俺を好きなのはお前だけかよ 11巻 感想 ネタバレ あらすじ

俺を好きなのはお前だけかよ 11巻』のネタバレありの感想になります。

ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。

ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。

あらすじ

再び現れた驚異のラブコメ主人公。西木蔦に嵐(ラブコメ)が吹き荒れる!?

最悪だ……。どうして、こんなことになっちまったんだよぉぉぉぉ!!
……え? 何が起きたかって? あの男だよ。驚異のラブコメ主人公である、あの男が、再び西木蔦高校にやってきやがったんだよ!!
開催中止の危機を回避し、平和に行われるはずだった『繚乱祭』。だがあの男を中心に、嵐は容赦なく西木蔦に吹き荒れる……それは一人の少女の願いと共に。
まあ流石に俺はもう面倒事はこりごり――って引き受けんのかよ、パンジー!!
しかも、その謎の決め顔とポーズで、てめぇは一体何を企んでやがる!?

ネタバレなしの感想

ジョーロの最強のライバルであったホースの再登場するシリーズ 11巻です。

前巻で危機を乗り越えて無事に開催された『繚乱祭』に唐菖蒲高校の面々が訪れます。

ジョーロとパンジーたちはある少女のお願いもあり、ホースたちを歓迎します。

ホースの今回の訪問には何やら思惑があり、その思惑を読み切れないジョーロと腹の探り合いが始まります。

一方でジョーロにも今回のホースの訪問に関わる何かしらの狙いがあり、それを実現しようと奮闘します。

ホースの思惑とはいったい何なのか。

そしてジョーロの側の狙いとはいったい何なのか。

似た者同士の2人が再開し、拗れてしまった2人の関係に決着をつけるという内容になっています。

『繚乱祭』を舞台にジョーロとホースが以前の様に互いの狙いの探り合いを行います。

ですが『俺を好きなのはお前だけかよ 5巻』の際のような緊迫感や不穏な気配は皆無でした。

その理由としては、以前の時とは違い唐菖蒲高校の面々も『繚乱祭』を楽しむ雰囲気が感じられたからです。

『繚乱祭』の色々な出し物をヒロインたちと楽しみながらも、見当違いな腹の探り合いをする2人姿が面白かったですね。

ホースの困惑とジョーロの空回りは本当に『繚乱祭』を楽しむためのアクセントとして、うまく笑いにつながっていました。

それと、『繚乱祭』の同じ場面をジョーロとホースの視点で章を分けて描かれていたのも良かったです。

何が互狙い通りで何が思惑を外していたのか、互いの考えや裏の事情が分かって同じシーンを二重に楽しめました。

ジョーロとホースは2人とも似た者同士ですし、お互いを高く評価しています。

お互いに相手が自分の上を行くはずと考え、裏の裏を探って逆に気づかないところも面白かったです。

ジョーロの狙いもホースの思惑も、読者的には十二分に予想がつく内容でしたね。

ですが、その狙いや思惑が実現するに至る過程は予想以上のもので大いに楽しめました。

ベストカップル決定戦に参戦した人選とその内容は笑いましたよ。

勝てば勝つほど気持ち悪がられるとか似た者の二人のはずなのに、どうしてこうなった。

ジョーロとホースの関係が今巻のメインエピソードであります。

そのメインエピソードを支える形で色々と動いていたヒロインたちの魅力も輝いていました。

ジョーロ側のヒロインは言わずもがななパンジーと、もう一人はサザンカですね。

ジョーロと共に回った『繚乱祭』の中で、色々な魅力を見せてくれました。

お化け屋敷で無意識にラブコメ展開を見せてくれましたし、あるヒロインを支える行動もグッドでした。

そして、クライマックスでみせたサザンカの勇気と覚悟は今巻のもっとも優れたシーンです。

前巻のクライマックスでみせてくれたあの女の子の勇気や決意と対比させて色々と考えさせてくれました。

ジョーロ側のヒロインも輝いていましたが、今巻はつきみとチェリーも良い場面が多かったです。

ホースももう一人の主人公として描かれていますので、彼側のヒロインも見せ場が色々とありました。

ポンコツでドジ可愛いチェリーの活躍は既刊でもありますが、今回のドジはレベルが違いました(笑)

