インフィニット・デンドログラム 9巻 感想 ネタバレ あらすじ

-インフィニット・デンドログラム- 9巻 双姫乱舞』のネタバレありの感想になります。

ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。

ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。

あらすじ

「お覚悟はよろしくて?」

遺跡を巡った戦いは激化し、皇国の切り札として二人の超級職がその姿を現す。さらに遺跡では先々期文明の希望であったはずの決戦兵器が目覚めようとしていた。
王国の危機に至り、仮面の王女はその力をふるうことを決め、レイの籠手に潜む鬼もまたその姿を現さんと機会を窺う。
舞台となるはカルチェラタン。数多くの危機から、この地に生きる人々をレイたちは守り切ることができるのか――。
激熱VRMMOファンタジー待望の第9巻!

ネタバレなしの感想

カルチェラタン伯爵領で発見された遺跡を巡る戦いがついに激化します。

皇国からは<超級>魔将軍ローガン・ゴッドハルトと無将軍ギフテッド・バルバロス元帥が参戦し、遺跡に眠るロストテクノロジーを狙います。

一方、遺跡では前々期文明が残した防衛兵器たちが“化身”と<超級>反応し稼働状態に入り、マスターとティアンへ襲い掛かります。

二つの脅威を相手に苦戦を強いられるレイやアズライトでしたが、更には遺跡の奥に眠っていた対“化身”用の決戦兵器アクラ・ヴァスターが稼働を始め、カルチェランタンの街を王国を危機に陥れます。

皇国の<超級>以上の強大な敵アクラ・ヴァスターを相手にレイたちは被害を抑えることが出来るのかというお話です。

前巻『インフィニット・デンドログラム 8巻』が状況説明、キャラの顔見せをメインにした導入部であった分、今巻『インフィニット・デンドログラム 9巻』は前巻で溜めた分以上の熱さと面白さがある内容でした。

戦闘に次ぐ戦闘の連続ということで、主人公のレイも<超級>魔将軍ローガン・ゴッドハルトとのレベル差や能力差を跳ね返す熱い戦いと、に匹敵する脅威であるアクラ・ヴァスターとの大決戦を楽しむことが出来ました。

特にアクラ・ヴァスター戦はレイの活躍だけではなく、レイと共に戦うアズライトたちの活躍と心情も楽しめる内容で、読んでいて本当に面白く感じ、次のページをめくる手が止まらなかったですよ。

個人的に『インフィニット・デンドログラム』で一二を争う熱い戦闘シーンでありました!

※クマニーサンが破壊王であることを明らかにしてフランクリンのモンスターを蹂躙する部分と甲乙つけがたい盛り上がりです。

戦闘が盛り上がったのはレイやネメシス、アズライトやギフテッド・バルバロス(マリオ先生)といったキャラクターたちが魅力的なのが一番の理由でしょうね。

レイたちの大いなる脅威を前にしても決して折れない不屈の精神と、後悔をしない様に行動する縛られない真っ直ぐな心に惹かれますよ。

そして、そんな主役たちと敵対する悪役である魔将軍ローガンとアクラ・ヴァスターも、単純な悪役ではなくそれぞれ魅力ある部分が描かれているので、本当戦闘シーンとそれぞれの散り様が良かったです。

魔将軍ローガンは今回描かれた能力を考えたらレイにとって天敵ともいえる相手だったんですがね。

それなのに魔将軍ローガンの中身の人の残念さのせいで、本当に残念な結果になっちゃってました。

そりゃフランクリンも魔将軍ローガンのことを(笑)つけて煽りますわ。

魔将軍ローガンが作中で行った悪辣で残酷な行為は許せませんが、中の人の事をしってしまうと乾いた笑いがでて仕方ないかと思ってしまいました。

もう一方の敵アクラ・ヴァスターについては、単純に憎むことが出来ない強大な敵でした。

カルチェランタンや王国に住まうティアンの安全を考えて敵対することとなりましたが、アクラ・ヴァスターが起動するまでに積み重ねてきた記録と、散り際の行動を考えるとむしろアクラ・ヴァスターのことが好きになっちゃいますね。

