『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 9巻 ―フォース・スクワッド・ジャム〈下〉』のネタバレありの感想になります。
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
ラノベを始めとした書籍は読んでいたのですが、更新をさぼってしまっていました。
読んだ本の感想のひな型は残していましたので、感想をぼちぼちアップしていこうと思います。
ただ久しぶりにWordPressを開いたらエディタが変わっていて記事を書くのが一苦労です。
あらすじ
レンのリアル・小比類巻香蓮との結婚を目論むファイヤこと西山田炎の誘いに乗り、“結婚を前提としたお付き合い”をかけて戦うことになった第4回スクワッド・ジャム。
是が非でもレンに勝利したいファイヤは、打倒LPFMのために編成した結託チームに、ボス率いるSHINCを取り込むことに成功する―。
MMTMとの壮絶な“高速バトル”を潜り抜けたレンたちは、ついにSHINCのメンバーと相まみえたのだが、そこにファイヤ傘下のチームが突如現れ…。
銃声と硝煙とほのかな恋心が入り乱れる第4回スクワッド・ジャム、いよいよクライマックスへ!
ネタバレなしの感想
第4回スクワッド・ジャム(SJ4)も遂に決着です。
上下巻構成になると思っていたところ時雨沢先生の筆が乗ったのか上中下巻の3冊構成ですものね。
しかも、この『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 9巻』の分厚い事よ。
上巻と中巻を合わせたのと同じくらいの厚さがありますよ。
作者のプロット以上に物語を膨らませることが出来る魅力的なキャラクターがそろっているということなんでしょうね。
西山田炎率いる結託チームも実力者ぞろいでしたし、残ったMMTMやZEMALも大会屈指の強豪チームだけあり個々の戦闘は危機的状況の目白押しであり、その危機からの脱却がまた面白い要素となっていました。
銃火器に詳しい人なら珍しい銃の登場や、その使用方法で余計に楽しめるのだろうなと思いましたが、銃火器に詳しくない私でも十二分に楽しめましたので、私と同じように詳しくない方でも雰囲気で楽しめると思いますよ。
では、物語の内容に触れさせていただきますと、今巻の見どころは2つかなと思っています。
一つが当然ですが、西山田炎ことファイヤとレンの勝負の決着です。
西山田炎との勝負の始まりは傍若無人なファイヤの言動にレンが憤慨したことから始まりました。
SJ4での勝負が始まってからはファイヤについての描写が少ないこともあり、ファイヤの思惑をが気になりましたし、レンとの交際の行方もどうなるかも興味が尽きませんでした。
その気になった部分、興味があった部分については今巻でしっかり描いてもらえたので満足できる内容でありました。
クライマックスにおけるレンと対峙したところと、リアル世界で香蓮と西山田が交流を重ねたところは本当に見どころでしたよ。
どちらの描写も本作品が好きであり、レンと香蓮のことが好きな読者なら満足のいく結末であり、いいオチであったと思います。
レンと香蓮は今後もGGO内で鬼神のごとき活躍を積んでいきそうですなあ。
もう一つの見どころがシャーリーとクラレンスのコンビですね。
この二人がチームに加わったのは物語の賑やかし役であり道化としての役割なんだろうなとおもっていましたが、SJ4で化けましたね。
飄々としたエンジョイ勢の鑑のようなクラレンスの心の奥にあるわだかまり、ピトさんへの復讐心だけではなくGGOを楽しむ心の余裕を得ていったシャーリーの活躍は今シリーズのメインキャラクターといえますね。
この二人は互いが互いに良い影響を与えています。
それは戦闘での役割分担や連携といった戦闘スタイルだけではなく、人間性や意識の部分での成長にも一役買っているように見受けられました。
GGO内ではクラレンスがシャーリーに影響を与え、リアルではシャーリーがクラレンスに影響を与えていくような未来が想像できましたよ。
今後はGGO内だけにとどまらず、リアルでも互いに良い影響を与えていくコンビというか親友関係が生れてほしいなと素直に思いましたね。
今後もシャーリーとクラレンスの活躍と成長を楽しみにしていきたいです。
今巻『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 9巻』で物語は完結するのかなと思っていましたが後書きを見る限りまだまだ続いていきそうですね。
有能な指揮官が加わりネタ勢ではなく強豪となったZEMALとのガチバトルも見たいですし、MMTMやSINCのメンバーたちの内面やリアルでの日常も見てみたいですよ。
次巻がどんなお話になるかわかりませんが、そこにはきっとブチぎれて敵を蹂躙するレンの姿があるんでしょうね。
ほんとうにチッコイけど凶悪で殺意みなぎる首狩りウサギのような魅力あふれるキャラクターになったもんだな。
ネタバレありの感想
ここから下は『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 9巻 ―フォース・スクワッド・ジャム〈下〉』のネタバレありの感想になります。
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
西山田炎さんについて
私がSJ4シリーズで一番よくわからなかった人、それが西山田炎さんでした。
