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『ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで 3巻』のネタバレありの感想になります。
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
気力が衰えたのか、気持ちが載らなかったからなのかまったく小説が読めない期間が続いておりました。
ブログを再開することで少しずつ読書と感想アップのリハビリをしていきたいなと考えております。
半年くらい、感想書いていなかったので自分の感想文の書き方を忘れてしまっています。
ちょっと昔の書き方を思い出しつつやっていますので、違和感などありましたら申し訳ございません。
あらすじ
其れは怨嗟の炎を纏う復讐鬼
最強の蠅王――ここに顕現「ハズレ枠」と称されたスキルを駆使し、“人類最強”シビトを打倒した三森灯河。
彼は、一路金棲魔群帯に潜む「禁忌の魔女」を目指すもしかし、その所在を未だ掴めずにいた。
そんな折、旅のさなかに訪れた王都モンロイにて、「禁忌の魔女」の所在を知るイヴ・スピードなる血闘士の存在を耳にした灯河とセラス。
彼女を仲間に加えようと行動を開始する2人の前に、正体不明の“呪術”を有する呪術士集団・アシントが姿を現すも、灯河は一切憶することはなかった。
「レベルアップにも意味はある――殺して、殺して、殺し尽くす――」
かつて空気モブだったE級勇者が、絶対最強へと至る逆襲譚、第3幕。
ネタバレなしの感想
女神ヴィシスへの復讐ため、切り札となる禁呪を解読できるであろう「禁忌の魔女」をさがす灯河たち。
そんな灯河たちの前に「禁忌の魔女」の所在を知るであろう、血闘士イヴ・スピードが現れます。
「禁忌の魔女」のもとに辿り着くため、イヴ・スピードを仲間に加えようとするシリーズ第3巻です。
2巻を読んでから期間が開いてしまいましたが、3巻も面白く感じました。
悪役に下衆な行為や卑劣な行為をさせることで読者に悪役に対する不満を大きく抱かせたうえで終盤、その悪役が主人公の灯河に一方的に蹂躙される。
その場面を読むことで溜まっていた不満が解消され気分がよくなりましたし、灯河たちの圧倒的な強さみて爽快感を覚えました。
下衆で卑劣な悪役が因果応報な結末を迎えるのは読んでいて本当に気分がすっきりしますね。
蹂躙される側の悪役を魅力的に描くというのは一種の才能が必要ですが、本作の作者である篠崎芳先生は悪役を書くのが本当に上手です。
地位と権力を笠に着てイヴたちに不埒な真似をしようとする小物な悪役のズアン公爵
“人類最強”シビトを倒したと偽ることで名前を売り、弱者に傍若無人なふるまいをする呪術士集団アシント
今巻で登場したどちらの敵も灯河に蹂躙されるに相応しい悪辣さが描かれています。
敵としても魅力的なキャラクターというのではなく、蹴散らされる悪役に相応しい魅力をだしてくれていましたよ。
そして灯河の復讐の相手であり作品のラスボス格である女神ヴィシスの悪辣な姿は、今巻でもほかに追随を許さぬ悪意を感じて輝いていましたね。
己の意にそぐわない相手に見せる厭味ったらしい言動や嫌がらせは、読者のヘイトを本当に高めてくれます。
ここまで憎たらしく読者の不満を高めてくれる悪役は中々いないと思います。
読んでいて私も女神ヴィシスへ不快感を覚えましたし、灯河の復讐が成就する時が本当に楽しみに感じます。
でも、まだ復讐の術の手がかりを知る「禁忌の魔女」すら出会えていないので、復讐が成就するときはまだ先になりそうですね。
復讐が成就する時が訪れるまで、女神ヴィシスの悪意に晒され不幸に陥る被害者は増えていくんだろうな。
現状、一番不幸になりそうなのが真面目で根っから善良な十河綾香さんっていうのが不憫なところ。
次巻以降も十河綾香さんが女神ヴィシスに目を付けられ不幸になりそうで怖いような楽しみなような複雑な気持ちです。
ついつい悪役側の魅力ばっかり語ってしまいましたが、主人公である灯河たちも十分に魅力的に感じています!
