エステルドバロニア 1巻 感想 ネタバレ あらすじ

エステルドバロニア 1巻』のネタバレありの感想になります。

ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。

ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。

あらすじ

最強の魔物国家を統べるは人間の王! 非力な王の苦悩の物語が今始まる!!

VR戦略シミュレーション『アポカリスフェ』の頂点に君臨する男はある日、プレイ中に突如として激しい頭痛に襲われ、意識を失ってしまう。
ふと男が目を覚ますと、そこはゲーム内で作り上げてきた魔物国家エステルドバロニアの王城であり、自らの姿は人間でありながら魔物の王である”カロン”そのものだった。

このゲームに酷似した異世界で生きていくことを余儀なくされたカロン。彼は強力な魔物たちを従える立場にありながら、自身は非力なただの人間であるという事実に恐怖するが、気持ちを奮い立たせる間もなく国の緊急事態に対処することになり……!?

連載時からの大幅改稿に加え、書籍だけの特別短編『王の知らなかった彼女たち』を収録!

ネタバレなしの感想

自らがゲーム内で発展させた国と最強の軍団を伴い異世界に転移し、異世界で覇権を握るというコンセプトの作品です。

主人公でありエステルドバロニアの指導者であるカロンは戦闘力が皆無なため、配下たちを率いる指導者として決断を下すところや成長を遂げていくところが面白い部分です。

またカロンが作り上げた配下たちはそれぞれ一騎当千の力を持つ桁違いのモンスターたちでありますので、彼らが戦闘シーンで敵を蹂躙するのも見せ場といえます。

また、配下の軍団長たちはみな個性的で魅力を持っていますので、カロンと配下たちのやり取りや、配下同士の交流も本作品の面白い点といえます。

転移前の世界ではカロンにとって配下の面々はあくまでNPCのユニットであり、交流など望むべくもなかったのですが、

配下のNPC達にとってみると誕生してからずっとカロンを認識しており、創造主としても指導者としても尊敬していたというお互いの認識のギャップが面白いです。

カロンが行っていた何気ないゲームプレーが配下からすると偉業と捉えられいたりしたことや、

カロンがゲームから離れ不在だったときに配下同士で交流をしていたりといったことがキャラクターの掘り下げになり、物語に深みを与えています。

カロンと配下たちの多分に勘違いや誤解を含んだ主従関係も面白いんですが、

配下同士の横の関係というか交流や、一般国民が指導者としてのカロンをどのように捉えているのかといった点

カロンの寵愛を得ようと軍団長同士が争う描写や、カロンの役に立てるように自ら行動する姿も好きです。

複数のキャラクター同士が絡み合うことで、そのキャラクターの違う一面が楽しめますので、配下同士の交流は今後も増えてほしいし期待したいポイントです。

そういったカロンを始めとした主要キャラクターを掘り下げる描写やエピソードは書籍化にあたっての追加要素の様です。

この追加要素のお蔭でカロンの言動に違和感を感じることがより少なくなったと思いましたし、既読の読者も改めて物語を楽しめるポイントになっていると言えます。

ですので、Web版のエステルドバロニアを読んでいても書籍版を購入する価値は十二分にあるかと思います。

上記しましたが主要キャラクターや国としてのエステルドバロニアを丁寧に掘り下げて描いてくれたことで、作品に対しての没頭感は増したと思います。

ただし、丁寧に描いたことの弊害として大きな盛り上がりのポイントが今巻には無かったかなというのが正直な感想です。

軍団ごと転移する作品の魅力として、自らが作り上げた最強の軍団が敵対者を圧倒的な力で粉砕、蹂躙するという点があります。

今巻『エステルドバロニア 1巻』では転移世界の現地国家や軍勢と遭遇することがなかったので、上記の魅力的な点が薄いように感じました。

贅沢をいえば今回の終盤に発生した戦闘シーンを中盤の山場として、クライマックスでは現地勢力とのファーストコンタクトないし、緒戦を持ってきてほしかったですね。

加筆部分に割いたページ数を考えるとWeb版の第二章を持ってくるのも難しいし、仕方ないとは思うのですが現地勢との戦いがあればより面白くなったのになと贅沢にも思ってしまいました。

