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ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
あらすじ
失われていた新ジョブ発見!
【聖騎士】のジョブもカンストし、次のジョブを探していたレイのもとに、失われていたジョブが再発見されたという報が入る。それは、つい最近、遺跡で発見されたジョブ【煌騎兵】。
転職条件を満たしていたレイは、ジョブにつくために遺跡があるアルター王国とドライフ皇国の国境付近にあるカルチェラタン伯爵領へと向かう。
道中出会った仮面の女剣士・アズライトと共に赴いた遺跡では、発掘物をめぐって各国の思惑が渦巻いており――
激熱VRMMOファンタジー第8巻!
ネタバレなしの感想
トルネ村のクエストを終えたレイが、遺跡で発見されたロストジョブ【煌騎兵】に転職するため、発見された遺跡を目指します。
遺跡までの道中で知り合った仮面の女剣士アズライトと共に遺跡に挑むレイでありましたが、発見された遺跡には兵器じみたモンスターが多数徘徊し、遺跡自体に何やら秘密があるようです。
発掘されるロストテクノロジーを狙うドライフ皇国の強者や遺跡を守護する兵器、複数の勢力と思惑が交差する中で、レイはカルチェラタン伯爵領の人たちを守るためにも危機に立ち向かいます。
トルネ村での黒天空亡モノクロームとの戦いもひと段落してそうそう、レイは次のクエストであるカルチェラタン伯爵領の前々期文明の遺跡の探索に挑みます。
今巻『インフィニット・デンドログラム 8巻』では、その新クエストの導入部分が描かれています。
前々期文明の説明、新キャラであるアズライト周りの説明、敵対するドライフ皇国側のマスターとティアンの顔見せがメインの内容になっています。
ですので、主人公であるレイの熱い戦闘シーンは今巻ではお預けですね。
導入部分や日常パートは完了していますから、次巻『インフィニット・デンドログラム 9巻』では今巻で溜めた分、より熱い戦闘シーンに期待が持てます。
なにせ次巻で戦うであろう相手がドライフ皇国の<超級>魔将軍や皇国元帥、そして前々期文明の対“獣の化身”用の決戦兵器とレイのレベルからすると格上の相手がそろっていますからね。
仮面の女剣士アズライトやトムキャットの助力は期待できそうですが、それでも激闘や死闘になることでしょう。
そして、新キャラクターのアズライトですが、いったいその仮面の下の素顔や正体は何者なんだ!?(棒)
と思ってしまうくらいに正体を隠す気が全くなしでしたね。だが、王道ですしお約束ですし、それがいいんでしょう。
何せアズライトのヒロイン力はネメシスの存在を除けば最強ですからね。
誤解からの戦闘という出会い、お風呂で遭遇してしまうというハプニング、そしてアズライトの心の奥に秘めていたマスターに対する不満をレイが溶かしていくとか、『インフィニット・デンドログラム 8巻』にしてついにヒロインの登場ですよ
マスターに頼ることを良しとしないアズライトがレイの気持ちを知り、考えを改めていくところ本当に感動的でした。
アズライトの頭で理解しても感情が納得できない事象を改善するには、感情に依る働き掛けが出来るレイが適任だったのでしょうね。
次巻『インフィニット・デンドログラム 9巻』できっとあるはずのレイとアズライトの共闘が楽しみです。
ネタバレありの感想
ここから下は『
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
レイの姿を見て悪人と判断して襲い掛かったり、マリオ先生が戦闘職なのかを判断するためにとりあえず殴りかかったりと結構な脳筋キャラクターのアズライトさんです。
まあ、レイに襲い掛かったのは状況(まるで暗黒騎士の様に禍々しい姿の人間が、意識を失ったティアンの少女の傍らにいる)が悪かったので仕方ないでしょうが、マリオ先生の場合は推測が外れていたら粉砕骨折させていたとか、直せるにしても痛み消せないんだからヤバいやつですわ。
仮面で顔を隠し遺跡調査に赴いた謎の人物ですが、その正体はアルター王国王女のアルティミア・アズライト・アルターさんでした。
今巻開始時にアズライトと名乗っていましたので、読者的には全く正体を隠してはいませんでしたがね。
第一王女は正体隠して個人活動しているし、第二王女は護衛を撒いてお忍びをしているしで王族の人たちヤバい行動する人ばっかだ。
補佐をする王国上層部や護衛する親衛隊の人たちの心労が大変すぎる、まだ奇矯が伝えられていない第三王女がまともなことを期待しますわ。
という感じで新キャラのアズライトは、アルター王国の王女でした。
レイと知り合い、レイの行動の根幹を知り、これまで頑なであったマスターへの不信が徐々に溶けていっています。
ここでレイと伝手が出来たことで、王国からマスターへの依頼が差し止められることもなくなり、今御語こるであろうドライフ皇国との戦争の際にマスターたちに戦争参加を打診しやすくなるのでしょうね。
レイからしても王国上層部との伝手が出来たことで、国家規模のクエストやイベントにレベルや能力が未熟な現状でも参加可能になるのでしょう。
レイとアズライトの身分を越えた繋がりなのですが、レイの方はまだアズライトが王女であるってことは把握できていません。
次巻『インフィニット・デンドログラム 9巻』でその辺の事情がレイにも伝わるのかしら?
