俺を好きなのはお前だけかよ 12巻 感想 ネタバレ あらすじ

俺を好きなのはお前だけかよ 12巻』のネタバレありの感想になります。

ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。

ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。

あらすじ

修学旅行で北海道へと訪れたジョーロ達。だがそこには予期せぬ事態が……?

激動の体育祭、そして『繚乱祭』を終えた俺達、西木蔦高校二年生は、修学旅行で北海道の札幌市を訪れることに。
だがそこには、何故か居るはずのないアホな後輩とアホな先輩の姿が!
まあ、ここまではある意味で想定内の想定外だったんだが――
「問題ですっ。私は一体誰でしょうっ?」
「は? いや、えっと……誰?」
「貴方を大好きな女の子ですっ」
まるで絵画から飛び出したかのような美女が今、俺に愛の言葉を囁いたのと同時に頬へ柔らかな感触を伝えた――え、何この超想定外の状況? 今回も間違いなく色々ありそうだぜ、なぁひまわり……。

ネタバレなしの感想

今回は前巻のラストで語られていた通り、北海道へ旅する修学旅行編です。

ジョーロが変化する切っ掛けとなったもう一人の幼なじみライラックが登場します。

パンジーに匹敵するほどの美少女になったライラックがジョーロに近づきます。

そしてもう一人の幼なじみであるひまわりは何やら元気がなく、ジョーロはそんな彼女の様子を心配します。

ひまわりとライラック、2人の幼なじみを中心にして劣等感とそれを乗り越えるにはどうするかというシリーズ12巻です。

俺を好きなのはお前だけかよ 6巻』から匂わされていたジョーロの初恋の相手であるライラックが遂に登場です。

ジョーロとライラックの再会、その再会によりヒロインたちとの関係に影響がでるエピソードかと想像していました。

ですが、私の想像とは違い今巻はひまわりの成長と、幼なじみたちの関係再構築がメインのエピソードでした。

普段と違い元気がなく落ち込んでいるひまわり、折角の修学旅行にも関わらず元気のないヒマワリを何とか元気づけようとするジョーロ。

物語前半はジョーロ主体ですすんでいきますが、中盤以降はライラックとひまわりが物語をけん引しています。

今巻のジョーロは既刊とは違い主体的に動くのではなく、仲間たちを信じて待つ形になっています。

ひまわりが元気がない理由、ライラックがジョーロとひまわりの間を積極的に割って入ってきた理由、

ひまわりを元気づけようとするヒロインたちの行動が見どころになっています。

特にひまわり復活のカギを握った存在の意外性には本当に驚きましたよ。

そんな意外な存在の活躍を予想していたかのようなあの人物の見通しの良さは驚異的です。

ライラックの思惑や狙いは初見では誤解すること間違いなしですね。

ライラックが何故にひまわりを煽るかの様な言葉を発していたのか、そして何故にジョーロに積極的に関わっていたのか。

ライラックは読者にヘイトを抱かせるような言動をしていた理由が分かった時、ライラックに対する読者の評価が一変するはずです。

二学期のおしまいが近づくこの時に、ひまわりやジョーロがライラックと再会できたことは天の配剤と言えるのではないでしょうか。

ジョーロとひまわり、ライラックが揃って過ごす姿には、小学生時代の彼らの姿が垣間見られて良かったです。

いつも引っ張るのがひまわりでそれに引きずられるライラック、2人のブレーキ役やまとめ役がジョーロだったんだろうな。

序盤中盤は作中の空気が思い分、本当に終盤の幼なじみが勢ぞろいして過ごす姿は本当に良かったですよ。

ライラックとの再会でジョーロは新たな決意と覚悟をしました。

ジョーロがヒロインたちと約束した「二学期のおしまいに一人にだけ気持ちを伝える」に足りなかったものに気づいたのです。

ジョーロの新たな決意と覚悟によって、ヒロインたちとの約束にどのように変化をもたらしたのか見どころです。

修学旅行も終わり、二学期のおしまいまで残りわずかです。

ジョーロは誰に気持ちを伝えるのかその答えが間もなく分かり、物語完結まであとわずかとなります。

次巻『俺を好きなのはお前だけかよ 13巻』は2019年12月10日発売です。

もうまもなく、今巻の続きが読めるかと思うと本当に楽しみです。

ネタバレありの感想

ここから下は『俺を好きなのはお前だけかよ 12巻』のネタバレありの感想になります。

未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。

ひまわり

今巻のヒロインは間違いなくひまわりです。

ひまわりが意気消沈し、ジョーロでもどうすることも出来ない物語前半は読んでいて本当に辛かったです。

天真爛漫で明るいひまわり、彼女の元気が作品を照らす明るさにもなっていたのかと感じました。

まあ、明るいというか空気読まなくて邪魔に想ってしまう時もありますがね(笑)