今巻単独でも十分楽しめますが盛り上がりを考えますと舞台説明、物語の導入部で終わってしまったなと感じた部分があります。

次巻『エステルドバロニア 2巻』で起こるであろう現地勢力との戦闘ないし戦争を読んでこそ、本作品の面白さを初めて評価できるんじゃとは思います。

ですので、本作品の続刊も楽しんでいきたいので売れて欲しいなと言うのが正直な気持ちです。

軍団ごと転移物の作品が読みたくなったら、ぜひ『エステルドバロニア』に手を出してみてください。

ネタバレありの感想

ここから下は『エステルドバロニア 1巻』のネタバレありの感想になります。

未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。

転移後の異世界について

カロンが転移した異世界の情勢については、まだあまり描写がされていません。

今巻の終章において現地勢力の外交舞台を垣間見られる程度ですし、まだカロンやエステルドバロニアに関わってこないので国名や指導者の名前がいっぱい出てきましたが覚えられませんでした(笑)

それでもいくつか気になる要素がこの終章で描かれていました。

気になる要素の一つ目が、エステルドバロニアの転移とほぼ同タイミングで魔王が復活したということです。

魔王が復活したからエステルドバロニアが転移したのか、転移したから魔王が復活したのか?

もし魔王の復活と転移に関連があるのだとすれば、前回に魔王が現れたタイミングでもカロン以外の転移者が居てもおかしくないはずです。

今後、物語が進んでいくと他の転移者や転移国家の話題が出てくるのかを期待します。

気になる要素の二つ目が九人の騎士という存在です。

「九人の騎士が現れた丘」という場所を異世界にある国家の指導者層が重要に捉えていることを考えるに、九人の騎士というのがかつて何らかの偉業ないしは奇跡を起こしたように思われます。

異世界での宗教、創世神に関わる神話中の人物たちなのかもしれないですね。

魔王の復活の話題に合わせて出てきたことから推測するに、かつての魔王を撃退した存在が九人の騎士なのかなとも考えられますね。

魔王と敵対する存在がかつていたということから、九人の騎士はもしかしたらカロンと同様に異世界に転移した人々なのかな?

それとも魔王の方が異世界に転移させられた存在であり、九人の騎士側が現地勢力の最強の存在なのかしら?

魔王と九人の騎士、創世神の存在は今後の展開で気にすべき要素ですね。

シリーズ感想の索引

エステルドバロニア 1巻 感想

お勧めの作品

おすすめは『異世界国家アルキマイラ ~最弱の王と無双の軍勢~ (GAノベル)』です。

エステルドバロニアと同様に軍団ごと異世界に転移し、異世界勢力を蹂躙する作品です。

1巻の内容だけ比較すると『異世界国家アルキマイラ ~最弱の王と無双の軍勢~ (GAノベル)』の方が派手さはありましたね。

ただ、主人公の言動の不一致、配下に対する不信感がエステルドバロニアよりも強めなので、どちらの作品をより好きになるかは好み次第かな。

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コメント

  1. ななしさん より:

    更新お疲れ様です。自分も暫くは関わってこない国名や指導者の名前は覚えてませんw
    次巻は書き下ろし等なければ虐げられてる現地エルフの謁見に応じて人間に宣戦布告して圧倒的な力で蹂躙する、物語最初の山場ですがコミカライズ企画が実現したらマンガ映えする場面ですね。
    1巻は爆死まではしていないみたいですが、続巻に影響でるのかな?個人的には続いて欲しいですが……

    • くじらさん より:

      ななしさん

      コメントありがとうございます!
      やはり覚えられないですよね。自分だけじゃないと分かって安心しました(笑)
      他国への宣戦布告、圧倒的な力で蹂躙というWeb版でも盛り上がった部分を早く書籍版でも読みたいです。どのように加筆修正されるのかが気になります。
      コミック版にするのなら盛り上がる部分を早めに持ってくるとか構成変える必要あるかもですね。コミック版を出すためにも売れて欲しいです!