身分を隠した王女との仄かな恋心でもおいしいですし、王女と知った後の身分違いの思慕も美味しい展開なのでどちらの展開になっても望むところではありますが。
それにしても既刊8冊も費やしてようやく満を持して登場した真ヒロインともいえるアズライトですから、ヒロインとしての力というか魅力が高いですね。
初登場巻にしてレイとの距離の詰め方やヒロインらしいイベントの数々(お風呂で遭遇や心の深いところをレイだけに見せたりとか)をこなしていますから、ヒロインの座が安泰かとおもったネメシスもウカウカしていられません。
次巻『インフィニット・デンドログラム 9巻』では共闘もするでしょうし、死線を共に超えた先に更なる親密さを増すのか期待です。
ギフテッド・バルバロス
マリオ先生として登場した憎めない敵役、それがドライフ皇国軍元帥 ギフテッド・バルバロスです。
敵対することになるであろうレイに対しても礼節をもって対応するなど、これまでの敵役の中でもっとも紳士といいますか嫌いになる要素が少ない人物であります。
まあ元帥という国のトップ層にいる人がなんで単独で潜入工作してるんだとも思えますが、王国の第一王女も正体隠して個人活動しているし、あまり触れない方がいいのでしょう。
ギフテッドが単独で潜入工作を行った理由はカルチェラタン伯爵夫人との絡みなんでしょうね。
あれだけ何度もギフテッド・バルバロス(マリオ先生)とカルチェラタン伯爵夫人の目が似ていると言及されていますと、ギフテッド・バルバロスはカルチェラタン伯爵夫人の息子であるんでしょうね。
ギフテッド・バルバロスの方もカルチェラタン伯爵夫人の庭を意味ありげに眺めていたり、伯爵夫人のクッキーを食べた時に代わった反応していましたし、自分が伯爵夫人の息子であると承知している気がします。
そう考えると、立場的にアズライトやレイとは対立していますが、カルチェラタン伯爵領に対して酷い子はしないんじゃないかとか、カルチェラタン伯爵領を守るために最後はレイたちと共闘するんじゃないかなって気がします。
ギフテッド・バルバロスの所持している特典武具は多数のマリオネットを作り出し、操る能力です。
一体一体は下級職相当の戦闘力でありますが、レイの能力的に多数の敵を一人で倒すのは難しく、相性的にギフテッド・バルバロスの方が勝利しそうですからね。
そんなギフテッド・バルバロスを敵に回さずに済むという可能性は大きいと思います。
なにせ次巻で敵対するであろう<超級>魔将軍や遺跡の防衛機構なども数の力で圧倒するタイプの敵ですし、そこにギフテッド・バルバロスも加わったらレイが勝利する未来が見えませんわ。
レイはギフテッド・バルバロスのことを人としても敵としても信頼できるように感じていますし、レイと敵対して退場と化してほしくないですが、果たして次巻『インフィニット・デンドログラム 9巻』でレイと敵対するのか?そして作品から退場することになるのかを注目したいです。
あと、個人的な願望ですがギフテッド・バルバロスとカルチェラタン伯爵夫人が言葉を交える姿をみたいですね。
真実を伝えられないギフテッド・バルバロスと、正体を察し受け入れるカルチェラタン伯爵夫人って感じの会話をみることができたら大満足ですわ。
果たして、この二人が会合することが出来るかも期待です。
シリーズ感想の索引
お勧めの作品
2019年2月時点の最新刊であるインフィニット・デンドログラム 9巻の発売日は2019年2月1日です。