『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。 2巻』のネタバレありの感想になります。
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
本作品は2019年夏にアニメとして放映されます。
アニメが成功するか否かはラティナの愛らしさを十全に活かせるかどうかに掛かっていると言えます。
あらすじ
訳有り魔族少女ラティナの保護者となって、早二年。可愛すぎるラティナとの生活も順風満帆な凄腕冒険者の青年デイルは、とある事情から実家のある故郷ティスロウへと帰省することに。そこでデイルは家族への紹介も兼ねて自分の故郷にラティナを連れて行くことにするのだが――「海だぁーっ! デイル、デイルっ! 海、海っ、行ってもいいっ!?」「ラティナは本当に可愛いなぁ……」――初めての長旅で目を輝かせる娘を前に、保護者の親バカも絶賛進行中!?新たな出逢いや発見も満載な、大人気アットホームファンタジー、第2幕!
ネタバレなしの感想
今巻も十二分にラティナの可愛さがタップリの内容で読んでいて実に癒されました。
本作品の最大のストロングポイントはラティナの愛らしさにあると考えているので大満足の内容です。
ラティナの保護者であるデイルの故郷へ赴くため、ラティナとデイルが旅をするというのがメインエピソードとなっています。
デイルに保護されてから初めての遠出ということで、ラティナが今まで見たことのない素晴らしい風景に目を輝かせるところ、美味しい料理に舌鼓を打つところ本当に素晴らしかったです。
ラティナは料理も上手ですし、各地の美味しい料理を味わっていけば素晴らしいシェフやお嫁さんになれそうだな。
はぁ…ラティナちゃんかわゆ…
といった感じでラティナの魅力は1巻に引き続き描かれていますが、今巻の面白いポイントは他にも多々あります。
デイルとラティナがホームタウンとしている街から外に出て、長旅をしたことで世界観が広がり作品としての深みが出てきたと思います。
魔人族側の情勢も語られラティナが魔人族を追放されるに至った理由が憶測できるようになりましたし、
デイルの家族との関係や彼が故郷を出るに至った理由とラティナと出会う前のデイルの状況も語られデイルのキャラクターの掘り下げもされています。
デイル側の事情を知ると1巻冒頭でのデイルが剣呑な考え方をしていたのも納得できますし、そこから正に親ばかになったのも納得いきますね(笑)
デイルの故郷にラティナを伴い訪れたことでデイルは家族を安堵させることが出来ましたし、ラティナにもデイルの傍ら以外にも代えれる場所がもう一つ出来ました。
デイルとラティナの互いが互いに暖かさ与える関係をずっと眺めていたい気持ちになります。
ですが、この暖かさもずっと続かないような不穏な気配も若干漂っています。
今巻で語られた魔王と云う存在、そしてその魔王がラティナが追放された理由と関連がありそうという描写のことです。
ラティナは自分が追放された理由を理解しているようですが、今後、その理由をデイルに伝えるときが来るのかもしれないですね。
でも、どんな理由であろうともタイトルにもある通り、デイルならラティナの為にどんな事情でもはねのけてしまう気がします。
デイルはラティナのことを何よりも大切な存在としていますし、娘のためなら魔王も倒せるかもしれない勇者ですからね。
次巻『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。 3巻』で、また幸せな2人の姿を愛でたいと思います。
ネタバレありの感想
ここから下は『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。 2巻』のネタバレありの感想になります。
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
ラティナについて
ラティナがものすごく可愛いという点は読者には周知の事実なので、それ以外の気になって点をつらつら書きます。
長旅の最中に出会った魔人族の女性との会話の際に、今後の展開をいくつか示唆するような内容が語られてます。
大きなところとしては魔王の存在があります。
本作品世界では複数の魔王が存在し、中には人族と争う厄災の魔王と呼ばれる危険な魔王も存在します。
この魔王の話をしている時のラティナの様子は、幼いころに魔人族を追放されたにしては魔王については事情を知っている様に描かれています。
何故、幼かったラティナが魔王についての情報については理解していたのかを考えると、ラティナ自身に関係がする事だったからではないかと推測されます。
捻りなく考えればラティナがいずれ災厄の魔王になると思われたことが、魔人族からラティナが追放されたのではないかと考えられます。
だからこそ、ラティナは年齢が幼く専門的な魔法の教育を受けていないにもかかわらず、十分に強力な魔法が仕えたのではないですかね。
そして、紫の神の啓示を恐れた理由も、ラティナが追放された理由として、ラティナが魔王になるという啓示を受けたからじゃないかなと思ってしまいます。
ラティナが魔王であるのならば作品タイトルにもある魔王にも関連しますし、この予想は充分当たりそうな気もしますがどうでしょうか?
