絶対彼女作らせるガール! 感想 ネタバレ あらすじ




この学園には必勝の女神がいる――。白星絵馬の手のひらに願い事を書くと叶う、そんなジンクスといつも笑顔な人柄で学園でも人気のクラスの太陽・絵馬を尻目に、目立たず冴えない自称幽霊の大地は生徒会室へ。憧れの生徒会長・獅子神玲花の雑務のためだ。が、ある日、大地が偶然絵馬の「とある秘密」に触れたことで、絵馬が大地の恋愛を全力応援すると宣言! さらに絵馬を信奉する学園トップ美少女の猪熊みりあと鷹見エレナまで巻き込んで大地のモテ改革を開始!! 大地の学園生活は瞬く間に一変していき――!? 第13回新人賞<優秀賞>の正統派青春ラブコメ、爽快に登場!

『絶対彼女作らせるガール!』のネタバレありの感想になります。

ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。

ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。

第13回MF文庫J新人賞最優秀賞受賞作の『僕の知らないラブコメ』が面白かったので、優秀賞の『絶対彼女作らせるガール!』も期待して購入しました。

評判などをみずに購入したので、作風が合わなかったらどうしようかなと思っていましたがとても楽しく読むことが出来ました。

新人賞3作品中2作品が楽しめましたので、残りの1作品も手を出すべきか悩みますね(笑)




ネタバレなしの感想

主人公『亀丸大地』は、後ろ向きで目立たず冴えないクラスでは目立たないタイプです。
そんな彼が想いを寄せる相手は生徒会長で学園一の才女『獅子神玲花』です。釣り合わない相手への片想いは、彼女に想いを寄せる相手が居ることを悟り失恋に代わります。

失恋のショックで絶望の淵にいた『亀丸大地』は、犬を助けたということがきっかけで必勝の女神と言われる『白星絵馬』と知り合うことになります。

『白星絵馬』の協力を得た『亀丸大地』が、『獅子神玲花』に釣り合う男子となるため努力していくお話です。

とても面白い作品でした。

物語序盤を読んだところでは、描写されたヒロイン『白星絵馬』の描かれ方が荒唐無稽であったことと、主人公が余りに後ろ向きであったことと、サブヒロイン勢のSっぷりにちょっと引いてしまった部分がありました。

ですが、その描写も物語終盤である第6章とエピローグを盛り上げるために必要な大事な部分であったことが、読後には分かりました。

あの序盤の描写があったからこそ、クライマックスで発揮した主人公『亀丸大地』の優しさや言葉にカタルシスを感じられたのだと思います。

冴えない男子が皆の助力により成長し、みなの優しさや助けに気づくことができ、皆から受け取った優しさを自分も他者に施せるようになるという成長物語としても美しい流れでしたよ。

誰かを想い努力することはとても大切なことだし、決して無駄になることは無いと思えました。

物語中盤まではファッションセンスについてや、異性に対する向き合い方など恋愛面でのハウツー本的な要素をうまく物語に落とし込めているんじゃないかと思います。

作中はサブヒロイン勢に虐げられるコメディシーンとして描かれていましたが、ハウツーとしての入門編の役割を果たしています。

物語を楽しみながら最低限必要な恋愛ハウツーを学べるという意味でも、本作は中高生にお勧めの内容になっているのではないでしょうか。

ただ、どうしてもここまでSっ気のあるサブヒロイン勢は珍しい事もあり人を選ぶような気が少ししますね。

主人公の成長物語、恋愛面でのハウツー、ラブコメという面が楽しめる方にはお勧めの作品だと思います。

序盤でちょっと合わないかもと思った方でも、できたら第6章とエピローグまで読んでもらいたい作品です。

私もそこまで読んで作品に対する想い入れが増えましたので、最後まで読んでほしいです。

作者の「まほろ勇太先生」が、この作品の続編を書くのか、それとも新作を書くのかは分かりません。

ですが、「まほろ勇太先生」の新作が出たら買おうと思います。




ネタバレありの感想

ここから下は『絶対彼女作らせるガール』のネタバレありの感想になります。

未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。

亀丸大地について

『亀丸大地』は序盤のウジウジとしたところや、後ろ向きな考え方といい、かと言って何か変えようと動かないところからして、序盤は本当に好感度がない主人公でした。

少なくとも私は『獅子神玲花』と結ばれる未来だけは無いなと思いましたし、応援したいなって気持ちもありませんでしたよ(笑)

ですが、そんなウジウジとした『亀丸大地』が、『白星絵馬』や『猪熊みりあ』、『鷹見エレナ』の助力の元で意識を変え、外見から変化していき意識を変えていく姿はとても楽しかったです。

自分一人では動けなかった『亀丸大地』が、皆の助力を無下にはせず、その助力をきっかけに成長し意識を変えていく姿はとても良かったです。

序盤の『亀丸大地』がマイナス要素ばかりだっただけに、成長した『亀丸大地』の姿は見違えていました。

そんな成長した『亀丸大地』の姿が一番現れていたところは、『獅子神玲花』への告白シーンであったと思います。

『獅子神玲花』が失恋して沈んでいた時、その失恋を自分へのチャンスと捉えず、『獅子神玲花』が悲しまない様に『獅子神玲花』が幸福になる様に願い告白した『亀丸大地』の姿はとても輝いていたと思います。

自分の事より相手のことを想い行動できた『亀丸大地』は、誰よりもカッコよく見えました。

本当にこの告白シーンのカタルシスの為に、序盤で主人公の姿をとてもダメダメな感じで描いていたのかと思いましたよ。

外見も『猪熊みりあ』の助力で向上したこともありますが、あの告白シーンでの男前なセリフを聞いたら『獅子神玲花』が『亀丸大地』を意識するのも当然だなって感じました。

『獅子神玲花』が失恋のショックで落ち込まず、失恋した相手の幸せを応援しようと思えたのもきっと『亀丸大地』の告白があったからでしょうね。

エピローグでの生徒会室での『獅子神玲花』との会話シーンはイチャイチャしていてとても良かったです。

この2人に『白星絵馬』も加わり、恋愛面がどうなるのか気になる感じで終わったところも最高に良かったです。

ラブコメ好きとしては本当にこのエピローグを読めただけで購入した価値がありましたよ!

ヒロイン勢について

ヒロイン勢はどのキャラクターも魅力的に描かれていて良かったです。

ただ、サブヒロイン勢の『猪熊みりあ』と『鷹見エレナ』はSっ気が強くて自分には最初ちょっと合わなく思いましたね。

ですが、第6章でそんな『猪熊みりあ』と『鷹見エレナ』も昔から魅力的だったわけではなく、努力して今の魅力的な姿になったと知り彼女たちへも魅力を感じるようになりました。

昔、『亀丸大地』の様に『白星絵馬』の助力で変われたということであり、努力もせずに報われてきたわけではないと知り、彼女たちへの見方が変わったのだと思います。

メインヒロインである『獅子神玲花』は好きな相手の為に努力を続け学園一の才女になりましたし、『白星絵馬』も姉が死んだことをきっかけに今の女神と言われる自分になっています。

本作のヒロイン勢はみんな自分自身で努力をし、魅力的な存在に代わっています。

そういった努力をしてきたところに魅力を感じているのかなと思います。

主人公もヒロイン勢も努力をして魅力的な自分になったことが描かれていますから、読者も努力することの良さや、変化することに前向きになれるのかもしれないですね。

ベタな感想ですが、努力して成長や向上するキャラクターは大好きです。

ですから、次回作でもこの要素があることを期待してしまいますね。




シリーズ感想

絶対彼女作らせるガール 感想

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