃんの恥じらいと勇気を考えると、その思いの強さに胸が震えますよ。
勝ち目の薄い戦いに挑む山田エルフちゃんの心意気は凄すぎます。
私だったら間違いなくこの言葉だけでも惚れてしまいますね。
シリーズ感想
エロマンガ先生 1巻 感想
エロマンガ先生 2巻 感想
エロマンガ先生 3巻 感想
エロマンガ先生 4巻 感想
エロマンガ先生 5巻 感想
お勧めの作品
エロマンガ先生シリーズの最新作『エロマンガ先生(10) 千寿ムラマサと恋の文化祭 (電撃文庫)』の発売日は2018年7月10日です。
前巻から結構時間がたっているので、新刊発売までに読み直すのもいいかもしれないですね。
タイトルからすると千寿ムラマサメインのエピソードっぽいですが、山田エルフちゃんの活躍も見たいな。
KADOKAWA (2018-07-10)
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