『転生したらスライムだった件 6巻』のネタバレありの感想になります。
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
『転生したらスライムだった件 6巻』の再読も終わりましたので感想アップです。
初見の際は続きが気になりどんどん読み進めてしまいましたが、再読すると初見で読み飛ばしていたところやスルーしていたところがありました。
クレイマンが側近として連れていた魔人の片割れは妖狐だったんですね。
リムルの活躍を追いたいばかりの周囲の戦いを駆け足で見ていたみたいです。
あらすじ
魔王種へと進化を遂げたスライム――リムルの元に「魔王達の宴(ワルプルギス)」が発動されたと報せが入った。
それは10人全ての魔王が集う特別な会合。しかもその議題は魔王を僭称するリムルに処罰をというもの。
発起人は、テンペストに災いを呼び寄せた元凶「魔王クレイマン」。クレイマンの謀略を全て理解したリムルは、このワルプルギスを逆手に取り、一気にクレイマンを叩き潰す計画を立てる。
そう、彼がが企てた全ての出来事に終止符を打つために……。
ネタバレなしの感想
多くの策謀を巡らし、リムルやテンペストと敵対していた魔王クレイマンとの決着編です。
最初の中ボス討伐ということで派手な戦闘シーンが多めの内容となっています。
そして、クレイマンとの決着をつける舞台となったのが「魔王達の宴(ワルプルギス)」です。
魔王達が一堂に会すということで、これまでに登場していた魔王以外にも圧倒的な力を持つ魔王たちが複数出てきて興奮しました。
各々の魔王に気になる背景がありますし個性的な面々がそろっていますので、彼らの活躍が楽しみでもあります。
リムルと敵対したり協力したりするのでしょうが、みな圧倒的な能力を持っているのでその力が振るわれるときの恐ろしさも桁違いなんでしょうね。
クレイマンとの戦いも決着ということで、本当に爽快感がありました。
リムルたちとクレイマンとの因縁も長きにわたりましたし、決着がつくまでの間、クレイマンの小狡い策謀には読者としてもヘイト溜まってましたからね。
リムルが圧倒的な実力を見せてクレイマンを叩きのめしたところは、喝采をあげたいくらい気分良かったですよ。
小狡い中ボスに圧倒的な力差を見せて絶望させていく展開は本当に大好きです。
暗躍し策謀を巡らせる敵キャラが表側に引きずり出されると大抵あっさりやられて小物感を醸し出しますが、クレイマンもその例に漏れずといったところでした。
まあ、クレイマンが弱すぎたのではなくリムルとその仲間たちのパワーアップが急激な上に桁違いなことが原因なんですがね。
下手に策謀めぐらせたり暗躍せずに豚頭帝の頃くらいからクレイマンが前面に立っていれば結果も異なっていた可能性はあります。
リムルという存在がこの異世界を大きく動かし、周囲の人々の運命も変えてしまった結果、クレイマンの策謀が敗れ惨めにも敗北したということですね。
今後も、リムルが中心となって巻き起こる騒動によって色々と世界が変貌していくことでしょう。
その変わりゆく世界と巻き起こす騒動を楽しんでいきたいと思います。
次の展開は「中庸道化連」達との戦いになっていくのかな?
