『
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
あらすじ
カルチェラタンでの騒動もひと段落し、王国とマスターの関係は改善の方向へと進んでいた。そして大学生活へと戻った玲二は、日々の勉学に励みつつ、デンドロをやっている友人や、サークルの月夜や梢と交流を深めていく。一方、カルディナでは新たに超級を師に迎え、レベルアップを図るユーゴーが、マフィアの絡んだ大きな抗争に巻き込まれていて――。さらに勢いを増す激熱VRMMOファンタジー。穏やかな日常回なんてなかった第10巻!
ネタバレなしの感想
今巻は短編集です。
前巻『
ですが、レイくんの出番が全くないかというとそういう訳ではありません。
各短編集を接続する役割としてレイくんは登場しますし、普段はめったに描写されない大学生活を送るレイくんの姿が垣間見られます。
同じ大学という事でビースリー先輩やキツネーサンも出てきますし、同級生たちもでてきますよ。
短編集の内容についてですが本編ではまだレイくんとの絡みが無い各国の超級たちの強さが描かれています。
本当にこのインフィニットデンドログラムは超級とそれ以外の戦闘力の差が激しいです。
AR・I・CAさんとか戦闘スタイルとエンブリオの能力のシナジー効果が強過ぎる。
クマニーサンがAR・I・CAに負けるとは思いませんが、クマニーサンが勝つ手順もちょっと思いつかないです。
盗賊王ゼタの能力や、監獄内で恐ろしく成長したガーベラとか、今のレイくんが対峙しても決して勝てないと思わされました。
ルークがガーベラを打破して監獄に送ってしまったのは、結果的に恐ろしい強敵を作ることになってしまいましたね。
ゼクスの指導の元、エンブリオとのシナジーを考慮されたジョブ構成となり、能力の弱点への対応もされたガーベラの強さは作中でも屈指のものじゃないでしょうか。
正面から真っ当に対戦しても強いですが、正直不意打ちや暗殺者としてガーベラに四六時中狙われて生き残るのは至難としか思えませんよ。
しかも精神面でも以前の様な慢心に慢心を重ねて正しい現実が見られないという弱点は、ルークへの敗北と監獄での経験で矯正されていますしね。
とんでもない強者になったガーベラさんを打破できるライバルキャラクターとかいるんだろうか?
家事能力も想像以上に高く、イラストで見た外見も作中キャラクターでもトップクラスと考えると、本当に弱点が偽胸くらいしかないな。
能力は強くても残念な性格のせいで真価を発揮できないマスターは、≪IF≫で鍛えなおしてもらえばいいんじゃないだろうか?
そういう意味では、ゼタにスカウトされたあの方もいずれは本当に強者としてレイくんの前に立ち塞がる時が来るのかもですね。
個人的にはあの人は暖かい目で見られるネタキャラとして輝いていてほしいのですが(笑)
それにしても≪IF≫(イリーガルフロンティア)は浪漫ありますし、見ていてとても楽しいクランですね。
活動内容からすると恐ろしく迷惑な集団であることは間違いないんですが、次はどんな騒動を巻き起こしてくれるのか?とか
どんな凄いマスターたちなのかという点で本当に魅力的です。
クランオーナーであるゼクスの底知れない能力をみると、こんな相手を監獄おくりにしたクマニーサンのほうも本当に桁違いの実力者なんだなと納得できますね。
今巻の短編で出てきたAR・I・CAたちや≪IF≫のメンバーがレイくんと出会うときも楽しみです。
そういった意味では今巻はいずれレイくんの前に立ちはだかるであろうボスキャラ達や騒動のネタの仕込みなんでしょうね。
副題にもある通り、次の嵐を巻き起こすであろう原因たちの顔見せは十分楽しめましたので、早くレイくんが巻き込まれる次の嵐が見たいな。
次巻『
でも、次巻の内容は三極竜グローリア戦という事でまたレイくんの活躍はお預けですね。
グローリア戦のエピソードは私も好きなエピソードですし、楽しみではありますがアニメ放映直前に主人公の活躍がオミットされていいのかしら?(笑)
アニメの放映が2019年秋ではなく冬なら問題ないのかな。
ネタバレありの感想
ここから下は『
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
IFについて
今巻で目立っていたのは≪IF≫の暗躍というか活動でした。
王国と皇国の戦争にも参加してきそうですし、天地で人身売買に絡んでくるなど物騒な活動内容が目立ちます。
この作品世界でティアンに迷惑をかける存在トップスリーに入る集団といえます。
※のこりの二つはワイズマン関連と管理AI達です。特に管理AIの行為はティアンにとって一番迷惑だろうなあ。
でも、そんな迷惑で物騒な存在である≪IF≫の魅力が堪らないほど高いんですよ。
各国で指名手配をされている超級の集団という、枠に決して収まらない個性派の面々が巻き起こす騒動ですから、興味深いですし面白いんですよね。
今巻で≪IF≫が結成されたことには何やら大きな目的があることが示唆されましたが、どんな目的なのか本当に興味深いです。
閣下が≪IF≫に勧誘された際に目的を説明され面白さを感じ、胸を高鳴らせていた訳ですから小学生にも理解できるほど単純でかつ面白い無い様なんでしょうね。
閣下が≪IF≫に加わったことで遂に閣下がネタキャラから強キャラの一角になってしまいそうで心配です。
