『せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい 2巻』のネタバレありの感想になります。
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
何気なく買った本作ですが面白さにハマって既刊全巻購入してしまいました。
感想にも書いておりますが主人公のタウロの行動が魅力的なんですよね。
当初は娼館ネタが独特だなった思っているくらいでしたが、『せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい 2巻』からの展開の面白さにハマってしまいましたよ。
残りの期間も順次感想を挙げていこうと思います。
あらすじ
相変わらずの娼館通いは留まるところを知らず、次々と娼婦へ大人な施術を施していくタウロ。体調の悪い娼婦の治療も同時に行っていたことから、『ドクタースライム』という二つ名で囁かれるようになっているのだった。治療を行っていることから“ドクター”はすぐに理解出来る。だが“スライム”という部分に疑問を抱いたタウロは、娼婦に理由を尋ねてみると…。
ネタバレなしの感想
異世界に転移した主人公 タウロが第二の人生を異世界で満喫するため、自分が好きなことを好きなように行う物語の第2巻です。
『せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい 1巻』と同様にタウロが好きな娼館通いはつづけておりますが、この『せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい 2巻』から異世界ファンタジーとして大きく物語が動き出しました。
大きく物語が動いた理由の一つとして今巻のメインとなっている巨大人型兵器である「騎士」の存在があります。
表紙のドンっと大きく描かれている「騎士」のパイロットとしての素養をタウロが持っていることが判明し、タウロは「騎士」のパイロットである「操縦士」となるために養成学校に通い始めます。
こう書きますとユニークな作風である本作が普通の異世界ファンタジー作品になってしまうんじゃないかと心配してしまいますが、その点は問題ないと読んだ私が断言いたします。
タウロ自身の行動は変わらず己の好きなような生きざまは変わっておらず娼館通いは続けていますし、操縦士を目指すことにしたのも男の夢である巨大ロボットのパイロットになりたいというタウロ自身が望んだ行動ですから。
本作の面白い点としては下品にも思える異世界風俗体験談な部分と、タウロがタイトルの通りに好きに生きる自由に過ごす部分にあると考えています。
そのどちらの要素も損なわれておらず、前巻を読んで楽しいと思えた方ならば今巻の展開になっても十二分に楽しめると思います。
タウロの自由な生きざまには憧れますし、次にどんな行動を起こすのかという点に興味がわきますし、先がどんどん読みたくなる作品ですね。
こんな魅力的な人物なら異世界に転移する前にももっと活躍できたんじゃないかと考えてしまいます。
ですが、タウロが魅力的な人間になれたのも異世界で娼館に通い、素晴らしい女性たちから人生を学んだ成果なんですよね。
そして、娼館に通い女性の扱いを学んだお蔭で操縦士としての能力まで鍛えられていたとか凄すぎますわ。
私も成長のために娼館に通うしかないですな!
もう一つ大きな要素としてはタウロの自宅の庭で育てている「薬草樹」の存在があります。
前巻でタウロが人間史上初の偉業であるエルフを絶頂に至らしめたことの成果として入手した精霊獣「いもすけ」の力で立派な「薬草樹」が更に成長し、世界的に貴重な存在となっています。
この成長した「薬草樹」が存在することで世界が大きく変化を遂げていく模様です。
「薬草樹」の成長や拡張はガーデニングや箱庭的な楽しみもありますし、その薬草樹を管理する精霊獣の行動や触れ合いも面白い要素ですね。
多数の登場人物がタウロが付けたあだ名で呼ばれている中、固有の名前を授けられた精霊獣たちは重要な登場人物といえるのかもしれないです。
基本的には風俗ネタ満載の笑える物語です。
ですが、「騎士」の存在や「薬草樹」の存在などキッチリ計算したうえで世界設定されていたり伏線を張っていたりするところは、異世界ファンタジー作品が好きな読者の方にも満足していただける内容であります。
『せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい 1巻』での風俗ネタが合わなかったり、表紙がちょっときつくて買えなかったりするともったいないなと個人的には思います。
もし興味が湧きましたらWeb版で100話くらいまで読んで欲しいです。
そこまで読めば本作品の面白い部分が分かりますし、その上で合うか合わないかを判断して欲しいです。
ネタバレありの感想
