グランクレスト戦記 8巻 決意の戦場 感想 ネタバレ あらすじ




ついにアルトゥーク条約盟主となったテオ。戦争を推し進める同盟を抑えるべく、契約魔法師シルーカとともに大軍をもって戦場へと赴く。だが、同盟盟主マリーネは条約との決戦を巧みに避け、弱腰な連合への侵攻を開始するのだった。マリーネ自らが指揮するヴァルドリンド重装騎士団ら同盟の攻勢に対し敗戦を重ねる連合。内部からの離反もあり、崩壊が進む。その命運は連合盟主アレクシスの決断に委ねられ―「テオ、わたしに代わって、連合盟主となってはくれないか」アレクシスからの提案に、テオが選択する決意とは。いまグランクレスト大戦の終結に向け、物語は大きく動き出す!!

『グランクレスト戦記 8巻 決意の戦場』のネタバレありの感想になります。

ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。

ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。

『グランクレスト戦記 7巻』までで読むのが止まってましたので、1年半ぶりに続刊を読んだことになります。

主要キャラクターの名前は覚えていましたが、『グランクレスト戦記 7巻』で登場したキャラクターの名前がうろ覚えで混乱してしまいました。

やっぱり長編シリーズは間を置きすぎるとダメですね。

『グランクレスト戦記 9巻』は、早めに読もうと思います。




ネタバレなしの感想

激闘の末、宿敵『ミルザー』を打倒し、「アルトゥーク条約盟主」の座に就いた主人公『テオ』

統一を狙い戦争を続ける大工房同盟を抑え、幻想詩連合と大工房同盟を和解させるために、第三勢力としてアルトゥーク条約」は鼎立する。

聖印の統合を目指し戦いを続ける『マリーネ』、悲嘆にくれ幻想詩連合を動かさない『アレクシス』

嘆くだけで動こうとしない『アレクシス』の元へ『テオ』が訪れた時、最終決戦に向けての舞台が整えられ始めるというお話。

面白かったですが、最終決戦に向けての舞台準備の巻という感じでしたね。

前巻『グランクレスト戦記 7巻』が作品のクライマックスとしてもおかしくない位熱い展開でしたから、次に向けての溜めというところですね。

『テオ』にとっての目標である「システィナ」解放を成し遂げましたし、宿敵である『ミルザー』も打倒出来ました。

『テオ』個人の目的は達成できていますので、残る願いは世界から戦乱を失くすための統一ということになります。

ですが、『テオ』自身が皇帝となり統一を成し遂げるという考えではなく、『マリーネ』と『アレクシス』が手を取り合ったうえでのものを目標としているところが、『テオ』らしくもあり、物足りなさも感じるところでもありますね。

『テオ』自身の願いがそうでありますため、今巻の戦乱の中心は『マリーネ』と『アレクシス』となっています。

『マリーネ』はこれまでも情勢を自身が動かしてきた女傑でありましたが、クライマックスで明かされた彼女自身の本心は恋する女性であり、優しい人間であるように見受けられました。

そしてこれまでは情勢に流されて自ら主導的に動かなかった『アレクシス』ですが、遂に自ら戦場に立ちます。

『アレクシス』が動く心情が彼らしくていいですよね。『アレクシス』も『マリーネ』と同じで恋する男であり、優しさを持った男でもありました。

そんな『アレクシス』が戦乱に終止符をうち、愛する女性と結ばれる未来が訪れることを心から願います。

次巻『グランクレスト戦記 9巻』で会戦が行われ、戦乱の時代に終止符が打たれそうですが、そんな時代を求めていない勢力の暗躍が怖いところです。

そもそもこの戦乱は統一まであと一歩のタイミングで闇の勢力が暗躍して訪れたものです。

その勢力が間もなく訪れる統一を黙ってみていない気がしますね。

戦乱の終わり、統一に向けての最終決戦の行方を楽しみに次巻『グランクレスト戦記 9巻』を読もうと思います。




ネタバレありの感想

ここから下は『グランクレスト戦記 8巻』のネタバレありの感想になります。

未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。

アレクシス強い

いままで動かざること山のごとしであった『アレクシス』ですが、友である『テオ』の言葉によりついに動き出しました。

信頼する友である『テオ』の説得と、愛する女性である『マリーネ』傷つけないために動くというところが、『アレクシス』のもつ優しさが溢れているように感じますね・

個人としては戦を厭い戦場に出ることを避けていたた、大事な女性のためなら戦えるというところが男らしくて良かったです。

まあ、戦果に苦しむ民衆の立場からすれば、何故これまで動かずにいたんだっていう不満があるでしょうが。

戦場に立った『アレクシス』は、これまでの芸術家然とした彼とは全くの別人でしたね。

まさに戦場の名将という言葉に相応しい采配ぶりに、『アレクシス』の持つ将器と、支配者としての力量を感じられました。

彼が最初からのこの姿勢を見せることが出来れば、『マリーネ』も自信を捨て石にしてまでの戦いをせずに済んだのじゃないでしょうか?

『アレクシス』と『エーリク』の戦いが次巻『グランクレスト戦記 9巻』で行われます。
この決戦の勝者こそが、時代の覇者に聖印を統べる皇帝になると思われます。

戦いの趨勢は回線の結果によるものになるでしょうが、きっと「鉄甲船」が勝利のカギになるのだと思います。

『アレクシス』が『エーリク』を打倒し、『テオ』が『マリーネ』攻撃を防ぎ切ったその時にこそ、『アレクシス』と『マリーネ』が再会し想いを遂げることが出来るのだと思います。

マリーネの想い

『テオ』と『シルーカ』が居なければ、彼女『マリーネ』が主導した流れで時代が動き、皇帝が誕生していたと思われます。

まさに英雄と呼ぶにふさわしい女傑ですが、そんな彼女の心の奥にある想いは、自身を捨て石にしていました。

次世代に向けての捨て石になるという考えは立派でしたが、彼女自身には次の時代をどのようにするかと言った展望がなかったことには驚きましたよ。

まさに父や領民の想い、同盟の盟主としての立場に縛られて自身の感情を捨てていたという痛々しい姿でした。

そんな捨て石になるという想いに捕らわれていたのも、愛する『アレクシス』が戦乱の前に散ることを恐れていたからでした。

ですが、『アレクシス』が自身で動き、その地位に相応しい才能を見せたことで、子の捨て石になるという想いは叶わずに済むのではないでしょうか?

『アレクシス』は『マリーネ』が身を捨ててまで護るほど弱い存在ではないですし、『アレクシス』自身は『マリーネ』が捨て石になるようなことを望んではいませんからね。

戦乱が「幻想詩連合」と「アルトゥーク条約」側優勢ですすみ、大工房同盟側に和平の話を優位な立場で進めることが出来れば、きっと『アレクシス』と『マリーネ』の立場も変わると思います。

「同盟」と「連合」がどちらが優位過ぎても2人が再会できることはできません。優位な側の人間が、敗者と結ばれることに納得しないでしょうから。

あくまで五分の情勢の中で、同様に力を持つ第三者の仲介があってこそ叶う未来だと思います。
最終決戦を『アレクシス』勝利、『テオ』が『マリーネ』に勝ち過ぎない情勢こそ、求められる結果だと思います。

『アレクシス』と『マリーネ』、2人の結婚式での惨劇から戦乱始まったわけですから、2人が再度結ばれてこそ戦乱が終わるのだと思います。

2人の結婚をみられることを望みつつ、続刊を見ていこうと思います。




シリーズ感想

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