クレイマンが信奉している、彼にとって上位にあたる存在が「中庸道化連」の中にいるようですしね。
いまだ名前や外見が描写されていないけど、おそらくあの人なんだろうな。
私の予想が当たっているかを楽しみにしつつ、次巻も早めに読みたいと思います。
個人的な評価
今巻も面白く楽しめることが出来ました。
リムルの活躍もいいですし、テンペストの仲間たちにもそれぞれ見せ場があって良かったです。
折角、魅力的なキャラが多いのですから置物にならず活躍の機会があるというのは大事だと思ます。
良かった点
■ヘイトを集める敵を倒したことで爽快感
散々ヘイトを集めてくれたクレイマンが完膚なきまでに叩きのめされたので爽快感が気持ち良かったです。
悪役はヘイト貯めてなんぼですし、ヘイトをためた分、気持ちよく叩きのめされてほしいものです。
そういった意味で、クレイマンの倒し方は花丸ですし、満点でしたよ。
悪かった点
■強さのインフレが心配
リムルの強さも天井知らずで上がっていますが、それに付随して配下の強さも鰻登りです。
ベニマルやシオンは魔王級ですし、その二人を凌駕しているであろうディアブロもいます。
今後、強さのインフレが進んでいくことがちょっと心配ですね。
「ゴブタは置いてきた。ハッキリ言ってこの戦いにはついていけない」とかなりそうです。
ネタバレありの感想
ここから下は『転生したらスライムだった件 6巻』のネタバレありの感想になります。
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
リムルさんと仲間について
長きにわたる因縁の相手クレイマンを完膚なきまでに叩きのめしたリムルとその仲間たちですが、圧倒的すぎでしたね。
リムルがクレイマンを一蹴するのは予想の範囲内でしたが、覚醒する前のクレイマンとはいえシオンに叩きのめされるとは思いませんでしたよ。
死から蘇ったことでここまで強力なキャラクターになってしまったのか。。。
そんなシオンだけではなく、ベニマルやシュナ、ソウエイ、ハクロウというテンペスト幹部陣も漏れなくパワーアップしています。
それに彼らが率いる軍勢の人員もパワーアップしているわけですから、テンペストの軍事力は質・量ともに周辺国を圧倒しすぎですね。
今巻でいえばクレイマン陣営の幹部との戦いは、リムルではなくベニマル達が行ったわけですが、彼らの戦いも窮地に陥るって程の苦戦はありませんでしたからね。
私の個人的な願望や要望でいいますと、主人公が勝利するのはほぼ約束されていますので、主人公以外の戦いでどちらが勝つかわからない緊迫した戦闘を楽しみたいなって思いがあります。
今後は「中庸道化連」にいるフットマンとティアの様な強敵と戦うことで、同格の強者同士の緊迫した戦闘を楽しめることを期待しています。
リムルさんはリムルさんで別格の力を見せていましたが、ギイやミリムを始めとした古き魔王たち(ラミリス除く)の力には及ばないようでした
まださらに上の存在がいるのかと驚くと同時に、リムルさんですらまだ及ばない高みがあることに楽しさや期待感が増しますね。
古き魔王たちは皆それぞれアルティメットスキルを所持しているようですし、だれがどのようなスキルを持っているのか?
そのアルティメットスキルを遣う展開が訪れるのかとても楽しです。
今巻で魔王たちをみたの感じですとリムルと敵対するような状態が想像できないです。
なので、敵というよりは魔王たちが協力体制をとって、更に強い別の存在達と戦っていく展開になりそうな気がします。
まあそうなると、たぶん魔王たちと敵対するのは天使たちと天使たちを使役する存在になるんでしょうね。
クレイマンと中庸道化連について
物語初期の中ボスとしてヘイトを集め、今巻で小物のように倒されて散っていったクレイマンです。
他者を利用するだけのクレイマンには好感が全く湧きませんでした。
なので、シオンに完膚なきまでに叩きのめされ、リムルに全く敵わず吸収されたところは爽快感がありました。
そんな良いとこなしのクレイマンでしたが、散り際に見せたラプラスとの友誼と中庸道化連の主への信奉の念は、数少ない好感度を上げるポイントでしたね。
「悪魔にだって友情はあるんだぜ」という感じで、憎むべき敵が見せる人間的な部分は分かってはいるがグッときちゃいます。
ミリムの力という借り物の力に慢心せずラプラスの助言を素直に聞いていたら今巻の様な哀れな末路は辿らなかったことでしょう。
リムルに叩きのめされたとしても逃亡することはきっと叶ったはずです。
まあ、散り際に見せた良いポイントを差し引いてもクレイマンの行った行為は許せるものでは無いのでキッチリ倒されて安心しました。
彼が引き継いでいた呪術王カザリームの基盤は今回の件で霧散してしまいましたので、中庸道化連やカザリームの弱体化は免れないですね。
それにしてもクレイマンだけではなく呪術王カザリームも小物らしさ全開で笑ってしまいましたよ。
自信を持って語っていた魔術道具「支配の宝珠」がまったくミリムに効果を発揮していなかったわけで、巻頭で自信を持って語っていた姿が本当に道化でしたよ。
ミリムに対して効果がなかったということは、カザリームはアルティメットスキルを持っていないしその知識もないってことで器がちょっと。
次の中ボスになるにはカザリームでは力不足ということで、中庸道化連の主である謎の人物が当面の敵になりそうですな。
その中庸道化連の主である謎の人物ですが、正体はぶっちゃけ神楽坂優樹ですよね。
坂口日向の行動を誘導可能で、かつ前々巻でリムルの動向を把握していた人物というと該当者が少ないですし、ほぼ神楽坂優樹で確定泣きがします。
リムルのもつアルティメットスキル『智慧之王』の推測による該当者にも神楽坂優樹の名前は出てきていましたしね。
まあ、中庸道化連の主人の正体を隠していることに深い意味はないとは思いますが。
それよりも彼らの目的である世界征服のことが気になります。
何か叶えたい望みがあり、そのための手段として世界の征服を目指しているのではなく、世界を乱すことを遊びとして楽しんでおり、そのことを世界征服といっているようにも思えますね。
神楽坂優樹の歪んだ本質が描かれるときが楽しみだな。
今後、神楽坂優樹と中庸道化連がどのように陰謀を巡らせるのか?
