『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 13』のネタバレありの感想になります。
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
あらすじ
突如としてリフェリア王国に宣戦布告してきたゲルメド帝国によって王は戦没し、王城は占領されてしまった。
そのうえ、レムが敵の魔導機兵に攫われかける。
内心では平和を望んでいたディアヴロだったが、魔術により敵兵を撃破するのだった。
救出には成功したものの戦局は劣勢だ。
覆すには、単独で乗りこんでの奇襲しかない。
「これより、王城グランディオスまで《転移》にて乗りこむ!」
来る決戦!
とうとうシルヴィの秘密が明らかに!?
魔王クルムがファルトラ市を旅立つ。
離反した王宮騎士団ノアの動向は……!?
やがて世界を震撼させる魔王(演技)が、絶対的な強さで突き進む異世界冒険譚、第十三幕!
ネタバレなしの感想
対ゲルメド帝国編の第二弾です。
レムを魂の器として利用し、転生を狙うゲメルド皇帝の魔の手を振り払うためにディアヴロが立ち向かう内容となっています。
帝国の圧倒的な戦力を前に劣勢のディアヴロ側は、劣勢を跳ね返すために王城へ奇襲をかけたのですが、ゲメルド皇帝の圧倒的な力により窮地に追い込まれます。
ディアヴロたちはゲメルド皇帝を打倒し、レム守ることが出来るのか!?というお話です。
約一年ぶりの新刊でしたが既刊と同様に楽しむことが出来ました。
ディアヴロのコミュ障が故の魔王ロールプレイが事態を面倒な方向に動かすところも変わらずですし、レムやシェラたちの可愛さも健在ですし、コミカルな作風ながらシリアス展開も楽しめるところも変わっていませんね。
そんな既刊での面白い面はそのまま残しつつも、ゲメルド皇帝とその帝国の圧倒的な力と脅威と対峙したことでディアヴロの精神面での変化と、ヒロインたちの覚悟と決意も感じられ今まで以上に楽しむことも出来ました。
魔王ロールプレイで頑ななディアヴロの姿はコメディパートとしては面白いのですが、シリアスパートでは逆に人の話を聞かな過ぎてピンチになるところが足を引っ張ることがありました。
ディアヴロさんは引きこもりのコミュ障なので変化を嫌うのは仕方ないのですが、それが故にシェラやレムを始めとしたヒロインを無自覚に窮地に追い込む点もあります。
そんな頑ななディアヴロさんの心を解きほぐしたのがシェラやレムの覚悟と決意であり、その言葉を直接ディアヴロに伝えたところにあるというのが本当に良かったです。
積み重ねてきた冒険や時間の中でディアヴロさんの中でもシェラやレムの存在は大きくなったんだなと感じることが出来ましたよ。
本当に大事なものは何なのかを自覚し変化したディアヴロさんなら、今まで以上の強さを見せてくれるんじゃないかと期待してしまいます。
ディアヴロさんが心情を変えてまで立ち向かう必要のある強大な敵、ゲメルド皇帝。
圧倒的なラスボスオーラを放って登場した最強の敵です。
ゲメルド皇帝の圧倒的な力をみると魔導機兵ですら帝国の尖兵にすぎないと改めて認識できますね。
今巻を読む前は帝国の尖兵である魔導機兵たちとの戦闘や、魔導機兵のパイロットである少女たちの掘り下げが描かれるのかなとおもっていましたが、ゲメルド皇帝がでてきたら前座である彼女たちが目立たなくなるのも仕方ないですね。
これまで圧倒的な力をみせてきたディアヴロすら一顧だにしない力をもち、魔王クルムですら警戒する圧倒的な敵を前にして、ディアヴロのもとに戦力が集結してくるところは盛り上がりましたよ。
ディアヴロや魔王クルム、そして表紙に描かれた彼女とその仲間たち。
ディアヴロに匹敵する力を持つ仲間たちと共にディアヴロは強大な敵ゲメルド皇帝を打ち倒すことが出来るのか!?とても楽しみです。
ディアヴロはいままでは圧倒的なレベルと装備、そして廃人ゲーマーが故の技術と思考を用いてソロプレイでやりきってきました。
ですが、ゲメルド皇帝にはソロプレイでは勝ち目が薄いため、パーティーを組んでレイドで挑みます。
果たしてコミュ障が故にパーティを組まずにきたディアヴロさんにパーティメンバーと協力しての攻略が可能なのか不安な様な楽しみな様な気になるところです。
次巻ではゲメルド皇帝を打破してゲメルド帝国編がおわるのかしら。
シルヴィの秘密が明らかになり、そして表紙の描かれた彼女のバックボーンも語られ本作品の設定が色々と明らかになりました。
設定の開示は作品がクライマックスに向かっているようにも感じられますが、果たしてどう展開していくのか続刊も楽しみに読んでいきたいと思います。
ネタバレありの感想
