『世話やきキツネの仙狐さん 4巻』のネタバレありの感想になります。
未読の方はネタバレにご注意ください。
アニメ版も人気放映中の『世話やきキツネの仙狐さん』
ケモミミのじゃロリの仙狐さんのお世話と優しさに癒されている方多数ですね。
仙狐さんは麻薬の様に疲れた心に染み入る力がありますね。
あらすじ
病気になった中野くんを看病する仙狐さん、本領発揮中!忘れ物を届けに電車に乗って街なかまで冒険に出たり、一緒に映画を観たり、さらには誕生日のお祝い準備も万全で今回もお世話レベルは上昇しっぱなし!シロと高円寺さんも共同作業を通して仲も深まったり、新キャラも登場(?)の第4巻!
ネタバレありの感想
前書きにも書きましたが、今巻も仙狐さんのお世話と優しさ、ナカノを全肯定するところに癒されました。
特に大きな変化や物語が進むわけではありませんでしたが、本作品は仙狐さんの魅力に癒されるのが全てですし、これはこれで良い気がしますね。
あらすじにもある通り、ナカノを看病する仙狐さんやナカノの誕生日をお祝いする仙狐さん、尻尾をいっぱいモフモフされる仙狐さんは本当に可愛いし、癒されますわ。
ナカノのことを献身的に無私の精神でお世話してくれる仙狐さんの姿には、恋人や妻というよりは母親的な愛情を感じます。
ナカノのことを全肯定してくれて、変わらずに受け入れてくれるところなど特にそう思います。
仙狐さん自身もナカノの母親を自任していますからね。
ブラック的な職場勤めのため、毎日疲労困憊のナカノ。
そんなナカノを支えてくれる仙狐さんの存在はとても大きいです。
でも、仙狐さんのお世話や献身による癒しは対処療法ではありますが、原因療法ではないのですよね。
仙狐さんはナカノをお世話してくれていますし、現状のナカノを受け入れてくれています。
ナカノのことを肯定してくれますし、生活や仕事の変化を求める様なことを求めませんので、ナカノにストレスを与えません。
これは仙狐さんの優しさでありますし、タイトルにある通りの世話焼きなのでしょうが、私は愛情とは異なると感じています。
ナカノへの愛情があるのなら耳障りな言葉にはなってしまいますが、身体を壊すまで働くことへの戒めの言葉を投げかけてもいいんじゃないかなと思います。
苦い言葉や変化を求める態度は、受ける側からするとストレスに感じる部分は有るでしょう。
疲労困憊の生活が続く現状が望ましい生活ではないのですから、一時は相手が苦く感じても言葉をかけるのが愛情な気がします。
ナカノと仙狐さんの生活が永遠に続くのなら、今のままの生活、仕事にくたびれたナカノを仙狐さんが支え続ける毎日でもいいのでしょう。
ですが、ナカノと仙狐さんの寿命は同じ長さではないのです。
いまの心地いい関係が永遠ではないのなら、どこかでナカノが独り立ちできるように、仙狐さんが離れても安心できるように、変化する必要があるんじゃないかなって思います。
本作を読んでいると、ナカノと仙狐さんの生活に癒されるのは間違いないのですが、いつまでもこのままで居られないよなという考えも浮かんでくるのですよね。
ナカノのことを献身的に支えてくれる仙狐さん。
神使である仙狐さんがナカノのことを献身的に支えてくれる理由は、仙狐さんが回想する過去シーンに出てくるナカノに雰囲気が似ている男性に関係あるのでしょうね。
あそこまで顔もそっくりだし、ナカノのことを甲斐甲斐しく世話を焼く仙狐さんを見ると、ナカノと回想シーンのあの人が関係ない訳が無いですよね。
普通に考えてナカノの前世があの人なんだろうな。
新入りの神使の狐さんが告げた「ずっと笑っていてほしい人がいる」という言葉。
この言葉はかつての仙狐さんの望みであり、今の仙狐さんが叶えている事なのかもしれないですね。
仙狐さんとナカノの安定した生活、悪い意味でいうと変化のない生活は、次巻『世話焼きキツネの仙狐さん 5巻』で何らかの変化が生じそうです。
今巻のクライマックスでナカノの家を訪れた人物。
この人物と仙狐さんが出会うであろう、次巻でどんな変化が生じることになるかが楽しみです。
この家を訪れた人物はナカノの家族なのか?親戚なのか?
それとも友人なのか、かつての恋人なのか?
どんな人物なのかがとても気になります。
シリーズ感想の索引
世話やきキツネの仙狐さん 1巻 感想
世話やきキツネの仙狐さん 2巻 感想
世話やきキツネの仙狐さん 3巻 感想
世話やきキツネの仙狐さん 4巻 感想
お勧めの作品
今回のお勧めは『ドラえもん (6) (てんとう虫コミックス)』です。
仙狐さんの存在が、のび太のことを全肯定してくれるドラえもんに思えたことからのチョイスです。
未来へ帰るドラえもんを安心させるため変わったのび太の様に、仙狐さんを安心させるためにナカノは仕事を変えるという展開はあるのだろうか。
小学館
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