香蓮と出会った時やレンの前に姿を現した時の言動、香蓮との結婚を前提とした交際を賭けての勝負の内容などを考えると、香蓮に好かれようと思っての行動とは考えられなかったんですよね。
あんな言動じゃたとえ勝負に勝っても嫌われるか好きになってもらえないし無駄だよなと思えたので、西山田炎がこの勝負を行った理由や狙いが別にあるんじゃないかと?深読みしてしまいましたよ。
今巻の結末を読むと私の深読みしすぎというか見当違いな考えなだけだったんですね。
西山田炎さんは本当に香蓮に好意を抱いて、交際するために勝負を挑んでいたという元々告げられていた内容が正しかったわけですよ。
いやいや、本当に予測や予想が外れていて恥ずかしい限りです。
この勝負の裏側にはピトさんが絡んでいて西山田の思惑を操っているor思惑の上や裏にピトさんの別な狙いがあるとか、西山田炎≠ファイアとかをクライマックス直前まで考えていた自分が本当にダメダメすぎるよ。。。
私が西山田炎の考えを理解できなかったのは、彼の本質が良く分からなかったからでした。
理性的に結託チームを率いてレンたちを苦戦させた統率者としての西山田の姿と、レンに好意を抱いている割に負の感情しか与えないような言動をしていた西山田の姿が一つに結びつかなかったのです。
ですが、今巻のオチを見たところでやっと西山田炎という人間のことが理解できた気がします。
西山田炎は信念を持っておりその信念を守りきる強い意志を持った人間であり、部下たちからも敬意や好意を抱かれる魅力を持った人物であります。
そのことは結託チームのメンバーの動機が「西山田の恋を成就させる」という点からも、西山田が部下に好かれていることは間違いないです。
ただし、西山田炎と価値観が合う人間からみれば素晴らしい人物であるという条件が付きますがね。
信念が強い部分は裏を返すと他者の信念を受け入れない頑迷さにつながっているともいえます。
『SAOAGGO 7巻』から『SAOAGGO 7巻』まで西山田炎は一貫として香蓮に対する好意はあったけれども、レンに対する好意や興味は一ミリも湧かなかったんでしょうね。
ファイアとレンとの直接の絡み自体が少なかったという点もありますが、山田炎は終始レンのことを理解する気が無かったとしか思えませんでした。
クライマックスでレンと対峙した際も潔く自身の負けは認めていましたが、香蓮の別人格であるレンのことを理解するために言葉を交える気もなければ、戦ってみて理解する気もありませんでしたから。
レンの方はSJ4の中で西山田に対する偏見やわだかまりがありながらも、西山田炎という人間を理解しようと意識を変えていましたのとは対照的でした。
西山田炎は自身の物差しやでしか相手を測らず、自身の範疇外のことを理解しようとしない独善的な人物であったと考えています。
そう考えれば、ラストバトルでの対戦拒絶もレンを理解することを放棄して、自分の信念を優先した逃げに見えます。
レンという人間を理解するのではなく自分の都合のいい姿しか望まなかった西山田炎という人間の小ささが表れていたなと。
自分が惚れた相手のことを深く知りたいと思わない西山田さんの好意を受け入れていたら、結ばれたとしてもすごい窮屈な生活になりそうですよ。
Mさんまでいっちゃだめだけど、少しはMさんみたいに相手を知ろうとしなきゃダメですわ。
いや本当に香蓮が西山田炎みたいな独善的な価値観の人と交際することにならなくて良かった。
ただ、エピローグでなんか香蓮が降られたみたいな雰囲気になっててオチとしては面白かったけど、西山田みたいな独善的で自分の枠から出ないやつに香蓮が振られたのは納得いかないな。
付き合わないという結果は望むところだったけど、その過程が納得いかないというか、オチとしては弱くなっちゃうけど香蓮の方からバッサリ切って欲しかったなって(笑)
シリーズ感想の索引
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 1巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 2巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 3巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 4巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 5巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 6巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 7巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 8巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 9巻 感想
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 10巻 感想
お勧めの作品
今回のお勧めは『ウィザードリィ』です。
なぜこの作品をお勧めしたのかは、『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 9巻 ―フォース・スクワッド・ジャム〈下〉』を読んでいただければ納得してもらえると思います。
いや本当にイメージ通りのキャラクターですね。
あの名前を付けたピトさんのセンスは抜群だ!