『スレイヤーズ 17巻 遥かなる帰路』のネタバレありの感想になります。
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
あらすじ
「―え。」ひょんな出来事から一転、気がつくと見知らぬ町にいたリナとガウリイ。あたりを見渡せば、見たことがない文字、使ったこともない通貨、あきらかに自分たちとは違う文化様式―。動揺しつつも、経験と推理から導き出した結論は、「…ここ、魔族の結界の『外』の世界よ…」衝撃の事実!?だがしかし、立ち止まっていても意味は無し!ふたりは故郷に帰る道を探しはじめる。その先には、新たな出会いとやっぱりやっかいな脅威が待ち受けているわけで―リナとガウリイの、新たな、長い冒険の旅が始まる!
ネタバレなしの感想
『スレイヤーズ 16巻 アテッサの邂逅』がファンに向けたオールスターが揃った劇場版や特別篇という感じでした。
今回の『スレイヤーズ 17巻 遥かなる帰路』は、本編の正式な続編であり、第三部の開幕編と言える内容となっています。
覇王将軍ノートスの策謀により結界の外の世界へ飛ばされたリナとガウリイということで、第一部や第二部で舞台にしていた結界の中の世界から飛び出し、結界の外を舞台にした冒険が始まります。
外の世界は中の世界と異なり魔術が発展していないことや、結界の外ということで赤竜から分かたれた四柱の竜王の力を借りることが出来るという点が大きな差異といえるようです。
新章開幕ということで外の世界の説明、新たな敵の存在の提示というところがメインになっていますね。
サブタイトルに『遥かなる帰路』とあることから、目標はリナとガウリイが中の世界に戻るという事だと思います。
ですが、厄介ごとを引き寄せたり自ら突っ込んでいくリナの事だから色々なトラブルが起こりそうですね。
リナを外の世界に飛ばしたことは、きっと魔族の計画の一端の様に考えられます。
外の世界に存在する四柱の竜王もリナや魔族の陰謀を黙って見過ごすとは思えませんし、次巻でどんな事件が起こるかが楽しみです。
新たな世界に飛び出したということで、人気キャラクターであるアメリアとゼルガディスの出番はしばらく望めなそうです。
代わりに外の世界の説明役であり旅の同行者としてランという少女が新たに仲間に入ります。
ランは竜王の力を借りる魔術を使い、棍の使い手で中々強いキャラクターですね。
天真爛漫な性格ですし、軽い口調からしてあまり考えていない様に見えますが、しっかりと自分で考えて行動できる面白いキャラクターであります。
成り行きからリナ一行に仲間入りしたようにも思えますが、ランの旅の目的や行動の根幹がなんなのかは気になるキャラクターです。
新たな世界、新キャラクターの加入、新たな竜王の魔法と楽しみな要素満載ですし、次巻『スレイヤーズ 18』が楽しみです。
ネタバレありの感想
ここから下は『スレイヤーズ 17巻 遥かなる帰路』のネタバレありの感想になります。
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
外の世界について
第三部の舞台が外の世界になるのかなというのは可能性としてはありましたが、本当に結界の外の話になったのは驚きがありました。
冥王を倒し、分かたれた魔王も倒したリナの存在を考えると、一部と二部と同じ様に中の世界で戦い続けるのはマンネリ感がありますし納得の展開です。
ただ、郷里の姉ちゃんことルナ=インバースさんの出番が遠のいたのはちょっと残念ですけどね(笑)
新たな舞台となった結界の外の世界、こちらの世界では魔法の進歩がナカノ世界に比べて劣っていました。
進歩がおくれている理由は、結界の外では赤の龍神の力を分けた四柱の竜王の影響力があり、逆に魔族の力が弱いという事なんでしょうかね?
竜王の力を借りる魔法が優位のため、魔族に力を借りるということが異端の研究として発展しなかったのかなという推測が出来ます。
となると、外の世界は魔族よりも竜王側が優勢なのかもしれません。
「混沌をその身に降ろした者がこの地に現れ、混沌をもたらす」という神託したのも竜王の内の一柱だとすると、今度の敵は竜王や竜王を信奉する一派なのかしらね?
ただ、神託には別に混沌をその身に降ろした存在を滅せよとか物騒なことは言っていないし、四柱の竜王とリナの会合や共闘という展開も考えられますよね。
全ては混沌から生じる訳ですし、混沌イコール悪という訳でもありませんから。
当面はネオスフィードという過激な宗教一派と敵対するでしょうが、リナという特異な存在を中心に四柱の竜王勢力と魔族のぶつかり合いが楽しめそうです。
「滅びの砂漠」は、冥王が滅びたことから結界としては機能していないかもしれません。
「滅びの砂漠」を目指しつつ、ネオスフィードの火の粉を振り払っていくのかな。
神託を降した理由、魔族がリナを外の世界に飛ばした理由が第三部のキーポイントになるのではと考えています。
ノースとの狙いについて
リナとガウリイを外の世界に飛ばしたスレイヤーズ第三部開幕を告げた存在が覇王将軍ノースです。
ノースは魔王や冥王を滅ぼすきっかけとなったリナを避けるために、コントの様なやり取りを経て外の世界にリナたちを転移させました。
この転移の展開は本当にギャグみたいなやり取りなのですが、外の世界にリナを飛ばしたことには何かしら魔族の思惑がありそうに思えます。
そう考えた理由は、魔族上層部が注目する存在であるリナを一将軍であるノースが独断で結界内から外へ飛ばすとは考え難いからです。
ノースの行動の背後には覇王の思惑がありそうに思えるのですがいかがでしょうね。
魔族は結界を張っていたとはいえ結界の外の世界でも活動はできます。
ただ表だって行動する強力な魔族は結界の外の世界ではいないようです。
もしいたとしたら、ブラストデーモンが猛威を振るい北の魔王と呼ばれることはなかったでしょう。
魔族が表に出ない理由は四柱の竜王と直接ぶつかることを避けたいからか、時間をかけての陰謀があるからなのか?
ですが、もしも魔族が長期にわたる計画を外の世界でひそかに行っていたとしたら、リナという不確定要素をわざわざ転移させるとも考え難いんですよね。
だとすると、四柱の竜王の力を削ぐ狙いでリナを外の世界に送り込んだという方が納得できます。
混沌をその身に降ろした存在であるリナの事は、四柱の竜王とはいえど無視できないはずです。
四柱の竜王がリナに注目しているうちに、外の世界で魔王を見つけるか、見つけた魔王の復活を図るのが目的なのかな。
シリーズ感想の索引
スレイヤーズ 16巻 アテッサの邂逅 感想
スレイヤーズ 17巻 遥かなる帰路 感想
お勧めの作品
今回のお勧めは、『【合本版】スレイヤーズ 全15巻 (富士見ファンタジア文庫)
』です。
スレイヤーズ本編1巻から15巻がまとまってkindleで読めるようになっています。
今回の新刊を読んで改めてスレイヤーズを読み直したくなった読者にもぴったりですし、これからスレイヤーズに手を出してみようと思える読者の方にもおすすめです。
ランキングを見るにその考えで購入した方がおおかったみたいですよ。
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