海へ沈むフィールドと座礁した巨大豪華客船――
裏切りの銃弾は何を射貫く!?“さあ、存分に殺し合え。かつての仲間は、今は敵だ”
生き残りチームから各一名がランダムに選抜され、ビトレイヤー(裏切り者)チームを結成する「特別ルール」が発動した第三回スクワッド・ジャム。優勝候補筆頭と目されていた最強チーム
からは、レンが最も戦いたくなかったプレイヤー・ピトフーイが選ばれてしまう。
激震が走る参加者たちをよそに、刻一刻と海へと沈むフィールド。その中央部分、濃い霧に隠されていた【UNKNOWN】エリアに鎮座していたのは、一隻の巨大豪華客船だった。行き場を無くした彼らは、やがてその客船に呑み込まれて――。
裏切りの銃弾が飛び交う、壮絶なバトルの結末とは……!?
時雨沢恵一×黒星紅白が贈る「もう一つのSAO」第5弾が登場!!
『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 5巻 ―サード・スクワッド・ジャム ビトレイヤーズ・チョイス (下)―』のネタバレありの感想になります。
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 4巻』が面白く、クライマックスの引きもとても気になっていたので、積み本のなかからこちらの作品を優先して読みました。
優先して読んでよかったと思える面白さでしたよ。
面白い作品というのは読むのに集中できて、あっという間に読み終わってしまいますね。
ネタバレなしの感想
サード・スクワッド・ジャム(SJ3)決着!
上巻である『ガンゲイル・オンライン 4巻』のクライマックスで詳細が発表された特別ルール、各チーム1名を選出して裏切り者チームを結成するという内容について、LPFM以外のチームの反応が描かれるところから物語がスタートします。
各チームとも参加したチームでの優勝を目指していたわけですから、衝撃を受けるのは当然です。
そんな衝撃の中でもチームごとに反応が違うのが群像劇を見ているようで面白かったですよ。
MMTMのリーダであるデヴィッドの反応も彼らしいなと思いましたし、アマゾネスチームのボスの反応も怒りから一転決断して格好良かったです。
彼や彼女の反応に違和感を覚えなかったのは、きっと既刊を読んで感じていたキャラクターの性格と今回の決断に違和感を覚えなかったからかと思います。
最終エリアに先乗りしていた裏切り者チーム対その他チームという図式になったのは、裏切り者チーム側にピトフーイが居たからな気がしますね。
ピトフーイが裏切り者チームを率いていなければ、即席チームが組織だって牽制することはできなったと思います。
やはり、この作品のラスボスポジションに収まるのはピトフーイ以外にない気がしますね。
ただ、SJ2とSJ3の両方でラスボスにピトフーイが納まったことで、本作品の内容にまんねり感が出ているようにも思います。
次巻以降のラスボスを変えるか、SJ以外の大会をy。
特別ルール公開後の最終決戦の舞台、座礁した巨大客船内でのバトルロワイヤルになるのです、この決戦はとても面白かったです。
ピトフーイの策謀と戦闘力により徐々に数を減らしていく参加者たちの描写は、ピトフーイの恐ろしさと頭のおかしさを余すことなく描いていたと思います。
反面、レンのほうの活躍は物語の中盤から終盤にかけてと若干押さえ目になっています。
ですが、ピトフーイと再会してからの盛り上がりは本当に衝撃的でしたし、面白かったです。
いや、本当にその部分を読んでいたときには私も衝撃を受けましたよ。レンじゃないけど頭を抱えたくなりました(笑)
レンとピトフーイの再会からSJ3決着に至る流れを描くための溜と考えれば、レンの活躍が遅くなるのも納得です。
クライマックスに至る2戦は本当に面白かったので、この『ガンゲイル・オンライン』シリーズを呼んできた読者の方はぜひ読むべき内容ですよ。
本当にドリームマッチといえる戦いでした!
