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ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
あらすじ
恋模様が咲き乱れる……!
決闘都市ギデオンにて、愛闘祭という街を挙げての大きなお祭りが開かれることになった。
アズライトからの依頼により、護衛をしつつ、参加することになったレイ。
愛をモチーフにしたその祭で、様々な人々の恋模様が咲き乱れる中、ある意味最高のタイミングで監獄から出所してきた【狂王】ハンニャがついにフィガロと邂逅する――!!
レイたちは無事祭りを成功させることはできるのか!? 大人気VRMMOバトルファンタジー、恋は戦いの第12巻! !
ネタバレなしの感想
アニメ人気放映中のインフィニット・デンドログラムの新刊です。
決闘都市ギデオンで行われる「愛闘祭」を舞台に、数々の愛と決闘が楽しめる内容となっています。
今回はWeb版インフィニット・デンドログラムの内容に加筆修正され、主人公であるレイくんの活躍する場面が増えています。
Web版と同じ展開だったとするとレイくんは傍観者・解説役でしかありませんからね。
前巻、今巻と主人公の活躍する姿が見られないとか、アニメ放映中なのにどういうこと?ってなるし、いい改変です。
ただ、レイくんの活躍を追加した代わりに「愛闘祭」を楽しむサブキャラたちの姿や、クマニーサンのデートシーンが減っちゃったので、そこはちょっと残念です。
今巻はサブタイトルに『アイのカタチ』とあるように、いくつかの恋愛要素をみることができます。
その中でもメインとなっているのは粗筋にもある通り、フィガロとハンニャの2人の『アイのカタチ』です。
フィガロとハンニャの考えの違い、気持ちのすれ違いがどのように決着するのかという点が物語を読む手を止まらせなかったですね。
『アイのカタチ』は色々あるけれども、フィガロがハンニャに気持ちを伝えるためには必要な出来事だったのでしょう。
2人の関係だけに限ってみればこの上なくハッピーエンドと言えるのですが、巻き込まれた2人の周囲の人たちは気苦労と命の危機と災難でしたね。
そんな周囲の人たちの苦労に気づきもしないフィガロとハンニャの姿には笑ってしまいました。
メインエピソードとなるフィガロとハンニャの話以外にも、今巻は見どころがいっぱいです。
決闘トーナメント2位の座をかけて戦う【抜刀神】カシミヤと【猫神】トム・キャット
「愛闘祭」で暗躍する人物を止めるため、格上の相手に挑むレイくん
どちらのエピソードもメインエピソードに勝るとも劣らない面白さでした。
カシミヤの持つ特典武具の伏線や、打倒トムのために編み出した技は興味を惹かれること間違いなしです。
ここで語られたってことは今後、この伏線が生かされる場面があるという事でしょうし、その時が楽しみです。
レイくんの戦いは今回も譲れぬ想いがあるときの強さレイくんがをみせてくれ、読んでいて興奮しました。
格上相手に一歩も引かずに立ち向かう姿は、本当に正統派主人公していて大好きです。
「愛闘祭」も終わり、次の舞台は皇国との戦争となりそうです。
エピローグで描かれた皇国からの連絡にはどのような意図があるのか?
王国を狙う皇国の意思をこれまで見てきただけに、戦争もなく穏便に済むとは考えにくいです。
果たして王国対皇国の戦いがどのように進んでいくのか、次巻『インフィニット・デンドログラム 13巻 バトル・オブ・ヴォーパルバニー』で確かめようと思います。
発売日は2020年6月ですか、4か月後が楽しみです。
ネタバレありの感想
ここから下は『
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
フィガロとハンニャ
周囲は二人の接初期に危機感を抱いていましたが、結果を見れば二人は幸せな交際を始めましたというハッピーエンドです。
にぎやかなお祭りを舞台にしているわけですし、ハッピーエンド以外の結末は望ましくありませんし、これで良しです。
ハンニャは相手の想いを読み取るのが苦手なタイプですし、フィガロは自分の想いを伝えるのに臆病でしたし、ハッピーエンドになったのは奇跡とも言えますね。
管理AIやエフといった暗躍していた者たちが結果的にキュービッドとなったからこその結末です。
だからといって暗躍していたものが無罪放免となるのは読者的にヘイトが貯まりますし、レイ君がエフを倒したことは爽快感を覚えました。
今回はレイ君の前に敗れたエフですが、このまま大人しく退場するのか、それともフランクリンの様に粘着してくるのか怖いところです。
話をフィガロとハンニャの方に戻しますと、誤解から暴走したハンニャを止めようとフィガロがハンニャのもとに駆け付けるシーンは熱かったです!