普通にエンブリオを魔将軍のシナジーを考えたら強キャラじゃないことがおかしいですからね。
その能力をさらにサブジョブで補い、さらに性格面も強制されたら強くなるでしょうけど、もう閣下の魅力が無くなっちゃう気もして悩ましいな。
逆にガーベラさんは敗北を味わい、その後に監獄でゼクスに鍛えられたことで強さと魅力が増していますね。
自分に都合の悪い現実も見るようになりましたし、自身の能力に慢心することなくより上を目指して鍛えられていますからね。
監獄内ではガーベラさんの能力と相性の悪い超級を相手にしたために敗北していましたが、普通に考えて今のガーベラが戦って勝てない相手って防御力特化タイプしかいない気がします。
他者に認識されないというエンブリオの能力を活かした暗殺者とか強過ぎるでしょ。
しかも狩人系のサブジョブで能力を強化して、長距離からの狙撃や毒を扱うとか普通に防げる方法が思いつかないんですが。
1対1の状況、相手が戦闘と認識していない場面でガーベラさんに狙われたら敗北必須じゃないかな。
未来が予測できる、自身が不利となる未来を存在できなくすると思われるA・RI・CAのエンブリオでも、ガーベラさんの攻撃は防げない気がします。
認識していない未来すら予知できた理を吹き飛ばせるとしたら、逆にA・RI・CAさんが強過ぎです。
そんな能力でしたら完璧なオートガードの何物でもないですからね。
≪IF≫はとんでもない才能の持ち主であるガーベラさんの真価を発揮させてしまいましたね。
エンブリオとジョブのシナジーが活かされていないマスターの駆け込み寺として優秀すぎます。
ガーベラや閣下と言った新戦力、底知れない強さをもつゼクス、そしてまだ実力を見せていないサブオーナーたちと、≪IF≫の強さは別格ですね。
彼らがレイやクマニーサンの前に立ち塞がる時が本当に楽しみだなあ。
クマニーサン対ゼクスは確実でしょうが、そうするとレイと対峙するのは誰なのかな?
ガーベラさんはルークと因縁あるしリベンジマッチが濃厚だとすると、レイの相手は閣下(笑)なのかな?
それはそれで見てみたい気もしますが、閣下は前座のネタ枠で退場しそうだしな。
いったい誰が例の前に立ち塞がるのか、≪IF≫との対決の時が本当に楽しみです。
それにしてもガーベラさんのイラスト可愛すぎるわ。
こんな可愛いのに自分に都合のいい現実しか見てなかったって、どんな生き方をしてきていたんだ。
ガーベラさんに関してはインフィニットデンドログラムをプレーしたことで人間的にも成長できたし、本当に良かった。
A・RI・CAについて
ガーベラさんのことを語った時に触れましたが、未来視のエンブリオもちの超級キャラクターです。
数秒先の危機を察知できる能力とか、よく他作品でも出てくる未来予知系の能力者ですね。
だいたいそういった能力者は数秒先に絶対に回避できない攻撃をされて敗北するというのがお約束です。
ですが、A・RI・CAのエンブリオの強力な点はその回避できない攻撃を無効にしてしまうことが出来るという点にあるのでしょう。
張さんがA・RI・CAが未来を予測していると認識したうえで放った一撃を無効化するとかチートにもほどがありますよ。
先に奥の手を出した方が負けるというのがお約束でしょうが、勝ちを確信していた張さんの気持ちや如何に。
このエンブリオの能力と、A・RI・CAの戦闘スタイルから、ユーゴは破壊王にもA・RI・CAは負けないとにんしきしていますが、果たしてどうでしょうね?
未来を予測できるのはとても大きなアドバンテージではありますが、張さんが見破ることが出来た以上、クマニーサンがA・RI・CAの未来氏に気づかない訳ないでしょうし、対策はされそうです。
また相手の攻撃を無効にした『災姫は終焉に瞼を閉じる』がリスクや制限なく連発できるとも思えません。
一撃必殺の複数回は出来ない攻撃を無効化するのには有効でしょうが、STR特化しているクマニーサンの場合、一度や二度攻撃が無効化されてもまだ攻撃手段はありそうですしね。
私がクマニーサンびいきな部分が多分にありますが、それでもクマニーサンがA・RI・CAに勝てないとは思えないんだよなあ。
実際にA・RI・CAが負けないのか、クマニーサンが勝つのかを確かめたいので、作中でこの夢のカードが実現するときが来てほしいです。
さて、このユーゴの師匠でもあるA・RI・CAさんですが、凄いナンパキャラクターですね
ノリが軽い上に女性キャラクターということで反感は抱きませんよ。
でも、このインフィニットデンドログラムというゲーム(として流通している)世界は性行為オッケーなんですよね。
犯罪者たちの中にはティアンを相手に強姦殺人をしている者もいるようですし、倫理的にオッケーなんか。
閣下の部屋にゼタが侵入した時に未成年を保護する機能があるような描写もありながら、強姦を含めた性行為がオッケーとか倫理観が上が馬な運営ですな。
ティアンに対しては何をしてもオッケー(犯罪者にはなるけど)だとすると、本当に運営AI達はティアンに対しては酷い扱いをしているよね。
シリーズ感想の索引
お勧めの作品
A・RI・CAさんの能力を知って最初に思い出したのがナイトオブワンの人でした。
彼は「たとえ予知できていたとしても避けられないほどに速い攻撃」で死んだけど、A・RI・CAさんはカサンドラあるから全く問題ないぜ!
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