その陰謀にどうリムルとテンペストが立ち向かうのか?
という点が話のメインになっていきそうですね。
ミリムについて
クレイマンに操られるほどミリムは小者じゃないよなって思っていましたが、やっぱり操られては居ませんでしたね。
ミリムはクレイマンの策謀と黒幕を炙り出すための策略として操られていた振りをしていただけでした。
この行動を考えると普段のミリムの幼さや考えなしな部分は表面だけで、その裏側は本質をつかめる聡明さをもったキャラクターであるといえますね。
また、クレイマンを陥れるための策略のためとはいえ、ミリムが横暴なクレイマンの行動によく我慢できたなとも思います。
ミリムは聡明な頭脳を持ち、更には覚醒したリムルがまだ太刀打ちできない強さを持っているわけですから、古き魔王とは本当に別格ですし圧倒的ですよ。
いずれはリムルもミリムの強さの領域に踏み込むことでしょうが、その道のりはまだまだ遠く険しいですね。
ここから下はミリムに対して感じた細かい点を愚痴愚痴と長文で書いています。
ミリムのことが大好きな人は読み飛ばすことをお勧めします。
そんな聡明な行動をみせてくれたミリムですが、獣王国ユーラザニアの首都を吹き飛ばしたのはやりすぎでしたね。
クレイマンを欺く聡明さと、クレイマンの横暴に耐えうる忍耐強さを見せた後ですから余計に浅慮な行動に思えました。
ミリムの行き過ぎた行動は、彼女の戦闘狂であり脳筋な部分を作中で誇示するためのものなのでしょうが、被害者のことを想うと笑えないです。
カリオンから突っ込まれていた際、ミリムが大した反省もなくごまかしたところは、コメディとしてとらえ笑うべきなのでしょう。
本作は基本お気楽でコミカルなノリの作品ですからね。
でも、罪なき者への迫害となる行為を簡単なノリで許すところは笑えないですね。
死亡者ゼロであったとはいえ生活基盤としていた国や住居を無くし難民となった獣人のことを考えると軽いノリで許されるのは論外です。
リムルの協力で以前よりも環境や待遇が良くなったとしても本来はミリムの行いは非難されて当然なのですよ。
本作の世界は弱肉強食の世界であり弱者は虐げられて当然、なのでミリムの行為を是とするのなら、リムルの理想とする国とは相いれない気がするんですけどね。
本作のお気楽でコミカルなノリは好きだけど、ミリムの行き過ぎた行為には良識をもって非難して、本人にも反省させた方が納まりが良かったと思います。
ミリムへの罰としてしばらくおやつ抜きやマンガ禁止とかにすればコミカルなノリも崩れませんし、それなら反省もさせられましたから。
私が引っかかった点なので長文になってしまいました。
シリーズ感想の索引
転生したらスライムだった件 1巻 感想
転生したらスライムだった件 2巻 感想
転生したらスライムだった件 3巻 感想
転生したらスライムだった件 4巻 感想
転生したらスライムだった件 5巻 感想
転生したらスライムだった件 6巻 感想
転生したらスライムだった件 7巻 感想
転生したらスライムだった件 8巻 感想
転生したらスライムだった件 9巻 感想
転生したらスライムだった件 10巻 感想
転生したらスライムだった件 11巻 感想
転生したらスライムだった件 12巻 感想
転生したらスライムだった件 13巻 感想
転生したらスライムだった件 14巻 感想
転生したらスライムだった件(転スラ) 【漫画】 11巻 感想
転生したらスライムだった件(転スラ) 【漫画】 12巻 感想
お勧めの作品
今回のお勧めは『転生したらスライムだった件 13巻』です。
アニメ放送直前に最新刊が発売ですね。
きっと帯にはアニメについての詳細が描かれていることでしょう。
アニメ『転生したらスライムだった件』の放送も凄い楽しみです。
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