ファイフステル・サーガ 1巻 感想 ネタバレ あらすじ

「わたしも、あなたを夫として受け入れるわ」これより二年の後、古の魔王再臨し、人類は滅ぶ。絶望の未来を塗り替えるため、“アレンヘムの聖女”セシリアと婚約し、最強の傭兵団“狂嗤の団”の団長となる道を選んだカレル。“アレンヘムの聖女”が持つ『自分の死を夢見る』という悪夢に希望の力を見いだしたカレルは、死の運命を回避する力を持った英雄として五芒国平定のため動き出す。一方その頃、幼くして女王の座を引き継いだ妹のため、暗愚を演じ続けていた王子ヴェッセルも権謀術数に長けた英雄として歴史の表舞台に姿を現す。玉座の頂を目指す英雄たちの叙事詩が今、幕を開ける!

ファイフステル・サーガ』のネタバレありの感想になります。

ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。

ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。

戦記もの感想連続アップの第二段は『ファイフステル・サーガ』になります。

こちらの作品は粗筋を見て気になっていたので購入しましたが、買ってよかったと思う内容でした。

この次に感想をあげようと思っている『天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~』も当たりでしたし、戦記ものの流れが着ている気がしますね。

ネタバレなしの感想

古の魔王が再臨し再び滅亡の危機を向かえる世界を舞台にして、二人の英雄が覇権を争う物語ですね。

最強の傭兵団“狂嗤の団”の団長となったカレルと妾腹の王子であり新女王の摂政となったヴェッセルの二人を主人公として、この二人が魔王の打倒では共闘し、五芒国の覇権を争うというストーリーになるのかなと思っています。

面白い戦記ものライトノベルが始まりましたね。

色々と面白い要素はありますが、個人的に面白いと思った要素は以下の3つの点ですね。

1つ目は主人公たちが魅力的であるという点です。

カレルとヴェッセルという二人を主人公としていますが、この二人とも武力よりも知力で戦うタイプであるとうところが実に私好みでたまらないですね。

特にヴェッセルの方は、妾腹の王子という生い立ちから権力闘争に巻き込れずに命を守るために暗愚を装っていながらも実は有能という点がよくある暗躍・策謀キャラクターのように見えますが、家族愛を持っていますし悪逆非道なキャラクターではないというところが面白いですね。

カレルのほうもヴェッセルと同じく知力寄りのキャラクターですが、最強の傭兵団に所属していながらも武力より知識を求め、その知的好奇心から集めた情報を分析し、最善の行動を検討するというところが面白いです。

傭兵団の団長という指導者側というより、指導者から一歩引いた軍師、参謀のような雰囲気を感じますね。

共に知力で戦う主人公たちの共闘を楽しめますし、今後の展開で二人が戦うようになればどのような頭脳線を行うかがとても興味深いですし、とても楽しみです。

2つ目は特殊な能力の存在です。

上記しました二人の主人公はそれぞれ別々の能力ですが、とても特別な能力を活用しています。

その特別な能力の内容と、その能力の強さの匙加減が実に絶妙なんですよ。

あまりに強すぎる能力ですと主人公の凄さが伝わりませんし、微妙な能力ですと戦局を一変することに違和感がでてしまいますからね。

二人が使う能力について語ってしまうとネタバレになってしまうので、こちらはネタバレありの感想のほうで触れようと思います。

3つ目は魔王の存在です。

五芒国の覇権を争い英雄同士がぶつかり合うというだけでも面白いのに、その英雄たちの上を行く魔王が存在するとか興奮しないわけ無いじゃないですか。

主人公陣営が覇権をつかみ人間世界での敵がいなくなったとしても魔王というボスキャラがいるのでそのボスを倒すまで話は続きますし、人間という種族を守るために覇権を争っていた英雄同士が手を握る展開もありえるしと考えれば魔王という存在には話を面白くする要素が詰まっているといえますよ。

人間側が一致団結してやっと追い返すことに成功した魔王の強さが明らかになるときが楽しみです。

というように戦記として面白くなる要素が多くある『ファイフステル・サーガ』です。

戦記ものライトノベルが好きな読者の方なら好きになること間違いなしです。

私は本作品を好きになりましたので、続刊がでましたらまた発売日に購入して感想をあげたいと思います。

ネタバレありの感想

ここから下は『ファイフステル・サーガ』のネタバレありの感想になります。

未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。

主人公たちの特殊能力について

ネタバレなしの感想にも書きましたが、二人の主人公が活用する特殊な能力が本作品の特色になっています。

二人の能力はそれぞれ別の能力ですが、カレルが活用している能力はカレル側のヒロインである聖女の能力であり、聖女と同衾すると夢の中で自身の死の瞬間を見ることができるという能力です。

「夢として自身の死の瞬間を見ることができる」とうい能力のバランスが絶妙なんですよね。

「死の瞬間」が見れるわけですから当然その死の結末を回避しようとしますが、見られるのは死の瞬間のみでその視に至る過程が明らかにされないため、単純に回避が難しいのです。

この能力が死んだ瞬間からのループ能力であれば、死ぬまでの過程を自分自身が経験しているため、改善点が分かりやすいとも言えます。

ですが、死の瞬間という情報だけでは、その死の結末を変えようと試行錯誤するにも、どの時点でのどの行動が改善点なのかを分析し検証する必要があり、その点こそ主人公カレルの能力の発揮する場面になるのだと思います。

夢で見た情報からカレルがどのように情報を分析し、分析の結果から何を実行し、実行した結果のフィードバックを再度夢から得て、再度何を改善して未来を変えていくのかというPDCAが本作品の面白いところになりそうですね。

今巻で言えば傭兵団の切り込み隊長に認められるため、決闘で死を回避するために決闘内での行動を試行錯誤しています。

直近の未来での死であったため試行錯誤が容易でしたが、もう一つ見た死亡原因である灰エルフの襲撃を防ぐため、カレルがどう動き、その動いた結果どのように未来が変わるのかが楽しみです。

ヴェッセルの能力は、魔王の腕の力を使い相手の心を読むという能力です。

相手の心を読めるというのは強力な能力ですが、カレルの能力に比べると若干劣る気がします。

相手が嘘をつけない隠し事ができないという点では協力なのですが、能力を使用した相手自身が誤認識した結果のミスインフォメーションやディスインフォメーションは防げないと思うのですよね。

情報を扱うことが上手いというヴェッセルの能力を活かして、心を読んで得た情報の取捨選択でみせていく感じになるのでしょうかね。

改めて考えてもこの能力を使ってヴェッセルはカレルに対抗できるのか?

直接対峙したときにカレル側は死ぬ未来を回避するための試行錯誤してるわけだからヴェッセルは不利だよなあ。

死ぬ未来を見たとしても回避できぬ情勢を用意するか、死なないまでも詰んだ状態を用意するかだよなあ。

この不利な面を覆すようなヴェッセルの策略謀略が見てみたいな。

でも策略謀略はうまくいったとしても次回には警戒されてしまうので、ここぞという場面で一度きりの策略謀略が成功するということが大成への道だと思うのですが、ヴェッセルのキャラクターとしてそういう一度っきりの活躍だと目立たないでしょうしね。

続刊でヴェッセルがその特殊能力を用いて活躍していく姿を楽しみにしたいと思います。

シリーズ感想

ファイフステル・サーガ 1巻 感想

お勧めの作品

今回のお勧めの作品も前回に引き続き『天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)』です。

本当にこの作品が好きなのでぜひ多くの人に手に取ってほしいです。

天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)
鳥羽 徹
SBクリエイティブ
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