賢者の孫 7巻 豪勇無双の英雄再臨 感想 ネタバレ あらすじ

賢者の孫 7巻 豪勇無双の英雄再臨』のネタバレありの感想になります。

ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。

ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。

あらすじ

創神教教皇エカテリーナから新しい二つ名を拝命したシンとシシリー。彼らが嬉しくも恥ずかしい二つ名に身悶えている中、ついに動き出した「魔人領攻略作戦」。魔人領の中枢である旧帝国に辿り着いたシン達連合軍だったが、翌日の総攻撃に備えるための小休憩の最中、功を焦った一部の軍人が、魔人の軍団に攻撃を開始してしまった!!戦闘音に気づいたシン達は、すぐさま現地に向かうのだが…。大人気世界ファンタジーライフ、第七弾!!

ネタバレなしの感想

今巻は前巻『賢者の孫 6巻』や前々巻『賢者の孫 5巻』に比べ、話が動きましたので楽しめました。

賢者の孫は主人公シンが称賛される姿を楽しむ作品ですが、雑魚魔物倒しているだけだと称賛されても白けちゃいますからね。。。

前半はいつもの通りの危機感ナシのコメディパートという感じでシンとシシリーのイチャイチャ話とアルティメットマジシャンズの面々の活躍が楽しめます。

前巻でマリアに二つ名がついたと思ったら、今巻でアルティメットマジシャンズの全員に二つ名がつきましたね。

二つ名のオンパレードで軽いノリだなって思ってしまいましたが、この軽さ緩さこそ本作品のウリでありストレスフリーの源ですからこれでいいのです。

雷神とか魔法剣士とかはまだ大丈夫な気もしますが、殲滅魔法少女は中々にキツイかったです。

殲滅魔法少女と呼ばれていましたとか、数年後には呼ばれた方が恥じらいで悶絶しそうなネーミングで素敵です。

この二つ名のエピソードと言い、従軍中にシシリーと同衾しないシンが男の中の男と尊敬されたり、この世界の軍隊の緩さに頬が緩みますわ。

人類の敵と戦うとは思えませんし、ちょっとした遠足気分なところ、本当に緊張感のないところこそ本作品の魅力ですよ!

そんな緩い雰囲気で進んでいたのに、終盤急にシリアス展開にしようとしてたので、逆にその展開が浮いちゃっていました。

圧倒的な実力はあるけれども経験不足で失敗する、敵を甘く見て痛い目を見る主人公たち。

主人公たちの失敗を人生の先達である大人が救うという展開は熱く燃える展開のはずなんですけど、いままでが緩すぎたのとシンたちの失敗がグダグダ過ぎたのもあって入り込めませんでした。

緩いというか真剣みのないアルティメットマジシャンズたちが急にシリアスになろうとすると、今まではふざけてたの?と逆に苛立ちますからね。

読んでいて色んなことが学習できる『賢者の孫』という作品の素晴らしさが分かりますよ

魔人領への遠征を行ったシンやアルティメットマジシャンズを始めとした人類軍ですが、根本的な問題を解決せずにスルーしてしまったところはどういった判断なんでしょうね?

シンたちはシュトロームとの決戦を避けるし、シュトロームは無気力なのか無目的なのか自らは全く動かないですし、決戦が先延ばしされるのは変わらずですね。

こうなってくると逆にどうやってこの両者を戦わせることになるのか楽しみですよ。

ありきたりな理由で決戦に向かわせるとなると、じゃあなんであの時に戦わなかったんだという突っ込みが浮かんできちゃいますし。

次巻『賢者の孫 8巻 遊嬉宴楽の英雄生誕祭』はあらすじ見る限り、息抜き回やコメディ回に見えますし決戦はさらに先送りっぽいな。

ネタバレありの感想

ここから下は『賢者の孫 7巻 豪勇無双の英雄再臨』のネタバレありの感想になります。

未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。

シリアス展開について

シンやアルティメットマジシャンズの面々が緩いのも危機感もないのもいつも通りのことです。

従軍中もシンとシシリーのイチャイチャは変わりませんし、魔人の脅威より自分たちの二つ名に一喜一憂しているのもアルティメットマジシャンズの普段通りの過ごし方なので今更突っ込みも入れません。