ここから下は『せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい 2巻』のネタバレありの感想になります。
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
タウロについて
異世界転移当初の女体知識不足だったタウロさんはもう存在しません。
風俗界、娼館界隈で今をときめく風雲児ドクタースライムとしてトップクラスの風俗通になっています。
チート能力を用いて安定した経済基盤を築いたのちの風俗三昧とか突き抜けすぎていますわ。
タウロ自身が快楽を得るというだけではなく、女性側にもお返し(快楽と治療)を行うタウロの善行を自己満足とはいえ行っていますから、互いにWin-Winの関係なのでしょうね。
ただ、タウロの性技術が向上しすぎた結果、想像以上の快楽を女性に与えてしまいトップクラスの娼館から出禁を喰らってしまったのは自業自得なのでしょうな。
でも、ドクタースライムって二つ名はタウロにぴったりでとても良い名前ですよ。
女性を快楽で溶かして捕食するとか本当に主人公というより悪役側のネーミングですが、本当にピッタリです。
そしてタウロが好きで行っていた風俗通いが「騎士」を操縦するのに必要な魔力操作能力を鍛えるのに役に立っているんですから世の中上手くできていますわ(笑)
考えてみたらタウロは異世界転移時にチート能力として魔法を授かっていますが、技術としての魔力操作能力は学習していませんでしたからね。
タウロが好きで学んだ女性を蕩けさせるため技術が「騎士」の操縦士への道を切り開くとか、本当に好きなように生きてみた結果が好循環になっていますね。
ただし、すべてが順風満帆ではいかないのが作品としてバランスが取れている気がします。
巧みな魔力操作能力を活かし「騎士」を手足の様に動かせる反面、その魔力操作能力を活かした技術が「騎士」が受けたダメージをタウロにフィードバックします。
そのフィードバックを避けるために編み出した高速移動での遠距離攻撃は、誇りある「騎士」らしからぬと不当に評価されないになっています。
勝つこと以上に正面から誇りを賭けて戦うことに拘る「騎士」が軍の主流にいることに不安を覚えましたよ。
ですが、タウロの戦法が戦いに勝つという点では正しいと心ある有識者に評価されているのが救いです。
タウロは有象無象には不当な低評価を受けながらも、僅かにいる見識の高い人たちに評価されています。
そういった点がもっとタウロが評価されて欲しいと思う読者にフラストレーションを溜めさせて、その後、価値ある人たちに評価されているということでカタルシスを高めているんだと思います。
今巻のクライマックスで商人ギルドの「騎士」の操縦者としてスカウトされたタウロ。
次巻『せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい 3巻』では、「騎士」による戦いが楽しめる予感がしますね!
でも、表紙だけ見るとそんな雰囲気に思えないのが本作の凄いところであり、ユニークなところですな。
薬草樹について
タウロの庭に植えられている薬草樹ですが、こちらが次世代の「世界樹」となる存在であることが判明しました。
タウロのチート能力で作られたSランクポーションをかけられて急激に成長し、精霊獣のイモスケとダンゴロウに世話をされることで次世代の「世界樹」となる資格を得たようです。
世界に唯一無二の存在であり、エルフたちの力の源である「世界樹」の次世代が庭にあるとか驚きです。
これまで世界を管理する大魔法で「世界樹」を抑えていたエルフですが、彼らが低く見ていた人間種族と迫害していた精霊獣のイモスケとダンゴロウに次世代の「世界樹」を奪われて、まさにざまぁ展開で胸がすっきりしました。
この作品のエルフたちを見ていると余りに傲慢で唯我独尊なところが嫌いなので、エルフの不利益になる結果に大満足ですわ。
今後、この「世界樹」の存在を巡ってエルフたちと戦っていくのかな?
「世界樹」が徐々に成長し広がっていく様をガーデニングの様に楽しみたいです。
そして、タウロ家の「世界樹」が成長していく結果、衰えていくエルフたちの世界樹姿に右往左往するエルフたちの苦境も楽しんでいきたいです。
シリーズ感想の索引
せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい 1巻 感想
せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい 2巻 感想
せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい 3巻 感想
お勧めの作品
今回のお勧めは『ナイツ&マジック 9 (ヒーロー文庫)』です。
異世界ファンタジーでロボット物という繋がりです。
ロボット戦闘メインのナイツ&マジックと、ロボット戦闘要素もある本作では表紙のロボ要素の扱いに差が大きいですね。
売り上げランキング: 3,848