ここから下は『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 13』のネタバレありの感想になります。
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
王国宰相ノアについて
ゲメルド皇帝を打倒するという共通の目的のため、ディアヴロと手を組んだ王国宰相ノア。
ディアヴロと手を組むためにノア自らのバックボーンが語られ、ディアヴロと同様にゲームの世界へ転移した来訪者であることが明らかになりました。
ディアヴロが召喚されたのとは異なり、ノアはこの異世界に転生していますが元々は同じ世界の住人であったという点は異なりません。
またノアはクロスレヴェリサービス終了直前から転生したため、ディアヴロとのレベル差がかなりあります。
ディアヴロがレベル150なのに対して、ノアのレベルは300です。
レベル差を考えればディアヴロを圧倒できる力を持っているでしょうし、ゲメルド皇帝にも対抗できるようにも思えます。
ですが、ノアは自らが語っている様にクロスレヴェリは片手間のプレイで廃ゲーマーではありませんし、自らに匹敵する強敵と戦った経験もありません。
そういった点から考えると、ゲメルド皇帝との決戦を行うのはディアヴロになるのだろうなと思いますね。
ディアヴロが中心となりノアの指揮のもと魔王クルムと王国騎士団が協力してゲメルド皇帝を倒すことになるんじゃないかな。
対ゲメルド皇帝のため、ディアヴロとノアは手を組むこととなりましたがこの友誼は一時的なものになる気がします。
現状、共通の敵がいること2人のレベル差が大きいこと、ノアが語った目的がディアヴロにも受け入れられることから敵対はしないように思えます。
ですが、ノアが目指す理想国家を作る過程で王国の民は一度見捨てられています。
ノアの目指す理想の過程でディアヴロが大切に思う仲間や友人たちが切り捨てられないとは思えないのですよね。
2人の利害がぶつかる時がいずれ訪れるでしょうし、その時が作品としてのクライマックスになるように思います。
実際にノアとディアヴロが対峙するとき、その勝敗の結果を分けるのはディアヴロが持ちノアが持ち得ていない、廃ゲーマーとしての技術と命を懸ける覚悟の有無になるような気がしますね。
ノア自ら命を危険にさらす覚悟が無いと明示していますし、クロスレヴェリは片手間であったことも語っていましたし、これが伏線になるんじゃないでしょうか。
いずれは戦うことになるであろう2人ですが、今回の交渉シーンを見ているとディアヴロは戦闘では勝てても口論では全く勝ち目ないな(笑)
手を組むことを拒否したディアヴロを非難するノアの姿と、非難されて泣きそうになっていたディアヴロの姿は教師と出来の悪い生徒みたいに見えましたし、完全にノアにマウント取られていた気がします。
シリーズ感想の索引
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 1巻 感想
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 2巻 感想
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 3巻 感想
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 4巻 感想
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 5巻 感想
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 6巻 感想
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 7巻 感想
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 8巻 感想
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 9巻 感想
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 10巻 感想
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 11巻 感想
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 12巻 感想
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 13巻 感想