灯河とセラスの交流シーンではセラスの初々しさに癒されました。
セラスから灯河への思慕が描かれてなかったら、悪役たちの卑劣ムーブで溜まったヘイトでイライラがおさまらなかったでしょうね。
話はセラスの方に戻して、いまはセラスが灯河のことを一方的に意識しているだけですが、いつかセラスの想いに灯河が気づく時が来るのかな。
洗濯の時といい騎乗の時といい、セラス側の思慕はどんどん強くなっているし、灯河に隠し通せるものでもない気もします。
でも、女神ヴィシスへの復讐という目標がありますし、復讐が成就する時まで灯河がセラスの想いに応えられないのかもしれないですね。
次巻『ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで 4巻』で「禁忌の魔女」に出会い、女神ヴィシスへの復讐に向けて一歩進むのか楽しみです。
そして女神ヴィシスのもとに残っているクラスメイト達が大魔帝の陣営と戦う姿も楽しみです。
今巻はクラスメイト側のお話が少なかったので次巻はちょっと多めだと嬉しいです。
ネタバレありの感想
ここから下は『ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで 3巻』のネタバレありの感想になります。
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
女神ヴィシスへの復讐
「禁忌の魔女」の所在を知る血闘士イヴ・スピードとイヴの庇護下にあるダークエルフの少女リズが灯河の仲間になりました。
無地にイヴたちが仲間になることができましたが、もしも灯河たちが王都モンロイを訪問するタイミングが遅れていたらイヴとリズはズアン公爵の策謀により不幸な結末を迎えていたでしょう。
そしてイヴと出会えなかった場合、灯河たちも「禁忌の魔女」への手がかりを見失い女神ヴィシスへの復讐に致命的な遅れが発生したかもしれません。
灯河たちとイヴたちの出会いはまさに天の配剤であり、女神ヴィシスが報いを受ける時が近づいているといえます。
「禁忌の魔女」のもとに辿り着き禁呪の呪文書の内容が解明されることで、女神ヴィシスへ一矢報いることができるのか。
一筋縄ではいかない性格しているし、そう簡単には倒せなそうな底知れぬ怖さを女神ヴィシスに感じていますが、果たしてどうなるのか楽しみです。
呪術士集団アシント戦について
“人類最強”シビトを倒したと偽り、名前を売っていた呪術士集団アシント。
今巻の敵として灯河の前に立ちふさがりましたが、さすがに“人類最強”シビトほどの圧倒的な強さはありません。
1巻で対峙した金眼人面種、2巻で圧倒的な強さをみせた“人類最強”シビトに比べると戦闘シーンでの絶望感は劣っていました。
“人類最強”クラスが何人もいては堪りませんからね。追随を許さない遥かな高みにいたからこその“人類最強”の二つ名でしょうし。
シビト戦に比べて絶望感や緊迫感は不足していました。
でも、対アシント戦は金眼人面種戦やシビト戦とはまた違う戦闘の面白さ味わえましたので満足しています。
対アシント戦の見どころは頭脳戦や心理戦といった騙しあいの楽しさが味わえましたよ。
敵の意図を読み切ったとの誤解から増長して得意げに語るアシントのリーダームアジさんの道化っぷりは中々に素晴らしかったです。
得意の絶頂から一転、パラライズで一網打尽にされ蹂躙される様は読んでいて実に楽しかったです。
状態異常スキルは決まれば勝利という必殺技になっている分、戦闘シーンを面白くするには必殺技が使える場面をどのように作るかにあります。
ですので、敵を状態異常スキルで嵌めるまでの頭脳戦や心理戦が本作品の戦闘シーンの肝と言えますね。
既読しました3冊ともにその嵌めこむまでの過程が面白かったので、今後も戦闘シーンには期待できそうで続刊も楽しみです。
次巻以降の敵は呪術士集団アシントのように一方的に蹂躙されるのか?
それとも灯河が苦戦するような強さを持った敵なのか?
どんな敵を状態異常スキルで嵌めるのか楽しみですね。
シリーズ感想の索引
ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで 1巻 感想
ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで 2巻 感想
ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで 3巻 感想