『
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
あらすじ
ギデオンで行われた<超級激突>。その決着の瞬間に現れた白衣の男・【大教授】フランクリンは、アルター王国をも揺るがすゲームの開始を宣言した。町中に溢れだした大量のモンスター、闘技場に閉じ込められた上級プレイヤーたち。王国滅亡に王手のかかったこの状況を打開すべく、プレイヤーたちは国を、誇りを護るために動き出す。レイ、マリー、ルークたちはそれぞれの戦場で、フランクリンの配置した強敵と激突する――!! 超人気VRMMOファンタジー、圧倒的熱量の第4巻!!
ネタバレなしの感想
皇国の<超級>【大教授】フランクリンの陰謀により、ギデオンの街を舞台に最悪のゲームの幕が上がる。
フランクリンの策によってアルター王国の実力者たちが闘技場に閉じ込められる中、ギデオンの壊滅、王国の滅亡という劣勢を打破するためレイやルークを始めとした初心者たちが動き出す。
フランクリンの用意した切り札たちを相手に、レイやマリー、ユーゴーーがそれぞれの相手と激突するインフィニット・デンドログラム 第4巻です。
『
いやはや、フランクリンの悪辣さや露悪的なところは正に倒されるべき悪役として相応しいものでしたよ。
フランクリンの言動は私も読んでいてどんどんヘイトが高まりましたからね。
陰謀に巻き込まれた王国の人たちからすれば怒りがもの凄かったことでしょう。
フランクリンの策謀が明らかにされてからは戦闘に次ぐ戦闘で大いに盛り上がりました。
前巻『
フランクリンに組したマスターたちも決して低レベルではなかったのでしょうが、相手を初心者とみて侮ったこととレイとルークという初心者の枠に収まらないハイエンドを敵に回したからでしょうね。
作中で明確な悪役に組した側が殲滅させられるところは、直前のフランクリンの演説で高まっていたヘイトが解放されてカタルシスを感じました。
露払いの有象無象の敵戦力を退けた後は、フランクリンに至るための中ボス戦3連発です。
レイやルーク、マリーが各々強敵である中ボスと戦う流れでしたが、敵側の強さも際立っていましたし敵側のキャラクターの掘り下げもされていたので、この戦闘も盛り上がりましたね。
私としてはルークの戦闘が一番面白く感じました。
ルークが対決する相手にあのキャラクターを持ってくるのかという点での驚きもありましたよ。
戦闘内容と結果がどう転ぶのかも読めなかったので決着がつくまで手に汗を握ることが出来ました。
今巻でフランクリンとの戦いは完結かなと思いましたが、決着は次回に続く展開となっていました。
数々の陰謀を繰りひろげ、罪なきティアンに悪意を振りまいたフランクリンをぶちのめすのは次巻『
切り札をいくつか失ってもまだなお崩れないフランクリンの余裕を崩す存在の登場が待ち遠しいですよ。
ネタバレありの感想
ここから下は『
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
ユーゴー対ルーク
ユーゴー対ルークの対決にはちょっと驚きましたよ。
『インフィニット・デンドログラム 2巻』からの縁を考えれば、ユーゴーが決戦を行う相手はルークではなくレイだと思っていましたからね。
それにしてもルークはユーゴーには辛辣でしたね。
正しく物事を見ることが出来ていない人物をルーク自身に重ねてしまい嫌悪感が湧くってことなのかな。
ルーク自身も自分には進むべき方向が見つからないと自分の事が見えていないしな。
探偵になるのも怪盗になるのも決して親が決めたレールではなく、ルーク自身が望んでいる方向だと思うんだけどね。
嫌なら親から敷かれたとレールだからと易々と載るようなタイプに見えないし、根は辛らつなルークだから反発していたと思うんだよなあ。
ルークの半ば八つ当たりに近い糾弾を喰らってしまったユーゴーはご愁傷様ではありますが、フランクリンの本質から目を背け陰謀に加担したという負い目がありますから糾弾されたのは仕方ないね。
それにしてもユーゴーのエンブリオの必殺技「地獄門」の性能おかしくないですかね。
あれ初見殺しにもほどがあるし、上級者ほどハマれば瞬殺ですしね。
何らかの制約が無いとインチキすぎると思うんだけどな。
インフィニット・デンドログラムが実際に会ったらやってみたいと思うのは変わらないけど、バランス調整がおかしいからクソゲ扱いも同時にされてそうです。
レイ対RSK
フランクリンはどんだけレイに拘っているんだよと驚くことになる存在が
まさか初心者のレイ対策に特化したモンスターを作るとか無駄なコストとしか思えません。
聖騎士であるレイ対策に特化していたためリリアーナを始めとしたティアンの聖騎士たちにも効果を発揮していましたが、そんなのは結果論ですからね。
そもそもレイを殺すだけでよければ、オキシジェンスライムを複数用意すればことは済むはずです。
単純に殺すだけではなく、無力感や敗北感を植え付けてレイの心を折るために用意したのが
本当、フランクリンは粘着質で悪質、かつ小物だなと感じさせるエピソードありました。
自身の陰謀を初心者であるレイに阻止されたということがフランクリンにとって屈辱であり、認めがたい敗北感なのだろうな。
全体の目的からすれば余計なレイ対策モンスターを作成してしまうほどに拘るんだから、フランクリンは自身の失敗や敗北を認めたくないタイプなのでしょう。
でも、フランクリン自身がレイに拘っている理由を、リリアーナ暗殺計画の主犯であったことを伝えたのは悪手中の悪手でしたね。
守るべき対象があれば決して諦めず、わずかな可能性でも掴み取るレイの不屈の精神を考えればいうべきではなかったのです。
フランクリンがミリアーヌを害する存在であると分かれば、ミリアーヌを守るためにもレイは実力以上の力を見せますから。
フランクリンの敗因は観察をしていたのにも関わらずレイの本質を掴めていなかった点でしょう。
案だけ悪役ロールをしていて大口をたたいていた割に負けるべくして負けたといえます。
フランクリンの切り札の一つ
フランクリンの分かりやすい悪役ロールに応えるためにも、レイの力でフランクリンを撃破してもらいたいです。
<超級>であるフランクリンを打破することはレイでも厳しいでしょうが、格上殺しが得意のレイの力で成し遂げてもらいたいし、そのシーンを見てカタルシスを味わいたいな。
マリーやルーク、クマニーサンの助けも期待できそうですし、次巻『インフィニット・デンドログラム 5巻』を読んでレイがフランクリンを叩きのめす活躍をするのを楽しみたいと思います。
シリーズ感想の索引
お勧めの作品
2019年2月時点の最新刊であるインフィニット・デンドログラム 9巻の発売日は2019年2月1日です。