アクラ・ヴァスター戦はレイやアズライトの覚悟と決意、二人の行動を助けようと動く周りの人々、そして死闘が決着したのちのアクラ・ヴァスターの散り様と、本当に見どころ満載の内容でした。

『インフィニット・デンドログラム』のアニメ1期ではここまで放送されないでしょうが、人気が出て第2期が放送されるなら第2期の最終回はこのアクラ・ヴァスターとの決戦にしてほしいなと妄想するくらい大好きです。

カルチェラタン伯爵領の前々期文明の遺跡を巡る争いは王国側に有利な形で決着しました。

この結果を受けてドライフ皇国が次の手をどのよう手を打ってくるのかが気になるところです。

ネタバレありの感想

ここから下は『-インフィニット・デンドログラム- 9巻 双姫乱舞』のネタバレありの感想になります。

未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。

アクラ・ヴァスター

今回のラスボスであるアクラ・ヴァスターですが、これまでレイが激戦や死闘を遂げてきたボスたちとは違い、ティアンに対して悪意や悲劇をもたらしてはいないんですよね。

むしろティアンたちの希望を守るために起動し、戦闘行為を行っていたという部分だけをみればレイと同じともいえますから。

そんなアクラ・ヴァスターはティアンを守るために“化身”を倒すという行動が結果的にティアンたちにも甚大な被害を巻き起こしそうにはなっていました。

ですが、レイたちに敗れて散る間際にアクラ・ヴァスターがみせた挙動は、胸があたたかくなりましたよ。

対“化身”決戦兵器のアクラ・ヴァスターからすれば、散るギリギリまで“化身”や“化身”の眷属といえるマスター殲滅を目標にしてカルチェランタンやどこかマスターの多い都市に落下することを選ぶのが使命的には正しいでしょう。

自身の存在意義である“化身”殲滅の使命を最優先とせず、ティアン達を守るために被害の少ない位置に落ちたのは、アクラ・ヴァスターの記録の中にあった技術者やその子供との交流の映像から、心を持たない機会であるはずのアクラ・ヴァスターにも心があったようにも感じられました。

そんな感傷や優しさを持った様にも見えるアクラ・ヴァスターの散り際の行動に、レイも敬意と哀愁を感じたんじゃないかと思います。

アクラ・ヴァスターの起こした騒動については、アクラ・ヴァスター自身が悪いのではなくアクラ・ヴァスターを作る理由となった“化身”たちが悪いよー

前々期文明を崩壊させ、多数のティアンを殺した“化身”が運営であることをレイが知った時に、レイは運営の事をどう思うのかな。

レイのスタンスとしたら運営側を許さないんじゃないかと思いますが、事実を知った時にレイがどう動くのか楽しみです。

魔将軍ローガン

皇国が誇る<超級>の一人であるのに今回のボスであるアクラ・ヴァスターの前座に成り下がってしまった魔将軍ローガン・ゴッドハルトさんです。

魔将軍ローガンの<エンブリオ>技巧改竄 ルンペルシュティルツヒェンはジョブスキルの数値を10ヶ所10倍に出来るという使い勝手のいい破格の巣くるを持っているのに、魔将軍ローガンの頭を使わない力押しのプレースタイルもあって、レイに撃破されちゃうんだものなあ。