さすが真のラブコメ主人公ホース側のヒロインという感じで、見事なラブコメイベントを発生させます。

つきみの方はなんか違った方向に盲信していて恐ろしさを感じました。

そんなホース側のヒロインがみせた行動は、ジョーロにもジョーロ側のヒロイン達にも大きな影響を与えたはずです。

明るさと楽しさに満ちていた『繚乱祭』ですが、本作がそのまま明るさだけで終わるはずがありません。

今巻でも一つの絆に変化が訪れ、一つの想いが報われずに終わりを迎えました。

ジョーロ自身が述べていたように、みんなで一緒にハッピーエンドなんて都合のよすぎる未来はありません。

本シリーズもクライマックスに向けて、重要な情報があきらかにされつつあります。

俺を好きなのはお前だけかよ 8巻』のラストから開示され始めたパンジーが隠している事情です。

その事情に関わるであろう情報が今巻でも僅かですが公開されています。

その事情について語られた時の不穏な気配、ジョーロに対しての忠告の内容からすると生易しいものでは無さそうです。

パンジーに秘められた事情、その事情が明らかになった時にはジョーロが窮地に追い込まれことになるでしょう。

ですが、ジョーロはパンジーに秘められた事情に対抗するための力強いきずなを今巻で手に入れることが出来ました。

その絆やこれまで築いてきた絆の力があれば、どんな事情であろうともジョーロなら乗り越えられると信じられます。

パンジーの事情が分かる時は同時にジョーロの特別大好きな女の子への告白が行われた後のはずです。

二学期のおしまいが間も無くとなることから、間もなく大きく物語が動き出しそうで楽しみです。

次巻『俺を好きなのはお前だけかよ 12巻』は北海道への修学旅行編だし、小学生時代の思い出の子がでるのかな?

となると、巻のメインヒロインはひまわりになりそうですね。

ジョーロとひまわり、そしてもう一人の幼馴染がどの様な絆を見せてくれるの気になります。

ネタバレありの感想

ここから下は『俺を好きなのはお前だけかよ 11巻』のネタバレありの感想になります。

未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。

サザンカ

今巻のヒロイン達で一番輝いていたのは間違いなくサザンカです。

チェリーのホースに対する想いが届くよう、陰に日向に協力するサザンカの姿が良かったです。

サザンカがチェリーに協力したのは、ホースの想いがチェリーではなくつきみにあることを察していたからなのでしょう。

好きな相手に向ける想いの強さとそれが決して届かない悲しさをサザンカは自分の境遇にも重ねていたはずです。

サザンカはそんな自分に重ねて見ていたチェリーが勇気と覚悟をもってホースへ告白する姿を目の当たりにしたのです。

自分に重ねていたチェリーが勇気と覚悟を出したのに、サザンカも黙っていられるわけがありません。

チェリーの告白が終わりサザンカが改めてジョーロの前に立った時、私はサザンカの退場フラグかと考えていました。

サザンカが一番大切な女の子は自分ではないことをジョーロの確認した時、前巻でのあすなろの姿が脳裏によぎりました。

ジョーロの想いが自分に向いていなくとも、自分がジョーロが好きな想いは私のものだからとジョーロへの好意を強くだしたサザンカは素敵でしたよ。

例え自分の想いが報われるものでは無くても、好きな想いを決して自らは手放すつもりはないというサザンカの宣言です。

ジョーロに振られたわけでも無いのに自分から都合よく身を引くことはないって宣言でもありますよね。

恋するヒロインは強いというか、ジョーロと関わってサザンカが強くなったのか本当にすごいです。

前巻のあすなろの告白も今巻のサザンカの告白も、ジョーロに対して覚悟を求める結果になっています。

あすなろの告白は、今の関係は永遠のものではないし再び同じ関係に戻れるものでもないという現実をジョーロに伝えました。

サザンカの告白は、ジョーロが特別に大好きな女の子と付き合っても都合よく身を引くわけでは無いということをつたえました。

二つの告白を通して、ジョーロは今の心地よい関係を壊す覚悟と自分に好意を抱いてくれている女の子を振るという覚悟をもつことになりました。

あすなろとサザンカが決意して行動したように、残りのヒロインも各々の決意と覚悟、そして勇気をみせてくれることでしょう。

そのヒロインたちの行動を見て、ジョーロがどの様な決断をしどの様な結末を迎えるのかがとても気になります。

それにしても、本作品ってジョーロに対して優しく甘い展開が用意されていないのだなと理解できました。

ホースとジョーロ

今巻のメインエピソードはジョーロとホースの仲直りでした。

元々の二人や出会った当初の二人を思い出すと同族嫌悪ではなく同気相求でした。

パンジーへの恋心がなくなったホースならば、わだかまりの原因もなくなり友人に戻るのも自然です。

ただ、友人に戻れたとはいえサンちゃんとの時とは違いジョーロもホースも素直にはなれないですね。

というか、サンちゃんとジョーロの関係が特別で親密すぎる気がします。

ベストカップル決定戦でジョーロがサンちゃんではなくホースと組んだことを哀しむ子もいましたが、レベルが違うので不要な心配でしたね(笑)