フィガロとハンニャの戦闘シーンが熱かったというわけではなく、フィガロのハンニャに対する想いが熱く感じましたし、とても感動しましたよ。
ハンニャに再会するまでも、再会した直後も決闘することを熱望していたフィガロですが、
暴走したハンニャのもとに駆け付けた動機は、愛を伝えるためであり決して決闘するためではないところエモかったです。
ハンニャとフィガロのアイのカタチは決闘という殺し合いではなく、互いを大切に想う愛情でした。
フィガロとハンニャって王国には珍しいくらいのまっとうな恋愛関係ですよね。
主人公のレイくんは周りにいる女性陣はネメシスだったりアルティミアだったり、女化生先輩だったりで色物が多いから恋愛面が薄いしなあ。
クマニーサンの方も、今巻ではデートしていましたが相手はハリネズミだしなあ。
メイン二人は女運が良くなさそうだし、恋愛的な展開はなさそうな気がしますね。
皇国の出方
ハンニャが王国側に加わり、超級の数では王国と皇国は互角になったといえます。
そのこともあり、今巻のエピローグで皇国の侵攻がとまるのではという予想もありましたが止まるとは思えないです。
皇国側の指し手である皇王は、座していながらクマニーサンの行動を抑えるくらいの策略がうてるわけですよ。
そんな皇王が超級の数が互角になったくらいで侵攻を止めるとは思えないんですよね。
これまでの皇国の策略はあと一歩というところでとん挫していますが、そのことで皇国が劣勢になったわけでもないのですよ。
なので、皇国側がとまる理由にはならないんじゃないかなと考えます。
講和の申し出事体が何らかの策略であり、王国侵攻の一手に他ならないでしょう。
王国側も皇国の講和を言葉通り受け取ってホイホイ引っかかる愚か者揃いではないはずですし、次巻では超級対超級の戦いが楽しめる気がします。
正直、クマニーサン対獣王の戦いは主人公レイくんの活躍よりも楽しみに想う自分がいますよ。
ヒーローショーで代役を務めたクマニーサンを見ていた時のベヘモットの様子を考えるに、なんらかの因縁がクマニーサンとベヘモットの間にあるのかなと。
その辺の因縁込みで、圧倒的強者同士の戦いを見てみたいし楽しみたいです。
カシミヤ対トムキャット
今巻のメインエピソードとは大きく絡むことはありませんでしたが、カシミヤ対トムの戦いも興味深かったです。
カシミヤの持つ赤鞘の大太刀が超級武具であることやトムを倒した技の内容が明らかにされていなかったことなどを考えると、カシミヤも今後のメインエピソードに絡んでくるのかなと推測できます。
トムを倒した技については、ちょっと私では考察することも難しいです。
闘技場入場時のカシミヤは、腰の左に青鞘の大太刀で右側に緑鞘の大太刀をさしていました。
ですが、トムを倒したときには鞘の色が黄色になっています。
レイくんやルークも触れていましたが、私もなんで鞘の色が変わったのかが気になるんですよね。
元々は黄色の鞘であったものが、青鞘と黄色鞘の色が重なって緑色の鞘にみえたんだろうか?
でも、青と黄色を足して緑色にするってことに意味があるとは思えないしなあ。
この時点の情報だけでカシミヤの技の詳細を予測できるのかしら。
気になり過ぎるので、次巻で皇国の超級相手とかでもう一回使ってもらえない者だろうか(笑)
ちなみにフィガロ対カシミヤの対決予想でフィガロ有利とされていましたが、どうなんでしょうね。
予想の中ではカシミヤが超級武具を持っていないと判断していましたしね。
でも、決闘ではなくなんでもありのガチンコ勝負なら、フィガロも必殺スキルを使うでしょうしフィガロ有利が正しいのかな。
どっちが上なのか、フィガロ対カシミヤの頂上決戦もみてみたいなあ。
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