村づくりゲームのNPCが生身の人間としか思えない 1巻 感想 ネタバレ あらすじ

村づくりゲームのNPCが生身の人間としか思えない』のネタバレありの感想になります。

ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。

ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。

今年に入ってから感想書くペースが全く遅くてほんとダメです。

さすがにサイト放置が過ぎると反省しましたので、今月からもうちょい感想を書いていきます。

ということで、最近読んで面白かったコチラの作品の感想をリハビリを兼ねてアップいたしました。

あらすじ

30代無職独身、実家暮らしの引きこもり。
そんな良夫のもとに突然送られてきたテストプレイ用のPCゲーム。
『最新型のAI』が内蔵されたキャラクターとのタダの平凡な村づくりゲームかに思えたが!?
現実とファンタジーがリアルタイムで交差していく。

どんなに情けなくても、誰でも「命運(じぶん)」を変えることはできる!

ネタバレなしの感想

就職活動に失敗し、大学卒業から10年も引きこもり暮らしをしている主人公の良夫。

そんな引きこもり生活を続け、気持ちも腐っていた良夫の元に「運命の村」というゲームが送られてきたことで良夫に大きな転機が生まれます。

「運命の村」というゲームでは、プレイヤーは運命の神となり「運命の村」の村人であるNPCたちを見守りつつ導いてことになります。

ゲームというにはあまりにもリアルな姿と反応を返すNPCたちの姿を見守り続けることで、良夫も「運命の村」のNPCたちを気にかけ始めます。

良夫は運命の神ではありますが、NPCたちへの干渉は基本的には一日に一回だけメッセージを送れるという些細なものです。

NPCたちへ大きく干渉するためにはリアルマネーで購入可能な神様ポイントが大量に必要となるのです。

NPCたちを助けようと思う良夫は、引きこもり生活をやめ外の世界へでる決意を固めます。

運命の神としてNPCたちを助けて村が発展していくさまを見守る「運命の村」と

NPCを助けようと自ら変わろうと動き出したリアルな良夫の姿が楽しめる作品となっています。

面白かったです。

当初は、村育成ものとして楽しめればなと思っていましたが、家族物や人情物として予想以上に楽しかったし心が動かされましたよ。

挫折をし、心がくじけてしまった良夫が再び立ち直ろうとするまでの過程と、外に出たことで家族との絆が取り戻されていく姿が本当に良かったです。

良夫が挫折して引きこもるまでの過程と、その良夫に対する家族の姿が丁寧に描かれていたので、挫折からの復帰の一歩や家族との歩み寄りにも納得いきました

引きこもったことで他者との交流ができなくなっていた良夫を救うきっかけとなったのが、1日1回の一方通行のメッセージでしか交流できないNPCたちというのも面白みを感じます。

良夫が変化するきっかけとなった「運命の村」というゲームですが、こちら側もどのように発展していくのかとても楽しみですし、面白いです。

まだ1家族とその家族を護衛する二人の冒険者という小さな集団ですが、これから良夫の助力の元でどのように村を形成し、発展していくのかは本当に楽しみですよ。

良夫が運命の神として助力はするのですが、良夫の干渉力に制限があります。

運命の神を名乗るには小さな干渉ではありますが、良夫の助力の結果により上手くことが進んだときは喝采を送りたくなります。

また逆に迫りくる脅威に対しても干渉に制限があるため、緊迫感が漂う展開を楽しむこともできます。

今巻は物語のスタートであるため、世界観の説明や良夫側の設定開示が多かったのは否めません。

ですが、丁寧に世界観や人間関係を説明されたことで、良夫や良夫の家族、運命の村のNPCに感情移入することができています。

運命の村がここからどのように発展していくのか

良夫は運命の村の発展にどのように助力をしていくのか

そして家族との絆を引きこもる前の状況に戻していくことはできるのか

良夫に「運命の村」というゲームというにはあまりにもリアルなものを送った存在とその理由も気になりますし、

続刊を読むのが楽しみですよ。

ネタバレありの感想

ここから下は『村づくりゲームのNPCが生身の人間としか思えない』のネタバレありの感想になります。

未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。

良夫と家族について

良夫と家族の関係についての描写は予想外でしたが、本当に良かったです。

異世界での村づくり作品として楽しもうと思っていましたので、良夫と家族の絆は物語を動かす切っ掛け位に捉えていました。

ですが、良夫と家族の絆の再構築はメインテーマの一つであるとも思えるようになりましたよ。

そう捉えられるほど丁寧に良夫と家族の仲が拗れてしまった原因と過程が描かれています。

そしてその拗れてしまった良夫と家族の関係が、良夫が変わろうと決意し実際に変わっていったことで再構築されていくさまも丁寧に描かれています。

家族との関係が拗れていく描写には苦しさを覚えましたが、その描写があったからこそ関係が改善し始めたところで胸が暖かくなれたのだと思いますよ。

これは思った以上に掘り出し物というと失礼かな、でも人情物や家族物として楽しめるとは思いもよらなかったです。

良夫と家族の関係は改善され始めました。

ただ、まだ問題がすべて解決したわけではありません。

まだ以前と全く同じ関係には戻れていませんし、それに現状で侵攻している問題もあります。

良夫が挫折に至るきっかけの一つであり、妹との仲が拗れるきっかけでもあるストーカー問題が再燃しています。

果たして良夫は以前と同じ失敗をすることなく、妹とそして自分を守ることができるのか。

そして、家族との関係を元に戻すことができるのかも次巻以降で読みたい内容であります。

「運命の村」側の発展、良夫の家族の問題、二つのテーマが同時に進んでいくのでどちらも目が離せないですよ。

『運命の村』について

良夫はまだゲームだと認識していますが、間違いなくゲームではないですよね。

良夫にはまだNPCと認識されていますが彼らの反応はゲームのNPCというにはあまりにもリアルです。

NPCを助けたいという気持ちから社会復帰を遂げた良夫です。

そんな良夫が彼らをNPCではなく異世界の住人であるのでは、実際に生きた人間なのではと認識したとすると、今以上に彼らを助けようと助力しようとするのではないでしょうかね。

運命の村へ干渉するための手段として神様ポイントがありますが、このポイントを手っ取り早く増やす方が琴線での購入です。

NPCたちへの干渉を増やすためには、良夫がアルバイトを増やすか、正社員となって給与を増やす必要があります。

でも、そうすると時間が労働の側に取られて良夫が運命の村に干渉する時間が減っちゃうんですよね。

お金と時間、村への干渉と助力の制限が本当にバランスがいいんですよね。

何でも出来そうだけど、実際に何かしようと思うとそこまで自由ではないってところが本当に上手いよな。

運命の村のNPCたちが異世界の人間であると仮定すると、そんな異世界に干渉するゲームを良夫に送った存在は何者なんでしょうか?

そしてその存在はどんな目的をもって良夫にゲームを送ったのか?は、とても気になります。

超常の力を持つことから考えると異世界側の神とも考えられますが、そんな異世界の神が何故異世界側ではなく現実世界の良夫に干渉したのか謎が深まりますね。

また、運命の村を襲撃する側も現実世界に用意したとも思える描写もありますので、本当に意図が気になりますよ。

シリーズ感想の索引

村づくりゲームのNPCが生身の人間としか思えない 01巻 感想

お勧めの作品

村づくりゲームのNPCが生身の人間としか思えない 02』は2020年5月2日発売ですね!

私も発売日に購入してすぐ読もうと思います。

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