中身が己の才能を過信していた小学生だったとしても、アカンしでかしですわ。

本来であれば数でごり押しできるローガンのスタイルはレイにとって鬼門だったはずなのになあ。

ガルドランダという神話級の存在が召喚されたというイレギュラーが敗因ともいえますが、本来であれば召喚前にレイを倒せたはずなんだけどな。

なんというかインフィニット・デンドログラムの世界って真っ当に強い存在があんまり活躍できないんじゃって疑惑があります。

エンブリオとのシナジーで10倍では収まらないほどパワーアップするか(フィガロ)、ステータス値が飛び抜けて高い上にプレースタイルも巧みとか(クマニーサン)とかのようになるか、エンブリオの特性で初見殺しができる(迅羽)とかじゃないと圧倒的な強者にはなれなそうです。

魔将軍ローガンの場合は油断せずに自身のスキルを十全に発揮するプレイング技術を磨かないといつまでたってもカマセ犬やコメディアンにしかならない気がしますね。

まあ、ティアンの犠牲者させでなければ魔将軍ローガンの存在は笑えるので今のままでもいいかなって気がします。

魔将軍ローガンが面白い存在のまま実力をつけることを楽しみにしています。

そうなってなお倒されてこそ真のギャグキャラと言えますからね。

でも、レイに敗北後、デスペナ開け早々にフランクリンにも倒されちゃったし、過剰気味だった彼のプライドが折れてしまわないかはちょっと心配です

フランクリンの新兵器、神話級の悪魔を一掃できる攻撃力とか凄いんですが、その強さを向ける先がレイだっていうのが余計凄い。

どんだけレイに敗北したことに拘っているんだとその執念と小心さが本当にフランクリンの異常性を表しているよな。

こんな異常者に狙われているレイが可愛そうになりますが、レイ本人はフランクリンの矛先がティアンではなく自分に向いている事で良しと考える気もします。

でも、レイとフランクリンが次に戦うとき、レイが勝てる未来が思い浮かばないな。

ギフテッド・バルバロス

自分の故郷であるカルチェランタンへの被害を抑える為、潜入工作していたギフテッド・バルバロスさんです。

今回のエピソードでお役御免の退場と化ならなくてよかったなと思えるくらい、私はこのキャラクターが好きです。

アクラ・ヴァスターとの最終決戦時、特典武具の力を使ってレイの援軍に現れるところ本当に良かったです。

援軍として登場してくれた時のイメージは、ラピュタのロボット兵の群れがレイの盾に成ったりアクラ・ヴァスターへ突っ込んでいいくイメージでした。

きっと共闘してくれるだろうとは思ってはいましたが、王道展開を期待道理に盛り上げてくれて読んでいて熱く感じました。

カルチェランタン伯爵夫人との邂逅もとても良かったですな。

既にある皇国での立場を考えて自身の正体を伯爵夫人に伝えられないギフテッド、伝えられてはいないがギフテッドの正体がエミリオであることを察する伯爵夫人。

共に過ごした時は短くても決してなくならない親子の愛情を感じましたね。

皇国と王国が敵対している間はギフテッドも伯爵夫人のもとに正式に戻ることはできないでしょう。

この二人の親子のためにも公国と王国の戦争が早く終結することを願いますわ。

シリーズ感想の索引

-インフィニット・デンドログラム- 1巻 感想
-インフィニット・デンドログラム- 2巻 感想
-インフィニット・デンドログラム- 3巻 感想
-インフィニット・デンドログラム- 4巻 感想
-インフィニット・デンドログラム- 5巻 感想
-インフィニット・デンドログラム- 6巻 感想
-インフィニット・デンドログラム- 7巻 感想
-インフィニット・デンドログラム- 8巻 感想
-インフィニット・デンドログラム- 9巻 感想
-インフィニット・デンドログラム- 10巻 感想
-インフィニット・デンドログラム- 11巻 感想
-インフィニット・デンドログラム- 12巻 感想

お勧めの作品

今回のお勧めは『ファインモールド 天空の城ラピュタ ロボット兵 戦闘Ver. FG4 1/20スケールプラモデル』です。

アクラ・ヴァスターとの決戦時、レイの周りをロボット兵が飛んでいるイメージで読んでました。

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