ひまわりが意気消沈していた理由は、他のヒロイン達と比べての劣等感でした。

正直いいますと、何で今更ながら劣等感を抱いたのかなという思いもあります。

ですが、ひまわりが今のタイミングで劣等感を抱いた理由は、ジョーロと別れを意識したためではないでしょうか。

ジョーロはヒロインたちと「二学期のおしまいに一人にだけ気持ちを伝える」約束をしています。

ひまわりは他のヒロイン達に比べてジョーロを手助けする行動が出来ていないと気づきます。

何もできない役立たずな自分がジョーロに選ばれるわけがないと凹んでいたのです。

でも、ヒマワリは落ち込むほど何もできていない存在でしょうか?

私はそうは思いません。

確かにひまわりは深く考えて行動することは苦手です。

ですが、ひまわりが自然と発揮する明るさと行動力はジョーロやヒロインたちを救ってきています。

そんなひまわりの良さをひまわり自身にも読者にも気づかせるための内容が、今巻のメインエピソードであったと思います。

いや、本当にひまわりが凹んでいる中盤までと、元気復活してからの終盤で作品の明るさが段違いですよ。

ひまわりの名前の通り、本当に夏のような明るさを感じさせてくれる魅力的な女の子ですね。

ひまわりの復活を助けたのはあすなろとたんぽぽさんでした。

あすなろはひまわりにとって一番の親友と言える女の子ですね。

あすなろはひまわりのことを第一に考えて行動してましたし、ひまわりのためにとジョーロの行動を妨害する役割まで果たしています。

好きだったジョーロの行動を邪魔するとか、あすなろにとっても気まずいはずなんですよね。

それでもひまわりのためならと行動していたあすなろが居たからこそ、ひまわりを復活まであと一歩まで導けたのです。

そんな献身的なあすなろが、振られてから気まずかったジョーロと多少とはいえ気まずさが薄まったのは良かったです。

そして、ひまわり復活の決め手となったのがたんぽぽさんでしたね。

本当にここぞという大事な場面、転換点になるたんぽぽさんの素晴らしさよ。

コメディパートでも面白さで輝いていますし、本シリーズで最も輝いているサブヒロインといっても過言ではないですね。

次巻でもたんぽぽさんの活躍をきたししています。ワタワタ。

ライラック

シリーズもクライマックスまであと僅かというところで登場した幼なじみのライラックです。

ひまわりが他のヒロイン達に劣等感があったように、ライラックはひまわりに憧れたが故に劣等感を持っていたのですね。

ライラックがジョーロやひまわりの前に現れたのは、ジョーロへの恋心ではなくひまわりに勝つためでした。

ライラックの思惑や狙いが分かると、ライラックがひまわりを煽るような行動や言葉を発していた理由にも納得です。

ずっとひまわりに覚えていた劣等感、そんな相手に窮地を救われたやるせない思い。

そんな負の感情を晴らす絶好の機会となったのが今回の修学旅行でした。

やっとひまわりへの劣等感や借りを返す機会が訪れたのにその相手が本調子ではないとなれば、折角の機会が無駄となります。

凹んでいるひまわりを奮起させようとしてライラックは辛辣な言葉を投げかけたのですね。

目的こそ違いますがライラックとあすなろの狙いはひまわりを元気にしたいという点では同じだったのです。

ライラックの行動や言葉は、彼女の目的や意図が分からぬとヘイトを集めます。

ですが、意図が分かり彼女の想いも分かると許してあげたくなりますね。

ライラックも本調子のひまわりと勝負できたことで、長年抱いていた鬱屈した思いは溶けてしまったんじゃないでしょうか。

ひまわりの明るさを相手にしてネガティブな感情を持ち続けるのは難しいはずです。

ライラックと再会したことは、ジョーロに気づきを与えています。

ライラックに教えられるまで、ジョーロはヒロインたちと結んだ約束の問題点に気づいていませんでした。

ライラックがその問題点をジョーロに気づかせてくれたのは、ジョーロに対しての厚意だったはずです。

ジョーロに問題点を理解させるため、振られる前提で告白したのだと思います。

ライラックに教えられたジョーロは迷わずに約束を変更しようと行動しました。

変更後の約束はジョーロにも傷を作るものになります。

ライラックのお蔭で自らも傷つく覚悟を決めたジョーロならたとえ傷が出来ようとも乗り越えられるはずです。

大切な約束の破棄

「二学期のおしまいに一人にだけ気持ちを伝える」

夏休みの勝負に勝利したパンジーがジョーロに求めた大切な約束です。

そんな大切な約束をジョーロは破棄することにしました。

そして、新たに自らが決めた大切な約束をヒロインたちとの間に結びます。

それが「二学期のおしまいに、全員に気持ちを伝える」です。

確かに前の約束ではジョーロの特別に大好きな女の子以外には答えを返さなくてもいいんですよね。

