君のみそ汁の為なら、僕は億だって稼げるかもしれない 感想 ネタバレ あらすじ

君のみそ汁が飲みたい!

貧乏学生の翔が通う金成学園では株式制度が導入され、生徒達が自分で部費などを稼いでいる。“ホープ”はそんな学園の中で流通する通貨であり、金額に相当する願いを叶える不思議な力がある。
ある日、ひょんな事から大好きな夢路さんに【16歳の誕生日を迎えたら結婚する】という願いが1億ホープでかけられている事を知り――。
タイムリミットである夢路さんの誕生日までおよそ半年。ホープでかけられた願いは同額のホープで打ち消す事が出来る。
翔のなけなしの学費100万ホープを元手に1億ホープ稼ぐ戦いが、今始まる!

君のみそ汁の為なら、僕は億だって稼げるかもしれない』のネタバレありの感想になります。

ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。

ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。

お金稼ぎを主題とした物語を読みたいと思っていたところ、本作の粗筋に惹かれて購入しました。

生きていくうえで必要な要素なのですが、意外とお金稼ぎを主題とした物語って少なく感じます。

ですので、ライトノベルで経済、経営的な話があるとついつい買ってしまいます。

他にも経済、経営を主題としたライトノベルがあればお教えいただけるとありがたいです。

ネタバレなしの感想

主人公『大倉 翔』が好きな娘『春日井夢路』に掛けられた理不尽な願いを知り、その願いを打ち砕くために奮闘する物語

理不尽な願いは作品世界で奇跡や願いを金額相応で叶えてくれるホープという通貨で掛けられたものであった。

その額1億ホープの大金を掛けた願いを打ち砕くため、『大倉 翔』とその友人、そして『春日井夢路』が大金を稼ぐビジネスライトノベルです。

最近、ビジネス的な物語を読みたい欲求が高まっていたところに本書が発売されたのを知り購入しました。

内容としては起業、事業展開、企業買収といったところが物語として解説されています。

これまで経済用語になじみの無かった読者や、経済に興味を持った読者の入門的なお話としてはちょうど良い内容かなと思います。

『大倉 翔』が大好きな『春日井夢路』のためにどんどんと事業拡大していく姿には爽快感を覚えます。

一方、主人公たちの事業展開が順調に行き過ぎるところには引っかかるところが少々ありました。

事業展開の最初に行った自販機や掃除事業は、独創性がないですし主人公たち独自の付加価値もないのであんなに上手くいくかはチョイ疑問ですね。

まあ、ビジネス面はあくまで入門的な解説と捉えて、主人公たちの事業展開の爽快感と、人間関係を楽しむものだと思います。

クライマックスの展開も独自性こそ無いですが王道として盛り上がっていますし、主人公とヒロインの関係の進展せいも含めて楽しめました!

また、後書きを読んでしまうと作者の「えいちだ先生」に好感を抱いてしまうこと請け合いです。

この作品も楽しめましたし、「えいちだ先生」を好きになったので次も新刊が出たら購入しようと思います。

ネタバレありの感想

ここから下は『君のみそ汁の為なら、僕は億だって稼げるかもしれない』のネタバレありの感想になります。

未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。

本作のビジネス要素について

全体的に突っ込みどころは満載でしたが、1巻完結の物語としては瑣末な部分にこだわってもしかたないし、さくさくと成功するのも爽快感があってこれはこれでいいのかもですね。

事業のはじめに着手した格安飲料の販売もちょっとガバガバでした。

自販機設置の土地占有権や電気代などもそうですが、先行同業者がいないというのがちょっと疑問ですね。

読んでいるときはスピード感があり気になるかなって感じでしたが、読み終わってみるとガバッとしたところが気になっちゃいますね(笑)

まあ、気になるところは少々ありますがビジネス用語の基礎知識を物語を通じて学べたと思えばいいのかしら。

次回作もこの路線で行くのなら、もうちょい主人公たちならではの付加価値をつけた商品商売路線で言ってほしいなって思います。

みそ汁という唯一無二の商品で商売を挑んでいくところは好きでしたので。

大倉 翔と花上兼光

主人公とライバルの二人であり、『春日井夢路』をめぐる恋敵

二人の違いは何かといえば、相手を思いやる気持ちの有るなしでしょう。

『春日井夢路』に好意を抱いている同じですが、彼女とともにいて幸せな自分をめざしていたか、彼女が幸せでいることを目指していたかが大きな違いでしょう。

そもそも手に入れるために好きな女の子の不幸を作るという人として明らかに間違っているし、傲慢な想いを一方的に押し付けていた『花上兼光』に端から価値筋は無かったと思います。

クライマックスで『花上兼光』にぶつけてたとおり、「人の気持ちを大切」にすることが何より大事だということがテーマなのかなって思いました。

お金は確かに大事ですが、そんなお金でも人の気持ちは勝手にできないということですね。

そんな好きな相手の幸せを願える『大倉 翔』だったからこそ、『春日井夢路』に想いが通じたんでしょうね。

ホープについて

この物語世界での魔法や奇跡、願いをかなえる素であり、ファンタジーではMPや精神力という単位で表されているもの。

作品世界の学園で流通する通貨であり、金額に相応する願いを叶えることができる魔法の通貨です。

こいつの存在を深く考えると現実の経済世界に多大な影響を与えること請け合いですね。

金銭に応じて願えば叶う力があり、その力は人の想いなど無視して実現できる力があるのですからとんでもない資本主義社会が生まれそう設定です。

物語の基幹設定といえる「ホープ」ですが、この設定を深く掘り下げると話のメインが『大倉 翔』と『春日井夢路』の恋路から「ホープ」自体に変わってしまいそうですね。

ですから、この「ホープ」という設定が結構なガバガバ設定なのも仕方ないかなって気がします。

シリーズ感想

君のみそ汁の為なら、僕は億だって稼げるかもしれない 感想

お勧めの作品

今回のお勧めは『異世界コンサル株式会社』です。

なろうで書籍化前のタイトルは『冒険者パーティーの経営を支援します!!』でしたが、書籍化の際に『異世界コンサル株式会社』に改題したみたいですね。

『異世界コンサル株式会社』は、起業に向けての取り組み、起業してからの問題対応など、『君のみそ汁の為なら、僕は億だって稼げるかもしれない』より地に足がついていますし、現実的な面が描かれています。

普通のライトノベルよりビジネス書方面によっているかと思いますが、物語としてのクオリティも保たれています。

ビジネス要素について起業の面で興味を持った方には『異世界コンサル株式会社』がお勧めできます。

反面、M&Aといった株式要素は『異世界コンサル株式会社』世界的にまだ一般ではないため物足りなさを感じるかもしれません。

丁寧に徐々に主人公の起業が成功していく面でお勧めの一作です。

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