レンの戦いが盛り上がった反面、裏切り者チームとLPFM以外のチームにさほど見せ場が無かったのだけが少々残念でした。
ボス抜きのアマゾネスチームの奮闘や、リーダーと戦うMMTMのチームの面々とか面白くなる要素が多かった分、それが生かされていなかったのが勿体無かったなと。
登場人物が全員魅力的なので、そのキャラクターたちの盛り上がる場面をぜひ見たいと思ってしまうんですよ。
次回こそはアマゾネスチームがチームとしてレンと戦う姿が見たいです。
ネタバレありの感想
ここから下は『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 5巻 ―サード・スクワッド・ジャム ビトレイヤーズ・チョイス (下)―』のネタバレありの感想になります。
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
ピトフーイの策謀
というほど大げさなものじゃないですが、ピトフーイが裏切り者チームに選出されたメンバーじゃなかったことには驚きましたよ。
実際に裏切り者として選出されたのはレンだったんですね。
『ガンゲイル・オンライン 4巻』クライマックスにある挿絵でレンが頭を抱えていたのは、自分が裏切り者に選出されたしょっくもあったんでしょうな。
レンが呆然としている一瞬の時間に、自身が裏切り者になれるかを考えて実施までしてしまったピトフーイのヤバさは半端無いですね。
そもそも思いつきませんし、実際にやってしまえるところが本当にすごいし、えげつない。
本当にピトフーイがレンとLPFMの面々と再会したシーンはとても衝撃でしたし、興奮しましたよ。
ピトフーイはレンと本気で戦うためにどんなえげつない行為をしますよね。
フカ次郎に告白したとおりレンに殺されたときのことがトラウマとなっているのなら、そのトラウマを解消するためにはレンを正面から倒すことになりますよね。
私はピトフーイのことをラスボスであり魔王と認識してきましたが、ピトフーイ側からすればラスボスは本気になったレンなんでしょうね。
今回もレンの前に敗退し、トラウマを解消できなかったぴピトフーイですが、レンを打倒できるまでこの関係は変わらないことでしょう。
何度負けたって何度でも挑み続けることができる。それがゲームであり、遊びであります。
SJ2の時とは違い、もうピトフーイの命を懸けたゲームでは決してありませんから。
レン対フカ次郎
そしてSJ3で実現したドリームマッチ、レン対フカ次郎の一戦は、対ピトフーイとは別の意味でえげつなかったですよ(笑)
フカ次郎によるレンへの足止めを妨害するためではありましたが、レンのほうからフカ次郎に舌戦を挑むとは思いませんでした。
リアル暴露の悪口はフカ次郎からでしたが、それに応じて暴露を続けるレンの舌戦は本当に躊躇いが無く恐ろしいものでした。
これまでの二人の会話を読んでいるとフカ次郎の方がレンを引っ張っているように思えましたし、精神的にもフカ次郎の方が上だと思っていましたが、ここぞというときはレンの方が上に立ってたのかもしれないですね。
それくらい口喧嘩の際のやり取りが一方的にレンが上に立っていたように見えましたよ。
レン対フカ次郎の一戦はピトフーイやボスの参戦もあり直接の決着はつきませんでしたが、この二人の戦いはまた見てみたいです。
SJ3決着後の祝勝会を見ても分かるように、フカ次郎もレンも口喧嘩なんかで仲が悪くなるような性格ではありません。
リアルはリアル、ゲームはゲームと割り切れる親友同士が本気で戦う姿が見てみたいなと素直に思いました。
ただそれぞれの武器のチョイスを考えるに直接対決ではレンが有利に思えますので、レンチーム対フカ次郎チームの戦いがあればなって思います。
舌戦の内容を聞くに、女子高時代の香蓮と美優のエピソードも面白事件がいっぱい有りそうなのでぜひ読んでみたいなと思いましたよ。
外伝とかでもいいので時雨沢先生が書いてくれないかなあ。
シリーズ感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 1巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 2巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 3巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 4巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 5巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 6巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 7巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 8巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 9巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 10巻 感想
お勧めの作品
今回のお勧めの作品は『ソードアート・オンライン プログレッシブ6 (電撃文庫)』です。
本編の方はちょっと離れて久しいですが、こちらのプログレッシブは面白く思い、読み進めております。
第6階層にしてボス戦がいやらしい感じなのですが、このゲーム作ったやつは本当に鬼畜ですわ。
今後階層が進んで月夜の黒猫団が出てくるところを見るのが楽しみです。
KADOKAWA (2018-05-10)
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