ライラックに指摘されるまで私も前の約束に潜む問題点に気が付きませんでした。

確かに前の約束では特別に大好きな女の子以外の子の告白した想いが答えをもらえず、行き場をなくすという問題があったのです。

この問題点に約束をお願いしたパンジーが気付いていなかったとは思えないのですよ。

ジョーロが約束を結びなおす話をヒロインたちに告げた時、パンジーの反応に対して一筋縄ではいかないとジョーロが感じてましたしね。

パンジーがジョーロが成長してその問題に気が付くことを期待していたのか。

それとも、好意を抱いてくれている女の子を振ることでジョーロが傷つくことが無いような約束にしていたのかは気になるところです。

前の約束のままですと、ヒロインたちには厳しいのですがジョーロにとっては優しいのですよね。

勇気を込めて告白し覚悟を決めて告白への返答を貰おうとしたヒロインたちは、たった一人の勝者以外は大きく心を痛めます。

ですが、ヒロイン達から告白をされたジョーロも好意を受け入れられないと伝える時、心を痛めるのです。

前の約束のままなら、ジョーロは特別に大好きな女の子の気持ちを受け入れるだけで済みます。

他のヒロイン達の好意を受け入れられないと伝える必要性はなかったのです。

つまり、ジョーロにとっては新しい約束の方が心を痛める約束になります。

ジョーロが自らの心も痛める約束に結びなおしたのは、ヒロイン達が自分に向けてくれた想いへに対して誠実に向き合いたいと決意したからだと思います。

かつてのジョーロでしたら彼女たちの気持ちに真っ向から向き合わず、はぐらかして逃げ出していたかもしれません。

でも、今のジョーロは三色院菫子と面識を持ってからの様々なトラブルや経験を乗り越えてきたことで成長しています。

だから、自らも傷つく覚悟を決め、勇気をだしてヒロインたちの想いに対して誠実に向き合えるのです。

修学旅行も終わり、いよいよ二学期のおしまいも間近です。

ジョーロとヒロインたちがそれぞれ二人きりで過ごす一日が、どのような一日になるかも気になります。

きっとヒロインたちにとってもジョーロにとっても忘れられない大切に思える大事な一日になるはずです。

そのデートは次巻『俺を好きなのはお前だけかよ 13巻』で見られるのかな。

いよいよクライマックス直前ですし、内容が凄い気になりますよ。

それにしても本当に恋愛ってきついし辛いな。

どんなに努力しても、どんなに相手のことが好きでも、その相手に受け入れて貰えないと報われないんだもの。

でもそんなきつさや辛さがあるからこそ、両想いになって恋人同士になるってことが素晴らしく輝くんだろうな。

シリーズ感想の索引

俺を好きなのはお前だけかよ 1巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 2巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 3巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 4巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 5巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 6巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 7巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 8巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 9巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 10巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 11巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 12巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 13巻 感想
俺を好きなのはお前だけかよ 14巻 感想

お勧めの作品

『俺を好きなのはお前だけかよ』シリーズ最新刊である『俺を好きなのはお前だけかよ 13巻』は、2019年12月10日 発売です。

発売前に既刊を読み終えることが出来たあああああ。

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コメント

  1. madi より:

    ジョーロがヒロインたちにわたそうとしていた誠実の花言葉のある花はすみれですね。本文ではぼかしておかないと先行きがばれそうです。