
リ・エスティーゼ王国は、裏社会を牛耳る巨大組織「八本指」の脅威にさらされていた。その時、この国で己を全うする男たちが躍動する。アインズの命をうけ、情報収集の目的で王国に潜入した鋼の執事・セバス。“黄金”王女に忠誠を誓うも、己の弱さに苛立つ日々をおくる熱き兵士・クライム。圧倒的強者を目にし、抜け殻状態で王都に戻ってきた武の求道者・ブレイン。崩壊寸前の王国を舞台に三人の男たちがそれぞれの信念を胸に裏組織と対峙する!
『オーバーロード 5巻 王国の漢たち 上』のネタバレありの感想になります。
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
再読した『オーバーロード 4巻』が面白かったので、引き続き『オーバーロード 5巻』の感想になります。
久々に読み直しましたがやっぱり面白いですね。感想を上げ終わりましたら引き続き『オーバーロード 6巻』を読もうと思います。
内容や展開が分かっていても面白く感じる、何度も読み返したくなるという点からも『オーバーロード』という作品の面白さを表していると思いますよ。
まあ、私がオーバーロードを好きすぎるだけの身びいきかもしれませんが(笑)
ネタバレなしの感想
リ・エスティーゼ王国内で情報収集を行う『セバス・チャン』
目立つことを避け密かに活動を続けていた『セバス・チャン」は今にも処分されようとしている女性を見捨てることが出来ず救いの手を差し伸べる。
救いの手を差し伸べたことで、『セバス・チャン』王国の裏社会を牛耳る巨大組織「八本指」と対峙することとなる。
『セバス・チャン』は「八本指」と対峙する渦中で、『クライム』と『ブレイン』と知己を得て共闘することとなる。
これまで無関係であった男たちが出会い、裏社会の組織と戦いを行う話といったところでしょうか。
話の内容だけ見ると『オーバーロード』とは思えない内容ですね。
ですがご安心を。読めば間違いなく『オーバーロード』の一編ですから。
この巻のメインは『セバス・チャン』です。
彼はナザリック陣営では極例外なカルマ値が善側のキャラクターです。
そんな彼は創造主である『たっち・みー』の意思を引きつぎ正義感を持ち、人間の事を下等生物とみなしていません。
善側のキャラクターである『セバス・チャン』が王国の裏に潜む「八本指」の悪辣さに対峙することになれば、当然叩き潰す方向に話が進みます。
何というか、「悪の組織」対「正義の味方」という図式はオーバーロードっぽく感じないフレーズですよね。
ですがご安心ください、そこはオーバーロードです。
子悪党や雑魚を叩き潰す『セバス・チャン』の姿は手加減など皆無な凄惨さがありますし、子悪党たちが叩きのめされるカタルシスを味わうことが出来ます。
そしてこの巻から登場した新キャラクター『クライム』が良いキャラしているんですよね。
黄金の姫『ラナー』に抱く愚直なまでの忠義の心と、その裏に潜む愛情がとてもいいです。
『ラナー』共に居たいと強く想い、その想いを叶えるため、才能がない中で強くなりたいと願う心が、男の意地を見せてカッコいいですよね。
『クライム』が男の意地を見せているとすると、男の意地が砕けてしまっていたのが『ブレイン』です。
そんな『ブレイン』が、『セバス・チャン』と『クライム』と出会い、彼らの強さを知る中で己の中の意地を取り戻していく姿に胸が熱くなりましたよ。
『セバス・チャン』、『クライム』、『ブレイン』、それぞれの強さも、意地をかけるものも別の男たちが共闘していく展開はとても面白かったです。
「八本指」たちの拠点を1つ潰し、上手くいったと思わせたところでのクライマックスの引きはとても気になります。
一体なぜあの人物が『セバス・チャン』の前に姿を現すことになったのか。。。とこの後の展開を知っているくせに白々しいことを言ってしまいました。
ですが、あの引きは良いですよね。『オーバーロード』はいつも盛り上がるクライマックスと気になる引きを持ってきますよね。
エンターテインメントとしても最高に面白い作品なのでお勧めですよ。
ネタバレありの感想
ここから下は『オーバーロード 5巻 王国の漢たち 上』のネタバレありの感想になります。
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
セバス・チャン
この巻のメイン『セバス・チャン』です。
カルマ値が悪側ぞろいのナザリック陣営の中で数少ない善側のキャラクターなので、生きにくさがありそうです。
今巻でも『ツアレ』の扱いを巡って『ソリュシャン』とも一触即発の空気でしたからね。
他に適切な組み合わせがなかったとはいえ、この組み合わせは人間が多い大国で活動させるには問題だったかもしれないです。
ただ、王国に潜伏調査に訪れたのが『セバス・チャン』だったからこそ、『ツアレ』は救われましたし、『クライム』は成長でき、『ブレイン』は折れた意地を取り戻すことができました。
王国で『セバス・チャン』と『ブレイン』が出会ったことで、後の流れが変わりそうですよね。
『シャルティア』と『セバス・チャン』の両方に出会って生き残っている『ブレイン』って何気に凄いわ。
自身の性質により『ツアレ』を助けて、その結果、潜伏しているはずが目立ってしまった『セバス・チャン』
彼の行いが上位者たる『アインズ様』にどのように捉えられるのか?
