『賢者の孫 5巻 狂瀾怒濤の三国会談』のネタバレありの感想になります。
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
あらすじ
幾度となく魔人の侵攻を食い止めた功績を称えられ勲章を賜ることになったアルティメット・マジシャンズ。三国会談に出席するオーグの護衛でシン達も開催国であるスイード王国に向かう事に。だが、各国と同盟を結ぼうとするオーグの努力もむなしく、各国の思惑が錯綜し決裂してしまう。そんな中、イース神聖国のフラー大司教を洗脳しようとする凶悪な魔人の手が迫り――。『魔王』シンの破天荒で型破りな大人気異世界ファンタジーライフ、第五弾!!
ネタバレなしの感想
魔人の脅威に備える為、前巻で紹介された国々と協定を結ぶというのが今巻のタイトルにもなっているメイン要素なのでしょう。
ですが、特に厳しい交渉が行われるわけでもなく、協定を結ぶことを妨害する魔人の策謀もなく、どこが狂瀾怒濤だったのか分からない三国会談でした。
なので、話のメインとしてはいつも通り自重しないシンが作るいくつかの発明品を巡る騒動であったり、シンとシシリーのイチャイチャ話ですね。
今巻だけでも複数回のイチャイチャシーンが挿入されていて、胸やけを感じましたな。
シンとシシリーのイチャイチャ話が大好き!っていう読者ならこの展開は望むところなんでしょうね。
もう一方の発明品ネタは異世界の常識を打ち破る製品が続々と登場しており、もう便利すぎてシンが居なくなったらどうするんだ?って感じです。
体系的に技術を残すというわけでは無く、規格外のシンさんにしかできない製品としか思えないですわ。
でも、そんなシンさんがすげええってされる展開をこれまでも楽しんできた我々読者なら、今巻の規格外の発明品の数々とその発明品が起こす騒動ネタも十二分に楽しめるはずです!
私もシンさんのやらかしの一つ一つに突っ込みを入れるまでもないかなって境地に入っていますので、シンさんが飛行機や自動車をつくっても驚かないですぞ。
三国会談も終わり、人類対魔人という形になりましたが次巻『賢者の孫 6巻』以降どういった展開にするんでしょうね?
正直、魔人を倒すためにシンたちが動いたらあっさりと終わる予感しかしませんし。
今後、どのように魔人との決戦を避けて話を延ばしていくのか興味が尽きないです。
ネタバレありの感想
ここから下は『賢者の孫 5巻 狂瀾怒濤の三国会談』のネタバレありの感想になります。
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
シンが何でも出来すぎる
魔力があれば何でもできるを体現するようなガバガバな魔法体系な賢者の孫の世界です。
今巻で活躍した異物を取り除くアクセサリーなどそのガバガバ具合が顕著な例でしたね
異物を取り除くため女性が身に着けていれば避妊にも活用できる!とか平然と話していましたが、どんな理屈で異物と認識し身体から排除ないし取り込まない様にするのかしらね?
本来であれば危機感のないシンやアルティメット・マジシャンズを毒殺などの危険から守るために生まれたアクセサリのはずが、避妊具にしか思えなくなりましたよ。
まあ異物を除外するという範囲の広い効果を与えるアクセサリを簡単に作れる、魔石という魔力の源であるエネルギー源を簡単に人工するということを苦も無く実現できるシンさんにとって不可能なことは何もなさそうですわ。
こんだけなんでもできるシンさんが居れば今後窮地に陥る事態なんてなさそうですし、戦闘も実力差がありすぎてあっさりおわりそうにおもえますが、どこで盛り上がりを作るのでしょうかね?
周辺国との外交問題も大して問題なく終わっちゃいましたし、敵であるはずの魔人たちもやる気ないし、今後の展開が想像つかないな。
周辺国と魔人たち
無能しかおらんのかこの世界には?と思えるくらい周辺国の大物たちが無能なのと、魔人の策謀が抜けすぎていて困る。
前巻でシンの弱点というか逆鱗がシシリーにあるということを掴んだ気になっている魔人たちの作戦は、人間にシシリーを害させてそのことで切れたシンが暴走して世界の敵にするということでした。
作戦だけ見ればそう悪くないんじゃって思いもありますが、その作戦の実現方法に問題ありすぎでしょ。
無能な人間を煽ってシンの敵にするのは悪くないけど、その煽った人間が無能すぎてシシリーすら害せないとかあかんでしょ。
シンとアルティメットマジシャンズの桁違いの実力を把握してるんだから、ちっこい人間を煽って暴走させても害せないことは明らかでしょ。
シシリーを害するところには通常魔人が手を貸す必要があっただろうにね。
実力がある人間が表に出ず裏で暗躍するという展開は本来的の恐ろしさを掻き立てるものがあるはずなのに、天井裏からちっこい人間の欲望を煽るだけとか、魔人さん完全にギャグキャラやん。
そして、魔人に煽られるだけの世俗にまみれた宗教家さんでしたが、本当にただ欲にまみれた無能すぎて倒されるためだけに出てきた舞台装置にしか見えませんわ。
あんな無能を国の代表として会談に派遣する指導者とかも本当に無能すぎる。
無能を送ることで会談を壊したいとかも特になかったようだし、欲だけ深い無能が幅を利かせるだけの無能な国なのだなという印象しかわかないわ。
商業国家の方も利害関係を全く考えず自分の要求だけを告げてオーグに戒められるとかなんなんだろうね?
要求を通すためのブラフかとおもったけど全くそんなことないし。
主人公陣営を有能に見せるために主人公陣営以外を無能にしすぎでしょ。
そこそこ有能と描写された敵を圧倒するする主人公さんたちTueeeならまだ楽しめます。
でも、無能すぎる人たちを主人公さんたちがやり込めるのを見ても面白くないし、主人公さんたちTueeeとは思えないでしょ。
主人公たちが称賛されたり、無双するところを楽しむ作品というのは理解していますが、それでも描き方というモノがあるんじゃないかなと思ってしまいハマれないのが本作品の難点です。
シリーズ感想の索引
賢者の孫 1巻 常識破りの新入生 感想
賢者の孫 2巻 破天荒な新英雄 感想
賢者の孫 3巻 史上最強の魔法師集団 感想
賢者の孫 4巻 天下無双の魔王降臨 感想
賢者の孫 5巻 狂瀾怒濤の三国会談 感想
賢者の孫 6巻 英姿颯爽の神使降誕 感想
賢者の孫 7巻 豪勇無双の英雄再臨 感想
賢者の孫 8巻 豪勇無双の英雄再臨 感想
賢者の孫 9巻 驚天動地の魔人襲来 感想
お勧めの作品
今回のお勧めは『賢者の孫 (10) (角川コミックス・エース)』です。
漫画版賢者の孫も遂に大台の10巻ですね。人気がある証です。
アニメ放映直前の発売なので、放映中にもう一冊くらい発売されそうですね。
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