『せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい 1巻』のネタバレありの感想になります。
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
あらすじ
異世界の大人な社交場で激戦を繰り広げる、紳士淑女専門の異世界ファンタジー
建設の現場監督を務めていた三十路サラリーマン、佐藤太郎は
不慮の事故から命を落としてしまうのだが、
神と思われる存在から治癒魔法とポーション製作というチート能力を貰い、
異世界に転移するのだった。
チート能力を駆使して、金銭的余裕が出た太郎はタウロと名を変え、
異世界の歓楽街へと繰り出していく。
それは異世界に伝わる新たな伝説の幕開け、なのかもしれない……。
ネタバレなしの感想
主人公の佐藤太郎が命を落としそうになったところを謎の石像の姿をした超越者に救われ、今ある記憶と姿、チート能力(神レベルの治癒魔法とポーション作成能力)を授けられ異世界に転移します。
九死に一生を得ることが出来た主人公はタウロと名乗り、授かったチート能力を基に薬師として生活を安定させていきます。
衣食足りて礼節を知るではありませんが、生活も家計も安定したタウロは数々の娼館に入りびたり、女性の素晴らしさと女性に対するときの心構えと技術力を身に着けていくといった物語です。
新年最初のライトノベルの感想に本作を選んでしまうというのも凄いなって我ながら思いました。
内容としては異世界に転移した主人公がチート能力を用いて異世界で好きなように生きていくという、最近の異世界小説にありがちな展開なのです。
ですが、主人公が行う好きなことが本当になんといいますかしがらみやモラルと言ったものから自由で、本当に好きなことを好きにやっているという自由さというか爽快感が堪らない作品です。
手に入れたチート能力で無双する訳でもなく、生活費や娼館通いの資金源にする程度で満足して目立つわけでもないですからね。
主人公のタウロ(佐藤太郎)は転移前の30年の間彼女なしですし、素人童貞の女性にさほど縁がない人間でした。
それ故に、チート能力で金を稼げると分かったのなばら、娼館にハマり娼館通いしてしまうのも納得ですわ。
そんな女性経験の少なかったタウロが数々の女性たちとベットの上で戦っていく姿と、徐々に成長していく姿は、異世界ファンタジーらしくは無いのですがとても面白かったです。
最強の敵、エルダーリッチとの戦いはその中でも特に楽しめました。
女性をエルダーリッチに例えるタウロも凄いですが、その戦いの内容は本当に予想外の展開すぎて、その顛末も含めて本作のお気に入りのポイントです。
また幾多の女性との戦いでタウロが得た女性への接し方や教訓、各風俗業に対する知識は読者の私にも有益な知識になりました。
といった感じで終始、娼館通いと娼婦の女性たちとの交流で1冊が終わってしまった気がします。
これだけ見るとただのネタライトノベルのように思えますが、十分以上に楽しむことが出来ました。
これは主人公であるタウロの言動に矛盾点がなく彼の行動に納得がいったということと、タウロが能動的に動いてくれたからかなと考えています。
タウロが自ら考えて行動するので、次は一体どんなことが起こるのかという点に興味が湧き、次の展開を読みたくなりました。
また、娼館通いのネタの合間合間にいくつか気になる要素、精霊獣や世界樹、エルフが描かれており、今後この作品がどの方向に物語を展開していくのかが読めないし、その事がとても面白く感じています。
面白かったので続刊も買って読もうと思いますが、また娼館通いだけだったらどうしよう(笑)
それでも、きっと面白いんでしょうけどね。
ネタバレありの感想
ここから下は『せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい 1巻』のネタバレありの感想になります。
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
今後の展開
何度も書いていますが主人公のタウロは授かったチート能力を娼館通いのためのお金稼ぎと、自己満足と自己顕示欲の治療行為にしか使って、世間的にも名が売れている状況ではありません。
今後、本作品が物語をどの方向に展開させていくのかは気になります。
このまま娼館通いを続けるにしてもネタがつきそうな気はしますからね。
では、異世界ファンタジーとしてどう展開するのか予想なのですが、正直言って全く読めないですよ。
なにせタウロは目立つことを嫌っていますし、異世界で何かしたいってところが娼館通い以外特に無さそうなんで。
自分の性技術を磨くことと、チート能力をつかって好意的な人間の治療をして喜ばれたいという僅かな自己顕示欲の発露位でしたからね。
能動的に動くタウロですが彼が能動的なまま動いていくと本当に娼館通いしてまた一冊が終わってしまいそうですよ。
なので、物語を展開するためにタウロの行動以外の要素が必要になってくるのではないか思います。
その要素がタウロが借りている家の庭で成長している樹と精霊獣のイモスケなのだと思います。
庭の木はタウロのチート能力で作成したSポーションを与えたことで世界樹のような存在になっているんじゃと予想していますし、その世界樹の葉を食べている精霊獣のイモスケは世界樹の葉を食べたことで想定外の成長をとげるんじゃないかなと。
上記の要素がタウロの安定した娼館通いの生活に波乱を巻き起こしてほしいなって思います。
そして、その時にタウロがどんな反応を示しどう対応していくのかがとても楽しみです。
本当、タウロはどう行動するのかが全く読めないので興味深いですし、面白い主人公ですわ。
シリーズ感想の索引
せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい 1巻 感想
せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい 2巻 感想
せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい 3巻 感想
お勧めの作品
今回のお勧めは『江戸時代の遊郭の楼主に転生したので、遊女と吉原の未来を変えようと思う (「L‐エンタメ小説」シリーズ)』です。
娼館繋がりという安直な連想です。ひねりが無くて申し訳ない。
現代知識で遊女の境遇改善や性病対策するのかなって単純に考えてしまいますな。
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