『世話やきキツネの仙狐さん 1巻』のネタバレありの感想になります。
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
あらすじ
ブラックな会社に勤め、疲労困憊の日々を過ごす会社員・中野。
そんなある日、帰宅した彼を待っていたのは温かな食事…そして、それを作る謎の幼女だった。
手慣れた料理の腕前、幼女とは思えない古風な話し方…なんと彼女の正体は齢800歳の狐っ娘!
家事も料理もお手の物、彼女ならではの特別サービス(!?)で疲れた現代社会人を「存分に甘やかしてくれよう!」
ネタバレなしの感想
ブラック企業勤務で心身ともに疲れ果てた会社員・中野。
そんな中野の前に現れたのが見た目は狐耳のケモミミ幼女の仙狐さんでした。
仙狐さんは中野の家で一緒に暮し、炊事洗濯そして存分な甘やかしで、くたびれ果てた中野を癒してくれるのです。
社会人と「のじゃロリ」狐娘との甘々共同生活物語の開幕です。
物語的には上に書いたあらすじがほぼほぼ全てを表しているといえます。
基本的に一話完結のお話であり、各話ともに仙狐さんが中野のために色々と尽くしてくれて甘やかしてくれる姿を楽しむという内容ですね。
大きな騒動が起きたり、劇的な展開に心動かされたりといった内容ではありません。
ケモミミのじゃロリ仙狐さんの可愛さや優しさという、甘やかしに癒されることに特化しています。
ですので、ちょっと疲れて癒しを求めている方や、荒んだ心を癒したい方や、ケモミミ幼女のお姉さんキャラに甘やかされたい方にはドストライクな作品です。
見た目はケモミミ幼女の仙狐さんに甘えるのは、大人である中野には恥ずかしいでしょう。
ですが、見た目に反する仙狐さんの包容力と優しさに誘われて膝枕してもらったり、仙狐さんの尻尾やケモミミをモフモフさせてもらったりと十二分に甘やかしてもらってるところ本当にうらやましいし、読んでいて私も癒されましたわ。
大人だから甘えるのは恥ずかしいという余計な殻を一つひとつ脱ぎ捨てて、仙狐さんに甘える度に中野の疲れが抜けていっている気がします。
疲れ果て死んだ目をしてまで労働する中野の社畜魂も、仙狐さんとの同棲生活で抜け落ちていくのかもしれないですね。
といった感じで、ケモミミのじゃロリの仙狐さんとの同棲生活を楽しむ日常系のマンガです。
仙狐さんの属性(ケモミミ幼女、のじゃロリ、包容力と甘やかし)がストライクで日常系漫画が好きな読者なら気に入ると思います。
逆に劇的な事件や大きく心を動かされる物語を求めている人にはちょっと合わないかもしれないです。
あらすじにもある通り癒しを求めるほど疲れているときに読むのにふさわしい作品でありますね。
私は仙狐さんの可愛さと包容力に十二分に癒されましたので、続刊も読んでいこうと思います。
ネタバレありの感想
ここから下は『世話やきキツネの仙狐さん 1巻』のネタバレありの感想になります。
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
仙狐さんと中野について
本作品のストロングポイントは間違いなく仙狐さんですね。
仙狐さんの可愛さと包容力、そして中野のためを思って行う甘やかし行為の数々(膝枕や耳掃除、普段の炊事選択、モフモフ)に癒されない読者はいないでしょう。
仙狐さんは見た目は幼女ですが齢800歳を越えていますし神様という人間を超越した存在でありますから、見た目おっさんの中野が甘えても大丈夫という設定が大きいですね。
自分が大人になり、社会人になると誰かに甘えるということがとても難しくなりますので、甘えても許してくれる甘えても大丈夫な存在が身近にいるというのは本当にうらやましい限りですよ。
そんな魅力あふれる仙狐さんが中野の前に現れたのは何やら隠された理由が有りそうです。
癒しが必要な人間の中から顔の好みで選んだというような理由が第一話で語られていましたが、それだけではないのでしょうね。
中野が見た夢の中で、中野に似た人物と仙狐さんが親しい感じで過ごしている描写がありましたから。
中野の前世の姿なのか、中野のご先祖様なのか気になりますが、仙狐さんと中野がより親しくなっていくと明かされていくのかもしれないです。
そして『世話やきキツネの仙狐さん 1巻』の引きで新たなケモミミ幼女が中野の家に来そうな描写もありましたし、新たなケモミミ幼女と中野と仙狐さんの関係も楽しみですわ。
新たなケモミミ幼女が「甘やかす」ではなく「甘やかされる」という言葉を発した理由も気になりますね。
癒しについて
ブラック企業勤務による疲労で死にかけていた中野は、仙狐さんによる炊事家事のサポートと甘やかしで癒されるというのが本作品のお話です
癒されたことで中野は元気を少しずつもらい人らしい生活を送ることが出来ましたが、癒しを求める理由であるブラック企業勤務という大本の原因は解決してないません。
仙狐さんの癒しと甘やかしは本作品の売りではありますが、このままですと中野は延々と仙狐さんの癒しと甘やかしを受け入れることになります。
疲労困憊で目が死んでいた中野にとっては仙狐さんの癒しは特効薬であり必要な対処でありましたが、いつまでもこの状況が続いていくのはただの逃避にすぎないんじゃないのかな。
中野が疲れ果てたことの原因であるブラック企業勤務を継続する限り、現状は全く変わらないわけです。
中野の事を心から心配してくれて、支えてくれている仙狐さんの優しさに応えるためにも、中野にはブラック企業勤務という醜悪な現実を変える行動を起こしてほしいなと思います。
今はまだ中野の心は長年ブラック企業勤めで培われた社畜魂に蝕まれているので難しいでしょう。
ですが、仙狐さんの甘やかしによって癒され生気を取り戻したとき、人として正気になりブラック企業勤めからの脱却をしてほしいです。
仙狐さんに甘やかされ癒されるのは作品的に必要ですが、その甘やかしを延々受け入れて根本原因に対処しないのは何か違います。
心配してくれる仙狐さんのためにも、中野には巻を重ねるごとに徐々に人間らしい生活を取り戻してほしいな
そういった中野の変化も描いてくれると、個人的には嬉しいです。
シリーズ感想の索引
世話やきキツネの仙狐さん 1巻 感想
世話やきキツネの仙狐さん 2巻 感想
世話やきキツネの仙狐さん 3巻 感想
世話やきキツネの仙狐さん 4巻 感想
お勧めの作品
今回のお勧めは『世話やきキツネの仙狐さん 4巻』です。
アニメ放送開始時期に新刊を出すのは鉄板ですな。
そういう訳で世話やきキツネの仙弧さんの最新刊である4巻は2019年4月10日発売です。
KADOKAWA (2019-04-10)
売り上げランキング: 3,117