『賢者の孫 8巻 遊嬉宴楽の英雄生誕祭』のネタバレありの感想になります。
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
あらすじ
新英雄シン、シシリー、マリアの生誕祭開催!!
賢者マーリンと導師メリダの力を借りて魔人の侵攻を食い止めたシン達は、次の戦いに備えるため憩いのひとときを過ごしていた。そんな中おとずれた、シン、シシリー、マリアの誕生月が同じであることを知ったオーグの提案により、シンの家でパーティを開催することに。しかしなんとそこにはエカテリーナ教皇とアーロン大統領が!! 彼らはシン達の誕生日を祝うために出席したと言うのだが――。大人気異世界ファンタジーライフ、第八弾登場!!
ネタバレなしの感想
今巻も楽しく読むことが出来ました。
楽しく読めた理由はシンたちの誕生日エピソードということもあり全体的に緩い雰囲気のあるコメディ回だったからだと思います。
誕生日プレゼントを買いに行くアルティメット・マジシャンズの一行の姿や、通信事業を始めようとしたり新たな発明品をつくったりするシンの姿や、大国の大物勢揃いの誕生パーティと変にシリアスな展開を入れず、読者が望んでいるであろう緩い笑いやシンとシシリーのイチャイチャが全開だったのが良かったのではないでしょうか。
上記の個々のエピソードについては多々突っ込みたいところはあるのですが、緩くてガバガバの作品世界だしまあいいかと読者側に思わせる作品なのでここまで読んできた人なら楽しめる内容になっています。
特に誕生日プレゼントを購入に行く各メンバーの行動は、それぞれのキャラクターの特徴が出ていて楽しかったです。
女性陣の買い物の付き合いに疲れてしまい肯定する機械になってしまったオーグや、エロ可愛いというか完全に痴女となってしまっているユーリーの着ぐるみパーカー姿は挿絵との効果で破壊力が凄かったですよ。
シンもシシリーやマリアの事を考えて女性にピッタリの素敵な発明品を用意したりと、好意を抱いている人に対しての気遣いをきちんとできている点は好感度あがりますね。
それにしても偉大な賢者の孫であり新たな英雄の誕生日パーティーとはいえ、大国の元首が揃い踏みするとか常識のあるパーティー参加者は驚いただろうし気疲れしただろうなあ。
権力はないとはいえ影響力が世界最強の賢者一家だし、シンたちのパーティーに参加できた人は選ばれし人々ですな。
きっと、市井の人々に伝わり賞賛されるネタになるのだろうなあ(笑)
コメディパートが面白い今巻ですが、全部がコメディパートだけの緩い番外編かといえばそうではありません。
マーリンやメリダが倒した最初の魔人の話であったり、エカテリーナさんの恋人の話やマーリンとメリダの息子の話であったりと、作品のクライマックスに向けての情報開示や伏線回という意味合いがありました。
前巻のシリアス展開はガバガバすぎて楽しめませんでしたが、今回のシリアス展開はちゃんと理由があり、無理のない範囲での情報開示だったので読んでいて違和感がありませんでしたね。
マーリンとメリダの大人らしい分別をわきまえた発言がでてきて安心しましたよ。
世界の敵ともいえる魔人の首魁オリバー=シュトロームの危険性に言及してくれて、対策方針を固める必要があることも注意してくれる存在が居たことが本当に良かった。
最終的に戦うにしろ和解するにしろ、シュトロームの危険性を検討したり彼自身を調査をしたりしないのは本当に無能すぎますからね。
次巻ではシュトロームをどう扱うのか方針が決まりそうですし、そうなればクライマックスまで一直線で突き進んでくれるはず。
きっと次巻『賢者の孫 9巻』でもコメディとシリアスのバランスを上手くとってくれて面白い物語になると信じて、続刊も読んでいこうと思います。
ネタバレありの感想
ここから下は『賢者の孫 8巻 遊嬉宴楽の英雄生誕祭』のネタバレありの感想になります。
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
今巻で突っ込みたかったところ
この部分、本当に個人的な愚痴です。
本編の内容についての考察とか感想というより、本当に私が引っかかった内容についてのお話なので、賢者の孫ファンの方は読み飛ばしていただくかブラウザバックしてください。
今巻は楽しめましたので突込みは無粋かなとは思いましたが、我慢できなかったところを1つだけあったので吐き出させてもらいます。
友人たちからシシリーへの誕生日プレゼントがベビー用品ばかりだったのですが、流石にデリカシーなさすぎるなと。
友人たちはシンとシシリーがラブラブでところ構わずイチャイチャしている姿を見ています。
だから、きっとすぐに子供が出来るはずという善意と僅かな皮肉を込めてのプレゼントの選んだのでしょう。
ですが、コメディパートのネタとはいえこのプレゼントは受け取る側に対する気遣いが足りていないことは間違いないですよ。
子供は天からの授かりものであり望んでも授からぬ可能性がありますし、授かっても流れてしまう可能性もあるデリケートな話です。
それなのに子供を授かったと聞く前にベビー用品を贈るとかコメディパートのネタとはいえセンスなさすぎて笑えないです。
賢者の孫という緩い世界観ですから私が真面目に捉えすぎとは理解できていますがね。
私も不謹慎厨になって作品を叩くつもりはありませんが、読んだ時に笑うより先に不快感覚えました。
なんというかネタとして笑いにもっていくには話の運び方が上手くなかったかなというか、どうでもいいネタなのに突っ込みどころが多いというか、、、
不快になった根本にはネタとして面白くなかったというのがあるのかもしれないです。
本編に全く関わらない些末な部分なのに本当に引っかかっちゃったんですよね。愚痴ばかりですみませんでした。
シリーズ感想の索引
賢者の孫 1巻 常識破りの新入生 感想
賢者の孫 2巻 破天荒な新英雄 感想
賢者の孫 3巻 史上最強の魔法師集団 感想
賢者の孫 4巻 天下無双の魔王降臨 感想
賢者の孫 5巻 狂瀾怒濤の三国会談 感想
賢者の孫 6巻 英姿颯爽の神使降誕 感想
賢者の孫 7巻 豪勇無双の英雄再臨 感想
賢者の孫 8巻 豪勇無双の英雄再臨 感想
賢者の孫 9巻 驚天動地の魔人襲来 感想
お勧めの作品
今回のお勧めは『賢者の孫 (10) (角川コミックス・エース)』です。
漫画版賢者の孫も遂に大台の10巻ですね。人気がある証です。
アニメ放映直前の発売なので、放映中にもう一冊くらい発売されそうですね。
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