まあ、当たるかどうかは深く考えず続巻を楽しく読ませてもらおうと思います。
そして、もう一つ気になったのが魔人族の寿命です。
魔人族は種族として長命でデイルたちの種族より長生きするという事です。
ラティナとデイルが親子であっても恋人になったとしても、デイルは先に逝きラティナが残されるわけです。
こればかりは種族的な問題であり、どうにもできない事情ではありますが、残される側も残す側にも厳しい事情に思えます。
いずれは親しい人たちとも別れの時が来て、ラティナだけが周りから取り残されてしまうことになります。
そんな人族の中で暮らす魔人族というラティナの心の重荷を軽くするであろうものが、デイルの祖母が授けてくれた『名』です。
デイルの傍らというラティナのあるべき所、帰るべき場所が失われたとしても、『名』授かったことで他にも帰れるところができたのです。
デイルの故郷はラティナにとっても故郷であり、辛い時に帰れる場所になると思えば心の重荷が少しでも軽くなるのではないでしょうか。
デイルの故郷にラティナが伴われて行けたことは、ラティナにとってよき選択であったと言えます。
次にラティナがデイルの故郷に行くときは、2人の結婚の報告な気がしますね。
先に『名』授けられていますが、結婚することで名実ともにティスロウの一族入りとなり、本当の故郷になるんだろうなあ。
デイルについて
凄腕の冒険者というより、ラティナ命の親馬鹿という風情が目立つデイルです。
今巻では何故、デイルがここまでラティナ命の親馬鹿になったのかという事情が明らかにされます。
デイルに出会ったことでラティナは救われたのと同様に、ラティナに出会い彼女から信頼と愛情をもらうことでデイルの荒んでいた心も救われていたのです。
そりゃ、自分の心を救ってくれた存在であるラティナへデイルが愛情を注ぐのはおかしいことではないでしょうね。
デイルの心がすさんでいた理由は、人と似たような姿かたちをしている魔人族を仕事とはいえ殺害していたこともあるのでしょう。
ラティナと過ごす姿や、故郷で過ごす姿をみるにデイルは本質的に優しい人物であると思います。
そんな優しい人物が敵対するとはいえ魔人族を殺すということに抵抗を覚え、いつしか心が壊れてしまってもおかしくはないでしょう。
デイルにとってラティナと出会えたことは本当に救いになりましたね。
でも、ラティナと初遭遇した時、殺すことを前提に考えていたような。
まず厄介ごとを避けるために殺すという考えが浮かぶほどデイルの心は荒んでいたんだなあ。
いまのデイルは完全にラティナのことを自分の娘としてみています。
デイル自身も自覚のある親馬鹿状態なわけですが、この状態からラティナを異性として意識する展開にどうもっていくのか興味深いです。
いままで散々親馬鹿な姿を見せているだけに、これが恋愛感情に急に代わったら違和感ありまくりですからね。
どのようなエピソードを経てデイルがラティナを異性として意識するのか、次巻以降の展開がとっても楽しみですよ。
ラティナは1巻で8歳、2巻で10歳と成長していますから、3巻では思春期と言える年齢まで成長しててもおかしくないですね。
思春期となるラティナが向けてくる思慕に果たしてデイルはどの様に感じるのか?
次巻の内容もとても気になるので早めに読もうと思います。
シリーズ感想の索引
うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。 1巻 感想
うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。 2巻 感想
うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。 3巻 感想
お勧めの作品
勇者が娘を育てると言って思い浮かぶのはやっぱりこれですね。
シリーズの中で2が一番バランスよく遊べた気がします。
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