ですが、そんな彼らが油断から魔人を数名逃し、王国軍や王国に危機が訪れたときに急にシリアスになるのは違うだろうと思ってしまいました。

急にシリアス展開を描かれても、シンたちに危機感や焦燥感を覚えさせても、今さら何を後悔しているんだと考えてしまいますよ。

シリアス展開にするならせめて従軍中は真面目に侵攻作戦を考えたり、万が一の事態を危惧する描写を入れておくべきだったんじゃないでしょうか。

そういった不測の事態を検討する描写もなく、魔人を取り逃がしてしまったどうすればいいんだって備えもなく場当たり的な行動のとる。

本来はシンたちの失敗をフォローするマーリンとメリダ凄いってなるはずが、シンたちの抜けっぷりというか無能さが前面に出てしまっています。

自分たちの力に過信した子供の失敗なら仕方ないんですよ。

急に強力な力を持った子供が己を過信しない訳もないし、失敗できるのが子供の特権でもありますから。

でも、一応シンは転生前の記憶がある大人なはずなので油断しすぎの間抜けにしか見えませんよ。

せめて、シンかオーグくらいは失敗の中でも冷静さをみせるとか、危惧していたとかあればまだ挽回出来たんだろうけど、完全に右往左往している無能でしたからな。

主人公あげがメイン要素の作品なんですから、主人公さげの展開はダメなんじゃないでしょうか。

そしてここでの失敗を糧にシンたちは成長することができるのだろうか?

私はシンたちが精神的に成長するとは思えないので、何のための展開なんだろうなと疑問符です。

シュトロームとの決戦先延ばし問題

今回は雑魚魔人との戦いは有りましたがシュトロームとの決戦はありませんでした。

魔人領に侵攻したのに雑魚魔人からシュトロームが無気力で活動していないと聞いて、首魁であるシュトロームと戦わないという方針を選んだところに作品の都合を感じました。

魔人を人類の脅威と考えての侵攻だったのになんで雑魚魔人の言葉に納得して、真偽や真意を確認もせずに遠征を終わりにできるのかが理解できないです。

人類軍側は今回の遠征の勝利条件をどこにおいていたんでしょうね?

雑魚魔人を脅威とするシリアス展開を描いたのに、雑魚魔人を産み出せるそれ以上の脅威を放置ってどんな判断をしたのでしょうか?

シュトロームについて調査を進めるとかあればまだ納得できるんだけど、それなら遠征という大事を起こす前にやるべきことですし。

賢者の孫という緩くてガバガバ設定の世界で、シリアスな展開を描いてしまったことによる弊害が出ているなって気がします。

これまで通りの緩いコメディ展開のままなら、シュトロームと決戦しないで放置というのも作品や世界の緩さからして仕方ないよねって思えたんですが。

今後、作品の完結に向けてシリアスな展開にしていくと、緩いガバガバ世界設定とシリアスな展開の無理がぶつかって酷いことになりそうで心配です。

シリーズ感想の索引

賢者の孫 1巻 常識破りの新入生 感想
賢者の孫 2巻 破天荒な新英雄 感想
賢者の孫 3巻 史上最強の魔法師集団 感想
賢者の孫 4巻 天下無双の魔王降臨 感想
賢者の孫 5巻 狂瀾怒濤の三国会談 感想
賢者の孫 6巻 英姿颯爽の神使降誕 感想
賢者の孫 7巻 豪勇無双の英雄再臨 感想
賢者の孫 8巻 豪勇無双の英雄再臨 感想
賢者の孫 9巻 驚天動地の魔人襲来 感想

お勧めの作品

今回のお勧めは『賢者の孫 (10) (角川コミックス・エース)』です。

漫画版賢者の孫も遂に大台の10巻ですね。人気がある証です。

アニメ放映直前の発売なので、放映中にもう一冊くらい発売されそうですね。

賢者の孫 (10) (角川コミックス・エース)
緒方俊輔
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