ただ、なぜこのタイミングでホースと仲直りしたのかという点が気にかかります。

メタ的なことを言えば、このタイミングでホースとの仲直りを果たしていないと作品終盤の展開に支障をきたす恐れがあるのかもしれません。

ホースはジョーロが知らない中学時代のパンジーのことを知っています。

つまり中学時代の情報を知っているホースの手助けが無いと、ジョーロはパンジーと結ばれることが出来ない可能性があります。

今巻終盤、ホースとパンジーは二人っきりで会話をしています。

その時にホースから出た問いかけにパンジーは答えられず、打ちひしがれた様に去っていきました。

このことから考えると、パンジーが秘めている事情は中学時代のパンジーに大きなかかわりがあるのでしょう。

逆に言えばパンジーが秘めている事情を解決するのには、中学時代のパンジーを知っている人間の手助けが必要になります。

そして中学時代のパンジーを知っているホースは、今巻でジョーロが孤立無援に陥っても必ず助けると宣言しています。

ジョーロがパンジーの秘めた事情を解決するためにホースの協力が不可欠になるため、今巻で仲直りイベントが発生したのです。

なんか恋愛アドベンチャーゲームのフラグ管理みたいな話になってしまいましたね。

パンジールート攻略にはこの段階でホースとの仲直りイベントをこなし、フラグを立てておく必要があるみたいな感じです。

中学時代のパンジーを知っているホース、病院に見舞いにいっていたパンジーの事情を知っているサンちゃん

ジョーロに欠かせない友人二人の協力を得て初めてパンジー攻略が可能になるとか、パンジールートの難易度高すぎるな。

さすが本作品のメインヒロインらしい難易度ですよ。

でも、ジョーロなら八方ふさがりの状況でも何とかしてくれるという信頼がありますし、パンジールート攻略達成の瞬間を楽しみにします。

パンジーの事情についての仮説

パンジーの秘めた事情は徐々に情報が出されてきています。

今巻で出てきた情報は大きく分けて2つでした。

その内の一つは、上記の通りパンジーの事情は彼女の中学時代のなにかに関係するということです。

そしてもう一つの事情はパンジーではなく、三色院菫子としてはジョーロの事を大好きと言えない事情があるということです。

ホースが最後に二つの質問をパンジーへ投げかけました。

一つ目は「パンジーは、ジョーロが大好きなんだよね?」

二つ目は「三色院菫子は、ジョーロが大好きなんだよね?」

パンジーは一つ目の質問に対しては肯定し、二つ目の質問には答えを返しませんでした。

上記の回答を考えるに二つのことが推測できます。

1つは、パンジーと三色院菫子は別人なんじゃないかという事です。

ホースからの質問にパンジーとしての好きは回答できるが、菫子としては回答できない。

つまりパンジーの好きと菫子の好きをイコールに出来ないという事情があると考えられます。

なぜにパンジーと菫子の好きという感情を一緒にできないと考えると、パンジーと菫子が別人だからという可能性として浮かびます。

もう一つは、三色院菫子もジョーロのことが大好きであるという事です。

もしも菫子としてはジョーロのことを大好きではなかったら、ホースの質問に無言ではなかったはずです。

好きではないことをホースに正直に伝えてもよかったはずですし、別の真実で真実を隠すことでもよかったはずです。

ホースの質問に答えを返さなかったのは、質問の内容に真実で返せないということ。

菫子としてもジョーロの事は大好きだけれども、それを認めることが出来ない事情があるのではないでしょうか。

自分の気持ちを認めることが出来なかったから、立ち去る時のパンジーの姿が今にも消えそうなほど儚く見えたのです。

以上の二つの推測とパンジーの秘めた事情を紐づけて考えると、一つの仮説が浮かびます。

それは三色院菫子は本当のパンジーの代わりに、パンジーが出来ないことを行っているという仮説です。

そして、本当のパンジーが出来ないことがジョーロに好意を伝えることか恋人になることかと考えています。

春休みの事故で重体の怪我を負った2人の内の一人が本当のパンジーなのではないでしょうか。

だからアネモネと同じ病院にいた本物のパンジーのお見舞いをするために菫子が通っていたのです。

私の仮説というか妄想という結論ありきの考えとは多分に私も思います。

でも、理屈をつけようと思えば上記の仮説も十分通るのですよね。

もしもこの仮説が当たっているとすると菫子の行っていることは、ジョーロにも他のヒロイン達にも相当酷いことをしていることになります。

だから、私の仮説というか妄想は外れて欲しいなと願っています。

シリーズ感想の索引

俺を好きなのはお前だけかよ 1巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 2巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 3巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 4巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 5巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 6巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 7巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 8巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 9巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 10巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 11巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 12巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 13巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 14巻 感想

お勧めの作品

『俺を好きなのはお前だけかよ』シリーズ最新刊である『俺を好きなのはお前だけかよ 13巻』は、2019年12月10日 発売です。

アニメ放映中に売り出したいという思惑が見えますが、間に合うようきっちり作品を仕上げる姿勢はとても大好きです。

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