拠点の一つを潰したことで更に「八本指」に睨まれてその結果、どのような騒動が起こるのか?
と言ったところが次巻のメインになるのでしょうね。
『オーバーロード 6巻』の展開を知っているので白々しいですが、未読だったら気になる展開ですよね。
もちろん、絶対的強者たる『セバス・チャン』と敵対する道を選んでしまった八本指最強は、あっさりと潰されるんだろうなとは思っていたでしょうが(笑)
クライムとブレイン
この巻のもう一人のメインキャラクターは『クライム』ですね。
彼の存在は腐敗にまみれた王国の中で数少ない輝きのように思えます。
死のうとしていた処を救ってくれた最愛の女性のためにひたむきに努力する彼の姿は、ヒロイック物の主人公にさえ感じますね。
『セバス・チャン』による命を懸けた修行にも『ラナー』のことを想い耐えきるその愛の凄さに、読者視点として驚きを覚えるとともに、応援したいなって思いましたよ。
ただ、『ラナー』側の考えや想いを知っていると素直に応援していいものかどうかと想ってしまいますがね。
周囲の人間がいくつか『ラナー』に対する不信を覚える中で、『クライム』が思い至らないのは『ラナー』に対する愛情でということなのでしょうね。
『クライム』自身の正義感と、『ラナー』の想いに応えるために「八本指」と敵対することとなった『クライム』ですが、『セバス・チャン』と『ブレイン』と知己を得たことで、生存フラグが立ったように思えます。
この2人のどちらかが身近にいればきっと大丈夫と思わせてくれますね。
そして書籍版で大抜擢された『ブレイン』
Web版ではあっさりしんでコメディキャラクターになったとは思えない活躍ぶりです。
一度折れた意地を『セバス・チャン』と『クライム』のお蔭で取り戻し、何かを護るために何かの為に戦うこととなります。
『クライム』と『ブレイン』は互いが互いの求める強さを持っているように思えますので、年や立場は違えど良いコンビになれる気がします。
『クライム』から学んだ心の強さを『ブレイン』が持った時、『ガゼフ』をも超える戦士としての強さを身に着けるんじゃないかと思います。
『クライム』と『ブレイン』、2人の成長物としてもこの巻を楽しめましたよ。
そしてアインズ様
前巻『オーバーロード 4巻』でも出番が少なかった『アインズ様』ですが、今巻はより出番が少なかったです。
『アインズ様』の出番が少なかったために、コメディパートが少なめになっています。本当に今巻は男たちの戦いというシリアスパート多めの物語でしたね。
ただ、『アインズ様』の出番は少なかったですが、そこは流石『アインズ様』
少ない出番でしたが虐げられる方向に輝いていましたよ!
お金が無くて辛いわ。どうしようと悩んでいる『アインズ様』と、悪党に金貨の10倍の勝ちがある白金を無造作に与える『セバス・チャン』の対比は、可愛そうですが笑いました。
アインズ様があの時の『セバス・チャン』の行為を知ったら、言えないまでも嘆きが大きそうですよ。
直接の描写はありませんでしたが、『ソリュシャン』から『セバス・チャン』が反逆したとの報告を受けたとき、『アインズ様』はとても狼狽してたんだろうなあ。
『アルべド』や『デミウルゴス』に一体どういう風に相談して、『オーバーロード 6巻』冒頭の尋問シーンにつながったのか、凄い気になりますよ。
シリーズ感想
オーバーロード 4巻 感想
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お勧めの作品
今回のお勧めは『オーバーロード13 聖王国の聖騎士 下』です。
遂に発売日とあらすじが公開されて、Amazonにも商品ページが出来ていました!
『オーバーロード13 聖王国の聖騎士 下』の発売日は2018年4月27日です。
G.W直前の金曜日とか次の日が休みだから夜更かしも出来て助かることこの上なしですね
『オーバーロード13 聖王国の聖騎士 下』のあらすじはコチラです。
アインズ・ウール・ゴウン死す。
四万の亜人連合の軍勢に包囲された聖王国。
聖王国最強の聖騎士レメディオスの指揮のもと、防衛作戦が実行されるも疲弊した人間軍は亜人の蹂躙を止められない。
王としての約束を果たすため、
魔導王アインズは魔皇ヤルダバオトとその配下メイド悪魔にたった一人で立ち向かう。
そして――紅蓮の炎につつまれた聖王国は救済されるのか――正義に導かれる13巻
アインズ様、本当に死んでしまうのか!?
どんなマッチポンプがみられるのかとても楽しみです(笑)
KADOKAWA (2018-04-27)
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